エクストリーム

2000/03/09 東京アイマックスシアター
大自然を相手にする6つのスポーツを巨大画面で観る迫力。
最初から最後まで手に汗握る場面の連続。by K. Hattori


 『ファンタジア/2000』の後番組になる、アイマックスシアターの大型映像映画。今回も3Dではなく2D作品だが、「これぞアイマックス!」と唸らせる大型映像の醍醐味を味わうことが出来る。中身はサーフィン、アイスクライミング、スキー、スノーボード、ウィンドサーフィン、ロッククライミングという6つのスポーツ。まったく無関係の6つのスポーツをオムニバス風に並べただけなので、そこにはドラマやストーリーがあるわけではない。登場するのは各スポーツの世界でトップレベルの技術を持った人たちらしいのですが、僕はどのスポーツにも無縁なので詳しいことはよくわからない。しかし映画を観ているだけで、この人たちがとんでもないことをしていることがよくわかる。共通するのは、これらのスポーツが大自然を相手にしていること。人間がまったく太刀打ちできない壮大な自然のパワーの前に、人間がいかにちっぽけなものなのか。この映画はスポーツのドキュメンタリーだが、結果としては自然の豊かさを讃える環境ドキュメンタリーになっている。

 とにかくスケールが半端じゃないのだ。最初のサーフィンも、波の高さが十数メートルという超ビッグ・ウェーブの中での撮影。そのパワフルさは、『ディープ・インパクト』の最後に登場する津波より何十倍も迫力がある。何しろこれは特撮じゃなく、本当にその場で撮ってるんですからね。アイマックスの巨大なスクリーンを巨大な波が埋め尽くすと、まるで目の前のスクリーン全体が波打っているかのような臨場感がある。青い斜面を猛スピードでサーファーが滑り降りると、その後ろから白く砕けた波頭が追いかける。この波頭だけで高さ3メートル、幅10メートルぐらいはありそうです。飲み込まれたら一巻の終わりじゃないかと思わせる。しかしサーファーたちはそこに何度も何度も飛び込んでいく。

 僕は少し高所恐怖症気味のところがあるので、アイスクライミングとロッククライミングの場面にも背筋がゾクゾクして手に汗握ってしまった。アイマックスのスクリーンは高解像度でサイズも大きいので、カメラをものすごく引きで撮っても、巨大な氷壁や岩にしがみつく豆粒のような人間がクッキリと見える。氷壁を命綱なしで登っていく場面なんて、観ていて本当にヒヤヒヤしてしまった。ところでいつも思うんだけど、ああいうのは登った後どうやって降りるんでしょうか……。

 山の頂上からほぼ垂直に滑り降りるスキーやスノボ、巨大な波の上をジャンプし、まるで空を飛ぶように宙を舞うウィンドサーフィンなど、どの場面もため息が出るような映像ばかり。「最近は特撮ばかりの映画でちっともドキドキしないんだよな」と思っている人は、この映画を観るべきです。全編がまさに本物の迫力。エンドクレジットには撮影風景が紹介されていますが、海面すれすれに飛行するヘリや、ロープで宙づりになっての撮影など、映画を撮る方もかなり無茶して撮ってることがわかります。この映画は、一見の価値がありますよ!

(原題:EXTREME)


ホームページ
ホームページへ