1999/01/29 東映第1試写室
沖縄のおばあちゃんが北海道までマラソンで旅をする。
向井寛監督と淡島千景のコンビ作第2弾。by K. Hattori
一昨年『GOING WEST 西へ…』を作った向井寛監督と主演の淡島千景が再びコンビを組んで、76歳のおばあちゃんが沖縄から北海道までマラソンで旅をするロードムービーを作った。前回の映画もかなりデタラメな作品でしたが、今回もそれに負けず劣らずデタラメな映画で、内容も退屈この上なし。僕は前作を見ているので「やはりこんなものか」と思っただけですが、試写を観ていた他の人の顔には、少なからず困惑の表情が見て取れた。
『GOING WEST 西へ…』でも、主人公が旅に出る動機付けの弱さが目立ちましたが、この映画でもそれはまったく同じ。マラソンで日本を縦断するとなれば、それなりの入念な準備が必要なはずなのに、それが一切ないまま突然旅に出てしまう時子にあきれます。マラソンで旅をするにあたって、お金や着替えや荷物などをどうやって運ぶのかも、まったく考慮されていません。旅を続ける中で、少しずつ疲労がたまっていく描写もなし。時子は家の近所をジョギングするのと同じペースで、日本を走り抜けて行くのです。パンフレットにある監督の弁に寄れば、これは約半年に渡る物語だと言いますが、映画にはその時間経過がまったく見えてこない。3週間ぐらいで全行程を走破したように見えてしまいます。