ハイランダー3
超戦士大決戦

1995/10/22 文芸坐
ラッセル・マルケイの人気シリーズをアンディ・モラハンが引き継いだ第3弾。
映像の派手さと馬鹿馬鹿しさを見事に継承している。by K. Hattori



 クリストファー・ランバート主演の人気シリーズ第3弾。今回のお話は以前公開された『ハイランダー2』より時代的には前のお話で、監督もラッセル・マルケイからアンディ・モラハンにバトンタッチし、シリーズの中では多少テイストの違うものになっている。とは言え、時空を越えた荒唐無稽なチャンバラ活劇というコンセプトだけは踏襲しているから、その点ではまず満足できるでき。

 僕はシリーズ第1作をずいぶん前にテレビで見ているだけだし、未来を舞台にした第2作を観たのもかなり前だ。今回の第3作では、どうやら1作目から持ち上がったキャラクターがいるようなんだけど、僕にはもう記憶がなかった。主人公を執拗に付けねらう刑事は、多分1作目にも登場していたんじゃないでしょうか。すっかり忘れているなぁ。師匠格のショーン・コネリーが登場すればすぐわかったんだけど、今回は彼の登場はなし。残念。

 今回の見どころは、悪役として登場したマリオ・ヴァン・ピーブルスの活躍。ピーブルスとランバートの共演と言えば、快作『ガンメン』がありました。捜査官ピーブルスが小悪党のランバートとひょんなことから呉越同舟。互いに相手を出し抜き裏切り、観客の期待さえもある時ははぐらかしながら、最後はまんまと乗せられてしまう物語。あの映画で見せた、二人の軽やかな掛け合いは最高でした。そんなわけで、今回の映画も期待したんだよなぁ。『ハイランダー』シリーズはある種の軽さが信条みたいなところがありますから、『ガンメン』で見せたふたりのスピード感が、この映画にうまくマッチするのではないかと思っていたわけです。

 ところが、今回の映画はちょっと重いんだなぁ。なにより、ピーブルスが重い。ひょっとしたら演出が重いのかもしれないけど、全編に漂う沈鬱な雰囲気はどうにかならなかったものか。話自体はバカバカしいまでに荒唐無稽なものなんだから、これを大真面目にやられても観ている方はちょっと困る。白人と黒人が暗闇で日本刀を振り回し合うという、どう考えたって無理のある場面を、思いっきり理屈をこねまわしてなんとか成立させている話ですからね。物語には思いっきり飛躍があるのに、演出になんの飛躍もない。これでは切れ味が悪いし、重たくなるのも無理はないかもしれません。

 それでも、単純なチャンバラとしては面白い。戦国時代の日本の村に、鎧武者姿のピーブルスが現れるというとんでもない展開もグッド。今回ランバートの師匠になるのは、日系俳優マコが演ずる幻術士。主人公が彼のもとで何を学んだんだか、最後までさっぱりわからないのも下らなくていい。何よりおかしかったのは、空中ブランコ状態でランバートとピーブルスが斬り結ぶ場面でした。間抜けすぎる!


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