2000年12月の出来事


12月1日(金)
 20世紀もあと1ヶ月。ノストラダムスの大予言世代である僕は、自分が生きて21世紀を迎えることになるとは思ってもいなかった。きっと12月はいろんなことが起きるに違いない。
 午前中は映画の感想書き。午後は徳間ホールで『ヘルレイザー/ゲート・オブ・インフェルノ』。恐さもほどほど、グロさもほどほど、サスペンスもミステリーもまったくだめだけど、まぁこんなもんか、という映画。2本目はヘラルドで『リトル・ダンサー』。前回は満員で「45分前から並んでます」と言われたのだが、今回は空席が残っていた。まぁ得てしてこんなものだろう。映画はすごく面白い。泣くほどじゃないけど、結構胸にぐっと来る。ミュージカル好きにはダンスシーンにタップが入るだけで嬉しい。フレッドアステアの姿が大画面で拝める。
 帰りに弟の会社に寄って荷物の受け取り。近所の生協で買物してから帰宅。

12月2日(土)
 休みの日はだらけてしまって仕事がはかどらない。映画の感想を1本書いているとき、どうしても日本語変換の速度が遅いのが気になって、HDの最適化を行うことにした。久しぶりの最適化だったので、やたら時間がかかってしまった。その間、パソコンにはさわれないのでぼんやり。これでぼんやり癖がついてしまって、午後もぼんやり。実際にはネットで調べものをしたりしていたんだけど、基本はぼーんやりすごす。
 NTTにダイヤルインの申し込み。来週中にはFAX用に電話番号がもうひとつ増える。ついでだけれど、いい加減にポケベルもやめようと思っている。PHSも新しい物に買い換えたい。いろいろと研究中。PHSにもカラー液晶の物が出たので、どうせならそれが欲しいなぁ……。でもまだ高い。高機能だけど、僕には使い道がないかも。
 先月請求書を2通も出し忘れていて、慌てて今月分と合わせて請求書を作る。どうもダレてるなぁ。新しい仕事が少し入ったので、日曜日も原稿書きをすることになりそうだ。

12月3日(日)
 早起きして仕事のとっかかり。午前中は銀座。CSに行ったり、買物をしたり、食事をしたり、いろいろ。冬用の帽子を買ってご満悦。

12月4日(月)
 朝から仕事。原稿の仕上げと入稿。メルマガの編集。DDI用のコンテンツ入稿など。午後は鈴木清順の日活時代の作品を観ようと思ったのだが、どうも時間に間に合いそうもなくなってしまったので、急遽予定を変更して映画美学校で『写真家の女たち』を観る。というか、もともとこの映画を予定していたのに、あとから清順の映画を割り込ませたのだ。映画の内容はまぁまぁかなぁ。スティーブン・レイじゃ、色気がないんだけどなぁ……。2本目は松竹で『ホフマン物語』。バレエやオペラに門外漢の僕が観ても、面白くないなぁ。特に後半はまったく退屈。『赤い靴』にはドラマがあったけど、この映画はちょっとダメでした。
 帰宅途中、月島の古本屋で「聖書(新世界訳)」と「モルモン経」を購入。新世界訳はものみの塔(エホバの証人)が使っている聖書で、一般書店では入手できない珍品。モルモン経はモルモン教徒が聖書と共に用いている教典で、これも当然書店には売っていない。モルモン経については以前宣教師からもらって所持していたのだが、引っ越しのときどこかに紛失してしまって残念に思っていた。どうせ本文は読まないんだけど、序文や付録の部分には彼らの教義や来歴に関わることが書かれていて面白い。
 帰宅したらNTTから連絡があって、ダイヤルインの新番号が決定した。木曜日から仕事場のFAX専用マシンは、電話とFAXの共用機に昇格する。どうも最近PHSの調子が悪いので、外からかかってくる電話が突然切れてしまったりして難儀していましたが、これで問題は解決しそうだ。早速新しい番号を刷り込んだ名刺を作る。(ちなみに今までFAXで使っていた番号が電話になり、FAX用に下2桁が少し変わった番号が使われることになる。今週末以降、僕に電話する人は以前のFAX番号に電話してください。)

