最終絶叫計画

2000/08/26 渋谷東急
ホラー映画をパロディにしたコメディ映画を先行上映で再見。
監督本人も出演しているのを発見! by K. Hattori


 試写でも1度観ている映画なのだが、たまたま機会があったので先行オールナイトを観ることにした。渋谷東急はこの映画のマスコミ試写が行われた劇場で、入口ではマスコミ試写の時と同様、映画に登場するマスクマンがポップコーンの小袋を無料配布していた。試写の時より、袋が少し大きいし、特製ステッカーも付いている。なんだか得したような気分。食事の後だったので、ポップコーンは食べなかったけれどね。

 さんざん飲み食いした後に映画を観たので、僕は映画の前半で少しダウンしていたのだが、映画館全体のノリは非常によかったと思う。本編前のただし書きから、クスクス笑いではなく、ゲラゲラ笑う声があちこちから聞こえてくる。冒頭の『スクリーム』のパロディでは、既に観客の多くがこの映画に引き込まれていたようだ。僕は連日の寝不足と、夕方から入ったアルコールと食事のせいで体中がしびれるようにだるく、映画の前半は少し目をつぶってウトウトと休憩していた。復活したのは中盤のミスコンの場面から。一度目が醒めてしまえば、あとはラストまでぐんぐん映画に引き込まれてしまう。

 繰り返しひとつの映画を観ると、前には見落としていた部分を再発見するものです。今回はこの映画の監督キーナン・アイボリー・ウェイアンズが、映画の中にチラリと顔を出しているのを発見した。キーナンは『グリマーマン』や『クロスゲージ』に出演している俳優なので、自分の兄弟が重要な役で出演し、本人が監督している映画にも絶対に少しは顔を出しているはずなんです。今回は本当にカメオ出演ですが、結構目立つ場所に一人だけ出てきて、ある映画の有名な台詞を絶叫します。

 試写の時に観ていて面白かった場面は、2度目に観てもやっぱり面白かった。さんざんバカみたいなことをやっている映画ですが、ひとつひとつのシークエンスはきちんと演出されているのです。ヒロインの家のパーティーと、ジャンキー連中のマリファナ・パーティーの場面をカットバックさせていくくだりは、映画の中でもクライマックスだし、構成も結構緻密だったりする。僕は『裸のガンを持つ男』シリーズのような「出会い頭のギャグやパロディ」があまり好きではないので、『最終絶叫計画』の計算したギャグには好感を持っている。

 この手のパロディ映画は、いつどの場面にどんな映画の引用があるのか、まったく予備知識なしに観るのが面白いと思う。突然ある映画の有名な場面が登場し、それが二重三重にひねってあると、笑う前に感心してしまったりもする。パロディというのはダジャレのようなもので、もじる前のオリジナルを知らなければ面白くない。だがこの映画ではもじりからさらに一歩進んで、パロディを起点とした別のギャグに転化させている場合が多いのだ。この映画に欠点があるとすれば、それは各エピソードのどこまでがパロディで、どこからがオリジナルのギャグなのかわかりにくい点かもしれない。さんざん笑った後で、オリジナル探しに頭を悩ませます。

(原題:SCARY MOVIE)


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