パワーレンジャー

1996/04/21 丸の内シャンゼリゼ
特撮アクションを売りにした戦隊もの「ジュウレンジャー」の映画版。
僕は異星の戦士ドルシアを断固支持するぞ! by K. Hattori


 ゴジラやスーパーマリオと共に日本が生んだ世界的キャラクターのひとつに数え上げられているのが、この「パワーレンジャー」です。日本でテレビ放映されていた「ゴレンジャー」系列の戦隊ものをアメリカ流にアレンジし、日本で作った格闘や特撮部分と海外の役者を使って作った芝居をドッキングするのは、海外版『ゴジラ』と変わりませんね。向こうのテレビでもかなり人気を博しているようで、今回はその映画版の登場です。日本では子供の入場客を見越して、日本語吹き替えでの上映。まずは賢明な措置でしょう。どうせならタイトルも「ジュウレンジャー」と逆翻訳すればよかったのにね。

 僕はテレビ版「ジュウレンジャー」も「パワーレンジャー」もほとんど見たことがないのですが、今回は映画版ということもあり、物語の規模や映像が明らかに映画用にスケールアップされていたのは明白です。何しろテレビでは常々20分弱でひとつの物語が終わっているんですから、それと同じ展開ではとても1本の映画にはならない。独立した映画として観ると、物語の背景や登場人物の設定にわかりづらい所もありますが、それは斟酌してあげるべきでしょう。

 冒頭スカイダイビングの場面から始まりますが、これは最後まで何の複線にもなっていないんだよね。ただ単に「どうだ、映画の予算ではこんなことができるぞ」というだけの映像。それでもまぁ、最初に観客を引き付けるという程度の効果はあったのかも。ここでパワーレンジャーのメンバーが一通り出そろいますが、僕はついに最後まで彼らの顔と名前が一致しなかった。悪役側の怪人たちも同様。これはテレビの視聴者ならわかるのかな。

 映画としての見どころは、終盤のロボット同士の格闘場面なんでしょうね。テレビだといかにもオモチャ屋さんがデザインしたようなロボットが素朴な特撮映像と共に登場するのですが、映画ではパワーアップさせてロボットもオリジナル。悪人側のロボットもレンジャー側のロボットも、全てCGで描き起こしています。テレビだと無人の荒野でロボット同士が戦うのが常ですが、映画だとやはり予算にものを言わせて町中での戦闘が可能になる。ちゃんと逃げまどう人々などを合成しています。

 個人的には、レンジャーたちがパワーを求めて訪れた異星で出会った戦士ドルシアがよかったと思う。登場したときは『スター・ウォーズ』のオビワン・ケノービみたいな長いローブをまとっているんで、中身はどうせ老人だろうと思わせる。ところがそれを脱ぎ捨てると、中からは半裸の美女が飛び出すんだから驚きました。特別美人じゃないけど、あの露出度はインパクトあるよ。物語のラストで再登場してほしかったのに、それがなかったのが残念。


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