12月5日(火)
 午前中に映画の感想と仕事を少し。午後はメディアボックスで『ビートニク』を観た後、ワーナーで『レッドプラネット』を観て、メディアボックスに戻って『ゲット・ア・チャンス!』。さらに新宿に出てミラノ座で『ナトゥ 踊る!ニンジャ伝説』。1日4本も試写を観るのは辛い。特に最終回が夜になるのは辛い。その映画がつまらないときは死ぬほど辛い。この日は死ぬほど辛い1日になってしまった。
 途中に山野楽器でDVDソフトのまとめ買い。スピルバーグの『プライベート・ライアン』『ジュラシック・パーク』『ロスト・ワールド』『フック』、MGMミュージカル『巴里のアメリカ人』『錨を上げて』。

12月6日(水)
 昨夜遅かったせいか朝寝坊。気が付いたら8時半だった。午前中に映画の感想をまとめながら、買ってきたDVDのオマケ映像を見たりする。そんなわけで、あっという間に時間は過ぎる。午後は『イディオッツ』の試写をパスして来年回しにした。試写状では今日が最終だったんだけど、映画は3月公開だからたぶんまだ平気だろうというギャンブル。3時半からの試写は場所を間違えて、今日は6時から映画美学校で『W/O』というビデオ映画を1本観ただけ。これがつまらない映画で、途中で寝ちゃいましたよ。
 帰宅したら電話があって、来週セシリア・チャンのインタビューをやってくれという依頼。『喜劇王』『星願』『超速伝説/ミッドナイト・チェイサー』など、今年になって出演作が次々公開されている香港の女優さんです。なぜ僕のところに依頼が来たのかよくわからないけど、まぁいいや……。

12月7日(木)
 午前中に映画の感想を書く。ダイアルインも設定して、本日から電話とFAXは別番号になった。
 午後はTCCで中国映画『ふたりの人魚』観た後、松竹でウォン・カーウァイの新作『花様年華』。中国映画の2本立て。3本目は『24時間4万回の奇跡』というフランス語の映画だが、試写状から受けた印象より、ずっと真面目なホームドラマだった。ドアの開閉という馬鹿馬鹿しい世界記録に挑む、いかれた父子を主人公にしたコメディだとばかり思っていたのに……。
 PHSの調子が本格的に悪く、すぐに回線が切断してしまう。H''以前の古い端末を使っているのが原因だろうか。端末に表示される受信状態のモニターではきちんと電波が入っているはずなのに、すぐに回線が切れてしまう。これも問い合わせてみる必要があるなぁ。

12月8日(金)
 午前中に映画の感想を書く。午後はヘラルドで『キング・イズ・アライヴ』を再見。また寝てしまった……。2本目は映画美学校で『アンチェイン』というドキュメンタリー映画。今日はビデオ撮りキネコ作品2本立ての日だった。
 PHSのメーカーである三洋に電話して、PHS不調について問い合わせ。バッテリーを外してメモリを一度クリアしたのだが、不調は治らない。困ったなぁ。やっぱり端末を買い換えようか思案中。

12月9日(土)
 1日中仕事。こういう日は日記に書くことなんて何もない。昼前に散髪に行った。その程度。

12月10日(日)
 午前中はCS。午後は仕事。正月映画の特集記事を書いているのだが、まだ観ていない映画が2本もあって困ってしまった。その分だけ締め切りをずらしてもらうしかないのかなぁ……。残りは全部入稿してしまう。

12月11日(月)
 午前中からイマジカで試写。河瀬直美の新作『火垂』。2時間44分の長編。食事してからヘラルドで『追撃者』。スタローンは不調だなぁ……。なんだか気の毒になるほど。今日はこの2本であがり。八重洲のさくらやでPHSの機種変更。ようやくH''になりました。電話帳を新たに作らなければならないのが面倒だなぁ……。夜はメルマガの編集。
 新しい仕事が1本入る。これも急ぎの仕事。僕もインパクに関わることになってしまいました……。今週はメチャクチャに忙しい。観劇の予定もキャンセル。「鞍馬天狗/地獄の門・宋十郎頭巾」読了。

