心臓移植から始まる移植のラブ・コメディ。中盤は最高!
女優ボニー・ハントの監督デビュー作。by K. Hattori
テレビと映画でお馴染み『Xファイル』の主演スター、デビッド・ドゥカブニーと、『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』『理想の結婚』のミニー・ドライバーが共演するラブコメディ。映画ではドゥカブニーの名前が先にクレジットされていますが、日本の報道資料ではミニー・ドライバーの名前の方が先に出ている。日本の普通の映画ファンにとっては、ミニー・ドライバーの方がビッグネームということなんでしょう。監督・脚本は、本作が監督デビュー作となる女優のボニー・ハント。本人もヒロインの親友役で出演しています。この映画のテーマは心臓移植。事故で妻を失った男がその心臓を提供されて元気になった若い女性と偶然知り合い、心臓を巡るつながりを互いに知らぬまま強く惹かれ合っていく。原題の『RETURN TO ME』はディーン・マーチンが歌うこの映画のテーマ曲のタイトルだが、もちろんこれは妻を失った男が亡き妻の面影を追い求める気持ちと、彼女の心臓(ハート)が戻ってくるという話にひっかけたものだろう。これを単純にカタカナ邦題にせず、『この胸のときめき』というオリジナルの日本語題にしたのは上手い。「ときめき」とはもちろん心臓の鼓動のことだ。