バッドボーイズ2バッド

2003/09/12 ソニー・ピクチャーズ試写室
ヒット作『バッドボーイズ』8年ぶりの続編はじつに快調。
アクション満載で最初から最後までサービスたっぷり。by K. Hattori

 1995年に製作公開されるや世界中で大ヒットし、ウィル・スミスとマーティン・ローレンスを黒人映画スターの座に押し上げた大ヒット作『バッドボーイズ』の続編。ヒット作が出れば続編を考えるのが当たり前だが、主演のスミスとローレンスはもちろん、ミュージックビデオの監督から大抜擢されたマイケル・ベイ監督も前作の成功で一躍ハリウッドの売れっ子になってしまい、続編のために再度召集をかけるのが難しくなってしまったのだという。製作予算は前作の2千300万ドルから1億3千万ドルへと桁違いにアップしているが、な〜に、その大半は主演のふたりと監督が持っていくのだ。(IMDbによれば本作でのスミスとローレンスのギャラは2千万ドルずつ。スミスはさらに売り上げの20%をボーナス支給されるらしい。)

 全米に出回るドラッグの新たな中継基地となっているフロリダ。市警ではドラッグ・コネクションを捜査するため新たな特捜チームTNTを組織するが、ドラッグ組織の本体は巧妙にその姿を隠して捜査線上に浮かび上がってこない。そんな中でバッドボーイズことマーカスとマイクは、それぞれ相棒に言い出せない秘密を抱えていた。家族思いのマーカスは危険な捜査の第一線を離れるべく、転属願いを提出していたのだ。一方マイクは、マーカスの妹シドと交際し始めたことを秘密にしている。タレコミ屋からギャング団が何かを襲うとの情報を得たマーカスとマイクは、ギャング団が襲撃する車の中になぜかシドがいるのを見て面食らう。彼女はDEA(連邦麻薬捜査局)の潜入捜査官として、ドラッグ・シンジケートの端っこに食らい付いていたのだ。

 今回はバッドボーイズのふたりに加えて、マーカスの妹シドが新たに登場して大活躍。演じているのは『チアーズ!』や『ブラック・ダイアモンド』のガブリエル・ユニオン。『ブロウ』のジョルディ・モリャが、ドラッグ・コネクションの首領役だ。『S.W.A.T.』もそうだったが、最近の映画では敵ボスが柔和な顔のインテリに描かれることが多いようにも思う。これはドラッグ売買が粗暴なギャングの仕事であると同時に、警察の捜査網を巧みにすり抜ける頭脳犯罪でもあるからだろう。モリャはインテリの顔と血も涙もない残忍な男の両面を演じて、スケールの大きなアクションが売りのこの映画でも、迫真のアクション場面に負けないキャラクターを作り上げていると思う。

 映画の見どころはダイナミックなアクション場面の数々。2時間半近い映画の中に大小さまざまなアクションシーンを散りばめて、最初から最後までダレないし飽きさせない。「俺たち男だぜ!」「エイエイオー!」というノリだけで、ひたすらエスカレートしていくアクションに必然性も合理性もまったくなし。しかしその無思想性が、この映画のアクションにスポーツ観戦のような爽快感を与えていると思う。

(原題:Bad Boys II)

11月29日公開予定 日劇1他・全国東宝洋画系
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
(2003年|2時間26分|アメリカ)
ホームページ:
http://www.bb2bad.jp/

DVD:バッドボーイズ2バッド
サントラCD:バッドボーイズ2バッド
サントラCD:BAD BOYS II
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