12月12日(火)
 大江戸線全線開通。これで月島周辺もずいぶんと便利になるはず。今日はさっそく朝からこの新しい地下鉄に乗って新宿に移動し、香港の若手女優セシリア・チャンのインタビュー。昨年デビューして最初の3本は僕も映画を観ているのだが、そこでは田舎っぺ丸出しの素朴な少女という雰囲気。でもインタビューに現れた本人は、映画の印象と随分違う垢抜けた美人だった。『星願』を撮影していたのは1年半以上前の話。10代後半から20代はじめにかけてというのは、1年か2年で印象がどんどん変わる時期なのかもしれない。カメラの前で磨かれた、映画スターのオーラを発散してました。取り巻きのスタッフが何人もいて、インタビュー中にも髪の毛を直したり、写真撮影前にメイクを直したり、ワンカットごとに服のしわの寄り方を手直ししたりするのには驚いた。CMの撮影じゃあるまいし、たかがインタビューとスナップです。日本でもここまでやる女優さんは、今やそんなにいないと思うぞ。香港の映画界には、こういう“映画スター”がいまだにいるんですねぇ……。彼女はこの日だけで9本の取材が入っていると言っていたけれど、オシリの方はずいぶんと時間がずれ込むと見た! うちは取材の中でもいの一番。つまらない質問もできるし、気が楽だった。通訳を介してのインタビューだったので、本当に話が通じているのかどうかはちょっと不安だったんですけどね。
 午後はTCCで『フォーリン・フィールズ』というデンマーク映画を観たあと、渋谷で『ビョークの「ネズの木」〜グリム童話より』を観る。グリムの原作を大幅にアレンジした幻想的なドラマ。二十歳の新米ママだったビョークが、10代の少女に見えるところがすごい。歌う場面もある。『ダンサー・イン・ザ・ダーク』より、こちらの方が僕は好き。まぁ比較できるような映画ではないけれど……。
 筈見有弘の「ヒッチコック」(講談社現代新書)を読み始める。先日ブックオフで100円で購入したもの。

12月13日(水)
 セシリア・チャンのインタビュー記事をまとめて入稿。20分ぐらいインタビューしたのに、文字になるのはたったの200字ぽっち。まぁこんなものだ。映画の感想を書こうとするが、時間がなくてぜんぜん間に合わない。いつも午前中を作業時間に当てているのだが、今週は週に3日も午前中に予定が入っていて、しかも午後もびっしり試写が入っている。当然作業はどんどん遅れ、そのしわ寄せで週末に負担がかかるはず。しかも週末は週末で予定があるし、やらなければならない仕事も山積みなんだよなぁ……。
 午後はヘラルドで『ユリョン』という韓国の潜水艦映画。秘密裏り就航した韓国の原子力潜水管内部で反乱が起き、日本に核ミサイルが飛んでくるという筋立て。韓国の仮想敵国は、今や日本なのだ。ミサイル発射をくい止めようとする主人公が、「なぜ戦争を起こそうとするのだ! まだ何も準備ができてないのに」と言うのもすごい。準備ができたら、韓国は日本にミサイルを撃ち込んでもいいということらしい。韓国で「北朝鮮と日本が戦争状態になったら韓国はどうすべきか」というアンケートを採ると、ほとんどの人は「北朝鮮と一緒に日本を責めるべし!」と答えるらしい。なんだか嫌な映画を観ちゃったなぁ。2本目は映画美学校で『神様の愛い奴』というドキュメンタリー映画。『ゆきゆきて神軍』の奥崎謙三が刑務所から出所したのを待ちかまえ、おだて上げて企画ものAVに出演させてしまうというとんでもない内容。導入部はわけがわからなくて不快なんだけど、AVの話が出た頃から笑いがこみ上げてくる。奥崎謙三の強烈な個性が、AV製作現場でも炸裂! 3本目はメル・ギブソンとヘレン・ハント主演のラブコメディ『ハート・オブ・ウーマン』。これはすごくいい映画。最後の最後にちょっと押しが弱くなるのが欠点だけど、そこまでは完璧。何度かワハハと声を上げて笑ってしまうし、しんみりするシーンもある。ミュージカル風の演出もある。40年代や50年代のハリウッド映画のような、きちんとした規範のある映画。ラストカットがパンチ不足なのが残念だけど、僕はこの映画が大好き。誰にでもオススメできちゃう。
 試写のあと、近くのコージーコーナーで仕事の打ち合わせ。締め切りは今週中というのに、まったく全体像が見えないのが恐い。間に合うのかなぁ。でも、間に合わせないとまずいんだろうなぁ……。帰宅したら12時近い。何もできないまま寝てしまう。くたびれた。

