ジェネックスコップ2

2001/10/12 シネカノン試写室
香港の若手スターが主演する刑事アクションドラマのパート2。
今回はハイテク・ロボットが登場するSFX映画。by K. Hattori

 警察学校のおちこぼれたちが潜入捜査のために集められ、警察上層部がまったく期待していなかったような大活躍をするという『ジェネックスコップ』のパート2。今回は前作のニコラス・ツェーに代って、エディ・チャンがメンバーに参加。前作から引き続き主演するスティーブン・フォン、サム・リーと共に大活躍を見せる。前作は比較的低予算でストレートな刑事アクションドラマだったが、今回は大ヒットの後を受けての映画と言うこともあり、SFXを駆使した見せ場たっぷりのアクション巨編に仕上がっている。爆発と銃撃戦がなくても面白い映画は作れる。しかし爆発と銃撃戦がたっぷり詰め込まれていると、観客側の気持ちがヒートアップするのも事実。この映画は全編がドンパチの連続で、最初から最後まで物惜しみしない見せ場の連続だ。

 アメリカが開発した究極の戦闘ロボットRS1が、香港で開催される兵器ショーに出品されることとなった。このショーの警備を担当することになったのが、マッチ、エイリアン、エディソンの“ジェネックスコップ”たち。そんな中、エディソンは幼なじみのカートから数年ぶりに連絡を受けて再開を喜び合う。だがこれはカートの罠だった。彼は自分が開発に関わったRS1を盗み出すため、警備担当のエディソンに強い催眠をかけて強奪に協力させる。夢遊病者のように真夜中の展示会場に入り込み、RS1遠隔操作のためのパスワードを打ち込むエディソン。気づいた時、彼はFBIにRS1強奪と警官殺しの罪で追われる身となっていた。FBIはエイリアンを容疑者として指名手配すると共に、マッチとエイリアンにも協力者としての疑いを抱く。マッチたちは自分たちの手で、RS1を取り戻そうとするのだが……。

 監督はジャッキー・チェン主演作『WHO AM I ?』のベニー・チャン。この映画では戦闘ロボットRS1が暴れ回るシーンが見せ場となっているが、これはほとんどCGを使って作られている。製作費は1億2500万香港ドル(約20億円)。前作『ジェネックスコップ』はアメリカでもDVDがよく売れているそうで、今回は最初から世界市場を見込んで台詞の半分ぐらいが英語になっている。こういう話がとりあえず成立する香港は、日本に比べてはるかに「国際都市」なのだと思い知らされる。

 前作は『Gen-X Cops』で、今回は『Gen-Y Cops』だから、この調子で行くと次回作は『Gen-Z Cops』になって完結するのだろうか。しかし前作を観て「続編が観たい!」と思った僕も、今回の映画を観て同じようには思えなかった。主人公たちが若いのは構わないけれど、それを取り囲む大人たちがまったくいないのは寂しい。前作では芸達者なエリック・ツァンがチームのまとめ役になって、若い3人組の結束を固めていた。今回は年輩の俳優たちがゲスト扱いになって、あまり活躍の機会がないのは残念だ。アンソニー・ウォンやエリック・コットが出てくるのは嬉しいけれど、どうせ彼らを出すならもっと物語にからめてほしいんだよなぁ……。

(原題:特警新人類2 Gen-Y Cops)

2001年11月17日公開予定 キネカ大森
配給:メディア・スーツ

(上映時間:1時間50分)

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