S.W.A.T.

2003/08/28 ソニー・ピクチャーズ試写室
往年の人気テレビシリーズをサミュエル・L・ジャクソン主演で映画化。
たぶんシリーズ化すると思う。ぜひしてほしい。by K. Hattori

 70年代の人気テレビシリーズ「特殊狙撃隊SWAT」を、サミュエル・L・ジャクソンやコリン・ファレルの出演で映画化したアクション大作。監督は俳優出身で最近はテレビドラマの演出を手がけているクラーク・ジョンソン。他にもミシェル・ロドリゲス、LL・クール・JなどがSWAT隊員役で出演し、オリヴィエ・マルティネスがカリスマ的な犯罪王役で出演している。

 SWATはSpecial Weapons And Tacticsの略で、警察の特殊部隊のこと。重武装の凶悪事件に対抗するため1970年代にロサンゼルス市警で誕生し、その後アメリカ各地や世界中の警察特殊部隊のモデルになっているエリート集団だ。『踊る大捜査線 THE MOVIE 2』に登場したSAT(Special Assault Team)の本家本元というわけだ。アメリカ映画にはよくSWATが登場するのだが、凶悪な篭城事件などで最後の最後に犯人の射殺役として出番が回ってくることが多く、隊員ひとりひとりの個性は制服に隠されて匿名になっていた。この映画は原作のテレビシリーズがあるとは言え、SWAT隊員そのものを主人公にしている点でかなりユニークなものになっていると思う。

 頻発する凶悪事件に対抗するため、署長から直々に新たなSWATチームの編成を一任されたホンド巡査部長は、市警内部から若くて有能な才能を発掘して新人中心の精鋭部隊を作り上げる。その中には半年前にトラブルを起こして倉庫番に格下げされていたストリート、何度もSWATの試験にパスしながらも女性という理由で入隊を許可されなかったサンチェスなどがいた。厳しい訓練を繰り返して見事SWATとしての資格試験をパスした新チームは、逮捕された麻薬王アレックス・モンテルの護送という任務を受ける。だがモンテルは巨額の資金力に物を言わせ、逮捕直後にテレビカメラの前で「俺を逃がした奴には1億ドル払う!」と宣言。これを聞いたロサンゼルス中の悪党たちは目の色を変える。こうして市警から連邦刑務所までの護送ルートには、砂糖に群がるアリのように悪党たちが寄ってくるのだった……。

 2時間近い映画だが、前半は新チーム発足と訓練風景の様子、後半は麻薬王の護送作戦という二階建ての構成になっている。ただし後半に至る物語は映画前半でも脇のエピソードとして平行して描かれており、それが後半になって合流するという仕掛けだ。

 アクション映画としては新しさをさほど感じないのだが、SWATの内情を緻密に取材し再現したと思われる細かな描写がドラマの迫真性を高めている。今回はこのような豪華メンバーでの映画化だったが、出演者をもっとマイナーな人たちに変えても、この映画は簡単にシリーズ化できるだろう。むしろ無名キャストのほうが、映画のリアリティは増してくるかもしれないぐらいだ。というわけで、シリーズ化熱望!

(原題:S.W.A.T.)

9月27日公開予定 丸の内ピカデリー1他・全国松竹東急系
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
(2003年|1時間58分|アメリカ)
ホームページ:
http://www.swat-movie.jp/

DVD:S.W.A.T.
サントラCD:S.W.A.T. |SWAT
関連DVD:特別狙撃隊S.W.A.T.
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関連DVD:コリン・ファレル
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関連DVD:LL・クール・J
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