12月14日(木)
 午前中は用事があって映画の感想がまったく手つかず。そのまま試写に出かける。1本目はGAGAで『Play it to the bone』という映画。まだ邦題は決まっていない。ウディ・ハレルソンとアントニオ・バンデラスが、マイク・タイソンの前座でボクシングをやるというお話。これにロリータ・ダヴィドビッチがからむ。試合シーンはがんばっているけれど、お話の方はどうにもはじけない。2本目は同じGAGAで『クリムゾン・リバー』。マチュー・カソビッツ監督の猟奇サスペンス。主演はジャン・レノとヴァンサン・カッセル。謎解きもいまいちだし、猟奇犯罪の動機付けもなんだかよくわからないし、隠れていた陰謀も荒唐無稽すぎるように思える。TCCに移動して『BRUCE LEE in G.O.D 死亡的遊戯』を観る。『死亡遊戯』からカットされたブルース・リーの未公開映像をきちんと編集してつなげた後半に、リーが『死亡的遊戯』を作るまでの再現ドラマを加えた異色作。ブルース・リーのファンには嬉しい作品かもしれないけど、僕にとってはどうでもいい映画かなぁ……。
 今週はお疲れ気味。帰宅したらグッタリだ。やらなければならない仕事は(映画の感想を書くことも含めて)山のようにあるのに、まったく進まない。これは本格的にヤバイ状態になりつつある。

12月15日(金)
 前夜とこの日の午前中にかなりがんばって、たまっていた映画感想文の大半を片づける。この分なら週末でなんとか帳尻を合わせられるか? 一件まだ概要さえ決まっていない仕事があるのが不安だが……。
 午後は徳間で『ボクと空と麦畑』というイギリス映画。暗いなぁ。2本目はメディアボックスで『ローサのぬくもり』。しまった、この映画は昨年の東京国際映画祭で『アローン/ひとり』というタイトルで上映されたものじゃないか。僕はその時観ているよ。でも悪い映画じゃないからもう1度観る。やっぱり終盤の台詞の掛け合いは泣けないなぁ。この部分は舞台劇みたいな間の取り方なんだよね。3本目はGAGAでキアヌ・リーブス主演の『ザ・ウォッチャー』。いかにも「エンディングには別バージョンも用意してあります」という終わり方。DVDにはオマケで収録されるんじゃないだろうか。この映画にもマリサ・トメイが出ていたけど、まったく精彩がない。これなら『ハート・オブ・ウーマン』の脇役の方が10倍はよかったぞ。六本木からは大江戸線で帰宅。駅の入口からホームまでかなりの距離がある。これじゃ日比谷線を有楽町で乗り換えるのと、あまり違いがないような気がするんだけど……。
 かなりお疲れ状態なので、この日は早めに寝てしまうことにする。片倉もとこの「イスラームの日常世界」(岩波新書)を読み始める。

12月16日(土)
 少し早めに起きて、午前中に映画の感想文をすべて片づける。新潟Week!の原稿を書き上げて入稿。今回は『ダンサー・イン・ザ・ダーク』について。最近この原稿は、映画の内容にまったく触れないことが多くなってきた。映画の紹介は別の記事があるから、見どころ紹介をしても記事が二重になるだけ。だから映画の背景や作品の周囲にある話題について書くことにしている。
 夕方から両国で時代劇フォーラムの忘年会。大江戸線の両国駅を利用したのだが、駅から会場のビアステーションまでがやたらと遠回りになって、十分以上遅刻してしまった。
 今日中に仕事の件で連絡が入るはずだったのだが、まったく連絡がない。締め切りが16日だと言っていたけど、今回は仕事がなくなったということなのかな……。

12月17日(日)
 昨日壊した腕時計を修理に持ち込む。正月休みがあるので、修理が終わるまでに1ヶ月半もかかると言われてしまった。それまでは古い時計を使うしかないけど、この時計もあまり調子がよくないんだよなぁ……。門仲で買物。午後は仕事をしようとするけど、なんだかだらけてしまって結局手を付けたのは夕方になってから。
 すっかり消えたと思っていた仕事の話がまた来た。もう時間がないので今回はこちらから断ってしまう。

