ルーニー・テューンズ
バック・イン・アクション

2004/02/13 ワーナー試写室
ルーニー・テューンズの人気キャラクターとブレンダン・フレイザーの共演。
ギャグは多いけど、お話がどうも空回りしている気が……。by K. Hattori


 バッグス・バニーやダフィー・ダック、トゥイーティーとシルベスターなど、ワーナーのアニメ「ルーニー・テューンズ」のキャラクターが総出演した長編映画。アニメと実写を組み合わせた『ロジャー・ラビット』タイプの作品で、ワーナーでは1996年にも同趣向の『スペース・ジャム』を作ったことがある。前回はゲストスターにNBAのスター選手マイケル・ジョーダンを招いていたが、今回はブレンダン・フレイザー、スティーブ・マーティン、ティモシー・ダルトンといったハリウッドの大物スターが出演しているのが見どころ。監督は『グレムリン』シリーズや『スモール・ソルジャーズ』のジョー・ダンテ。持ち前の残虐趣味とドタバタセンスが、ルーニー・テューンズのキャラクターとうまくからんでいると思う。

 物語はワーナー・ブラザースの重役会議から始まる。「ルーニー・テューンズ」でいつも脇役を演じていたダフィー・ダックは、マーケティング担当の女性重役ケイトからリストラを言い渡されてしまう。スタントマン志望の警備員D・J・ドレイクは抵抗を続けるダフィーを捕らえようとしたはずみにケイトの車を水浸しにしてしまい、やはりスタジオをクビになってしまった。自宅に戻ったD・Jはそこで、スパイ映画の大スターでじつは本物のスパイだった父からの秘密通信をキャッチして、一路ラスベガスへ向かう。そこにダフィーが紛れ込んでいたことは言うまでもない。一方ワーナー・ブラザースはいったんクビにしたダフィーの重要性に気づき、ケイトに彼の連れ戻しを命じる。

 映画はパロディ満載。ブレンダン・フレイザー演じるD・Jは、『ハムナプトラ』でブレンダン・フレイザーのスタントマンを演じた男という設定。しかも映画の最後にはそのブレンダン・フレイザー本人までが登場するという悪ノリぶり。かつてジェームズ・ボンドを演じたこともあるティモシー・ダルトンが、スパイ映画で人気の大物スター俳優という役柄なのも笑える。スティーブ・マーティンも地球制服を企む悪徳企業アクメ社の社長、ミスター・チェアマン(そのまんまの役名)をマンガチックにのびのび演じている。太ったり痩せたりが著しいジョーン・キューザックも、重要な役でワンシーンだけ出演。ただしヒロイン役のジェナ・エルフマンや女性スパイ役のヘザー・ロックリアは、僕にもちょっとわかんないんだけど……。

 実写とアニメの融合は今さら感が強いし、話もちょっと……。子供の頃から脳みそに「ルーニー・テューンズ」の世界を刷り込まれているアメリカ人ならいざ知らず、僕は大のオトナが何を大騒ぎしているのかとちょっと白けてしまった。D・Jの年齢を20代前半の青年にまで引き下げ、ヒロインもそれに合わせて年齢を下げた方がよかったんじゃないだろうか。もっともそうすると、映画の意図に反するのかもしれないけど。

(原題:Looney Tunes: Back in Action)

3月27日公開予定 新宿シネマミラノ、全国ワーナー・マイカル
配給:ワーナー
2003年|1時間32分|アメリカ|カラー|シネマスコープサイズ|SRD、SDDS、DTS
関連ホームページ:
http://www.warnerbros.co.jp/

DVD:ルーニー・テューンズ/バック・イン・アクション
サントラCD:ルーニー・テューンズ/バック・イン・アクション
サントラCD:Looney Tunes: Back in Action
関連洋書:Looney Tunes: Back in Action
輸入ビデオ:Looney Tunes: Back in Action
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