スクリーム3

2000/03/15 アスミック・エース試写室
人気シリーズの完結編。今回の舞台はハリウッドだ!
過去2作を観た人へのサービス映画。by K. Hattori


 '96年の『スクリーム』、'97年の『スクリーム2』に続く、シリーズ三部作完結編。監督は前2作と同じウェス・クレイヴン。ネーヴ・キャンベル、デイヴィッド・アークエット、コートニー・コックスといった主要キャストもそのまま登場。映画オタクたちの共感を誘いながら前作で惜しくも殺されてしまったジェイミー・ケネディも、「お、この手があったか」という方法で再登場して、今回は「三部作完結編のセオリー」について解説してくれる。脚本は前2作のケヴィン・ウィリアムスンから、『隣人は静かに笑う』のアーレン・クルーガーに交代。ウィリアムスンは自身の初監督作『ティーティング・ミセス・ティングル』で忙しかったのだろうか。ただし「製作」には彼の名前がクレジットされている。

 映画は1本の間違い電話から始まる。親しそうに話すその声が、いつしか殺人者の凶暴なそれに変わるという過去2作と同じパターン。1作目ではドリュー・バリモアが殺され、2作目では劇中で上映されている映画の中で同じ場面が再現され、今回はさらに別の人のもとに電話が掛かってくる。導入部からシリーズの連続性を否応なしに印象づける仕掛けだ。今回の舞台はハリウッド。ウッズボローの連続殺人事件をテーマにした実録ホラー映画『スタブ』は、シリーズ3作目の製作に入っている。『スタブ2』はどこに行ったのかと思ったら、じつは映画の中では既に『スタブ2』が公開されていて、今回は現実を離れたオリジナル・ストーリーとして『スタブ3』が作られるという設定です。映画の中では『スタブ3』の脚本と同じ順番で人が殺されますが、ネットでのストーリー流出を恐れて脚本が3通り用意されているなど、最近のハリウッド事情を踏まえたネタも入ってます。

 1作目では恋人に襲われ、2作目では新しい恋人を目の前で殺されてしまった主人公シドニーは、人との接触を避けるように山の中で一人暮らしをしている。『スタブ3』の関係者が次々に殺され、殺害現場にはなぜかシドニーの母親の写真。犯人はシドニーを探しているらしい。彼女はついに山を下りて、犯人と立ち向かうことを決意する。今回の見どころは、主人公シドニーの成長ぶりでしょう。1,2作目に比べると、彼女はタフになりました。1作目では殺人鬼の出現に悲鳴を上げる少女でしかなかったのに、2作目では目の前の殺人鬼と堂々と渡り合い、今回は自ら殺人鬼と戦うために事件の中に身を投じていく。シリーズと共に、主人公が少しずつ成長している様子がよくわかります。

 映画の内容にあまり立ち入ったことは書けませんが、今回は1,2作目のような大仕掛けのトリックはない。あっと驚く真相というのも、途中で何となくわかってしまう。(犯人の動機は途中でわかったけど、誰が犯人かは最後までわからなかったけどね。)今回はあくまでも前2作を支持してくれたファンに対するサービスだと思う。前2作をしっかり観た人には、何かと楽しい映画です。今回だけ観ても、何が何だかわからないでしょうね。

(原題:SCREAM 3)


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