12月18日(月)
 午前中から試写があるので、早起きしてメルマガの編集等。DDI用の原稿も送ったのだが、今回は『ダンサー・イン・ザ・ダーク』について。かなり辛辣な内容なんだけど、まぁいいか。雑誌媒体はどこもこの映画について不自然なほどベタボメ。傍系メディアでそれとは別の情報が流れるのも一興だろう。雑誌と同じことをオウム返しに繰り返すだけなら、携帯の情報メディアの意味なんてないだろうし……。それにしても、今後PHSは大丈夫なんだろうか。iモードのヒットもあって、PHSの加入者が少し減ったようだ。DDIはfeel H''で巻き返しをはかるつもりのようだが、店頭に端末が行き渡っていないんだよなぁ……。僕はPHSで不満を持っていないので、PHSにはがんばってほしいのですけど。通話料も安いし、音質もいいし、通信スピードも速い。PHSの欠点はiモードに対応していないだけ。(それが一番の致命的欠点だったりして……。)
 午前中は東宝で『狗神』の試写。これは原田眞人向きの素材じゃなかったと思うなぁ。それに天海祐希が、相変わらず幸薄い美女の役。誰か彼女をコメディエンヌとして起用する映画人はいないんだろうか。昼食の後、UIPで『スーパーノヴァ』というSF映画。プレス資料が撮影時のゴタゴタをネタにして、「これは宇宙の『地獄の黙示録』だ!!」とあおっている。監督が何度も交代して、結局匿名になってしまったらしい。中身は思い切りB級の映画。銀座シネパトスという上映館が思いっきりお似合い。TCCに移動して『星降る夜のリストランテ』というイタリア映画。ヒロインのファニー・アルダンとマリー・ジランの台詞は吹替だろうなぁ。マリー・ジランが年上の愛人といちゃつくシーンの吹替は浮きまくっていて、安っぽいポルノ映画みたいだった。映画の内容はまずまず面白い。しかし観ている間中、腹が減って仕方がなかった。

12月19日(火)
 午前中は映画の感想書き。午後はブエナビスタで『ハイ・フィデリティ』と『アンブレイカブル』の2本立て。『ハイ・フィデリティ』はジョン・キューザック主演のラブコメディで、主人公がカメラに向かって喋り続けるところはユニーク。回想シーンなども面白い。でもキャメロン・クロウの『シングルス』を観たときのような衝撃はないんだよなぁ。映画の中には音楽がたくさん出てくるので、それらに関心のある人にとっては特別な映画になるのかも。『アンブレイカブル』は『シックス・センス』のM・ナイト・シャマラン監督とブルース・ウィリスが再び組んだ新作で、観ている間中、両手にびっしり汗をかくような緊張感は相変わらず。でも『シックス・センス』の面白さを期待すると、今回はいささか拍子抜け。話題性が「史上最高額の脚本料」になっているのが、何となくうなずけてしまう。脚本の内容に言及していないのは、中身がそれなりのものだからでしょう。
 3本目は松竹で『アタック・ナンバーハーフ』というタイ映画。オカマのバレーボールチームが国体で優勝してしまうという、タイで本当にあった実話をモデルにしたスポ根コメディ映画。映画の最後にモデルになった本人たちの映像が登場するが、これが映画の中の俳優とかなり似ている。
 新宿に移動して東京アイマックス・シアターで『ワイルド・カリフォルニア』の試写。ロビーにはカリフォルニアワインとつまみが用意してあったのだが、いい加減小腹がすいていた僕はワインをがぶ飲みし、つまみも遠慮なしに食っていた。映画が始まる前に、既にいい気分になってしまいました。これは配給側の思うつぼかなぁ……。映画は2Dの大画面映画で、監督は『エベレスト』のグレッグ・マクギリブレイ。高所恐怖症気味の僕には、ゴールデンゲート・ブリッジのてっぺんから撮った映像がひどくおっかなかった。
 大江戸線を使って帰宅。12時近かったこともあり、何もせずに寝てしまう。「イスラームの日常生活」を読了。堀田善衛の「路上の人」に取りかかる。

