ガンメン

1994/05/24
クリストファー・ランバート大馬鹿な小悪党を気持ちよく演じる。
男同士のだましあいに観客びっくり。by K. Hattori



 バサラさんとミキパパさんに乗せられて、噂の映画『ガンメン』を観てきました。楽しいですねぇ。バカでいいわン。うだるような暑さの独房の中で、自分の顔にとまったハエを食べてしまうクリストファー・ランバート。その数を数えてニヤリと笑う片目のおやじ。自分を裏切った妻を生きたまま棺桶に詰めて埋めてしまう南米の麻薬王。そんなオープニングからして既にマンガチックなのだなぁ。うひひひひ。

 麻薬王の金を持ち逃げした男。この裏切りはすぐに露呈し、男はあっさりと殺されてしまう。しかし持っていた大金はそれを乗せた船ごと行方不明。船の行方を知っているのは、裏切った男の兄であるクリストファー・ランバート。しかしランバートは船の名前を知らない。船の名前を知っているのは麻薬捜査官のマリオ・ヴァン・ピーブルズ。ピーブルズは金を押収することで麻薬王を破滅させたい。彼はランバートを刑務所から脱出させるが、そのために麻薬組織から追われることになる。互いの利害がちぐはぐなふたりが、それでも互いを疑りつつ信頼しつつ、追いつ追われつの大活劇。

 クリストファー・ランバートがいいですねぇ。彼の邪気のない笑顔は財産です。こればかりは持って生まれたものだから、他の人がどうあがいても真似できない。ランバートに比べるとピーブルズはちょっと小粒。映画は2人の俳優の2枚看板で売っているようですが、ピーブルズはもっと脇に専念させた方が映画としてはスッキリまとまるような気がしました。また登場人物をもっとバカに専念させて、活劇に熱中させた方が断然よかったと思う。ピーブルズと父親のエピソードなどは中途半端でしょうがない。あんなものはいりません。飛行機の中で少ししゃべるだけで充分です。(あのパイロットはもっと出して、コメディリリーフとして活躍してほしかった。)その分もっとランバートの役柄や、彼と弟のエピソードを掘り下げた方が面白いと思うなぁ。

 物語の終盤でカギになるのは、船の名前が何かということ。実は僕、この船の名前を映画が始まったときから知っていたんですねぇ。はっきり言って、この映画を観た人の99%はそれを最初から知っている。最後の最後まで船の名前を知らなかった人がいたら、それはオバカさんですよ。いひひひひ。

 最後は「ぬけぬけとよくやるぜ」と口あんぐりの映画でした。


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