この映画、東京ファンタで上映された直後から「とんでもない映画だ」という噂は聞いてましたが、本当にとんでもない映画でした。ただしこのとんでもなさは計算尽くのものなので、その点が僕は多少不満だ。同じ計算尽くなら『DEAD OR ALIVE』のラストの方がとんでもなかったし、馬鹿馬鹿しさのパワーでは『WiLD ZERO』の方が強烈だった。この手の映画の面白さは、映画の序盤で掛け違えたボタンが混乱を生み、ボタンの掛け違えがさらに増幅されていくことだと思う。序盤でボタンをひとつ掛け違えていたら、中盤では2個ぐらい掛け違いが広がり、最後はボタンを全部引きちぎってカタルシスを味わうのが定石。観客は当然それを期待するだろう。ところがこの映画は、途中で2,3個の掛け違えまで事態を混乱させながら、最後の最後に全部のボタンがきれいに揃ってしまう。最後に妙にツジツマが合ってしまうのが気にくわない。途中までは本当に面白かったのに!