12月20日(水)
 昨日は夜中までかけて4本も映画を観てしまったので、そのつけは翌日の今日になって現れる。朝から映画の感想文を書いているがなかなか追いつかず、午後の試写を1本来年に回すことにする。外は小雨だったが3時前に部屋出て松竹へ。ところが試写状がなかったので、試写室に入れないという事態が生じる。満席以外の理由で入口で断られたのは、今年になって初めてかもしれない。まぁ今観なければいけない試写でもないので、別に構わないんだけどね。でもそんなことなら、最初から今日の午後は六本木に行けばよかったという気もして、少し残念。今日はオリベホールで、記者会見の後、2本続けて完成披露試写というのがあったのだ。まぁこれに行こうとすれば、感想文を書くのを途中で放り出さなければならなかったわけだから無理か……。
 試写に遅れたり満員で入れなかったり入場を断られたりしたときは、時間に余裕ができた僥倖だと思うことにしている。こんなことでもなければ、スケジュールが一杯でゆっくりと買い物にも行けないからだ。いっそのこと、僥倖ついでに帰宅して寝てしまうことも考えたが、せっかく雨の中を自転車で銀座まで出てきたのだからそれももったいない。夕方まで本屋などで少し時間を潰し、松竹に戻って『日本の黒い夏−冤罪−』を観る。ところがこの映画、まったく力のない腑抜け作品で嫌になってしまった。ところどころにいい場面もあるし、全体に丁寧に作ってはいる。でもどこを切ってもきれい事ばかりで、力の入るところがどこにもないのだ。原作は戯曲だからかもしれないが、感情的な対立をほとんどすべて台詞で処理するのも興醒め。
 帰宅途中、月島の古本屋で「カルトのかしこい脱け方・はまり方」を購入。この本は地下鉄サリン事件後に出版されているのだが、オウムの犯罪の全貌が明らかになる前に書かれているので「カルト教団=オウム真理教」という方程式が出来上がってしまっている現在の目から見ると、あまりにものどかな内容になっている。帰宅して読み始めたけれど、これはクズみたいなものだ。同時に桜井哲夫の「〈自己責任〉とは何か」(講談社現代新書)と、新潮社の日本文學全集1「二葉亭四迷集」を購入。どちらも100円だったけど、この方がいい買物だったかも。特に二葉亭集はいい買物だった。箱入り布張りで作りが頑丈なくせに、大きさは片手で読んで苦にならない程度。新書サイズより少し大きいくらいだ。文庫に収録されている作品のように、不細工な新仮名遣いに改まっていないところもいい。漢字も旧漢字だ。昭和39年発行、昭和42年の第8刷。当然中身は全部活版印刷。細字の明朝体の神経質そうな表情がよろしい。実際に読むかどうかは別にして、こういうものが手元にあると嬉しい。

12月21日(木)
 午前中は時間に少し余裕があったので、久しぶりにプレス資料の整理をする。スキャナで資料を読みとりながら、「悪魔の系譜」をかなり読み進んだ。こういう時間がないと、最近はなかなか本も読めない。
 午後は東映で『東京★ざんすっ』を観る。ショート・ショートの短編をたくさんつなげるという『チューブ・テイルズ』の東京版だけど、これはコンセプトをもっと詰めた方がよかったと思う。どのショート・ストーリーもオチが弱いのは致命的。観ているうちに、どんどん白けてくる不幸な映画だ。2本目はメディアボックスで『非・バランス』。東京国際映画祭の前にも少し試写が回っていたようだが、僕はそこで観ていないし、映画祭でも観ていないので楽しみにしていた作品。中学生の女の子の一夏の物語で、なかなか面白く観られた。欲張りを承知で言えば、主人公たちそれぞれに1回ずつ泣けるシーンを作ってほしかった。「ジンセイは傷ついたもん勝ち!」というコピーはなかなか秀逸だけど、傷ついた心を癒すのは涙ではなかろうか。3本目は松竹で『小さな目撃者』。ヒッチコック風の巻き込まれ型サスペンスだが、10歳の女の子を主人公にしている点がユニーク。ジェニファー・ティリーを母親役で登場させるなら、彼女の活躍ももう少し観たかった気がするけどね。でも楽しい映画です。

12月22日(金)
 午前中に映画の感想まとめる。午後は少し早めに部屋を出て食事と本屋の散策。1本目の試写はTCCで『いつか来た道』というイタリア映画。50年代から60年代にかけての高度経済成長を背景に、地方出身の兄弟が都会で翻弄される様子を描いたヴェネチア映画祭金獅子賞受賞作。時代風俗の克明な描写はすごいと思ったけれど、特に感動とはしなかったなぁ。同じことを日本でやられれば、えらく感動してしまうのかもしれないけど。2本目は東宝東和で『僕たちのアナ・バナナ』。映画祭で一度観ているので資料をもらうだけでもよかったんだけど、時間があったのでもう一度観てみる。最初はいろいろ考えながら観ていたのでずいぶんギクシャクしたところもあるように感じたけれど、こうして改めてみると、エドワード・ノートンの演出はすごく上手いじゃないか。人物同士の思惑が食い違って、ずっと食い違ったままついに互いの勘違いに気付くというあたりは、やっぱり笑ってしまった。この時のノートンの表情が最高。
 東宝東和の宣伝担当者から、試写状送付先の整理をしているので、改めて掲載誌のコピーを送ってほしいと言われる。まぁ最初に試写状をもらい始めたのが3年前ですから、そろそろそういう時期なのかもしれない。僕なんてライターとしてはチンピラ同然の三下奴だから、口頭で「書いてます」と主張してもダメなのだ。まぁ当たり前の話だな。そんなわけで帰宅してから掲載誌を探したんだけど、改めてファイルしてあるものを探そうとすると、数の少なさにびっくりしてしまう。これでよく食ってけるよなぁ。今年は単行本とテレビの仕事があったから、それでずいぶんと助かっている。来年は雑誌にもう1本か2本レギュラーがほしいところだ。アイデアはいろいろあるんだけどね。単行本の仕事もしてみたいけど、僕の場合、これといった得意分野がないのが問題だな。
 簡単に夕食をとってから、八重洲ブックセンターでプレゼント用の本を買って帰宅。

12月23日(天皇誕生日・土)
 朝起きたら、仕事依頼のFAXが1通届いていた。着信は前夜0時半。原稿の分量は雑誌の1ページ丸ごとで、締め切りは月曜日中。う〜ん、この土日もやはり仕事漬けかぁ。編集者の携帯番号が書いてあったけど、朝7時から電話をするのも何だと思って、少したってから電話することにする。
 午後はCSのページェントと簡単な会食。編集者と連絡が取れたので、レイアウトをFAXで送ってもらうことにする。夜になってFAXを確認してから、編集者と打ち合わせ。原稿の分量はかなりある。これの他にレギュラーの仕事の締め切りもあるから……。月曜日は試写を何本かはずして、仕事に充てることになるかもしれないなぁ。

12月24日(日)
 世間ではクリスマスイブだが、教会では今日がクリスマスの礼拝。朝9時からCSの礼拝に参加。参加者が多いこともあって、いつもとは場所を変えての礼拝。でも礼拝そのものは最初にキャンドルに点火するぐらいで、いつもとあまり変わり映えしない。クリスマスの聖歌を歌ったりするのは、午後の燭火礼拝でのことになるのだろう。これはものすごく雰囲気たっぷりだけど、会堂内は無茶苦茶に混む。僕は仕事があったこともあって、今日は午前中の礼拝にだけ出席して帰宅。お昼に月島で話題のハローキティもんじゃを食べてから仕事場戻り。
 TOKYO1週間用に『ゲット・ア・チャンス!』の原稿を書いて入稿。その後同じくTOKYO1週間用に映画紹介の原稿を書く。今日中に全部は終わりそうもないなぁ……。

12月25日(月)
 午前中は今年最後のメルマガ編集。ついでに今年のベストテンも作ってしまった。
◎個人的邦画ベスト10
  1.オーディション 
  2.長崎ぶらぶら節 
  3.新選組 
  4.顔 
  5.三文役者 
  6.東京ゴミ女 
  7.ブリスター! 
  8.新しい神様 
  9.発狂する唇 
 10.突破者太陽傳 

◎個人的洋画ベスト10
  1.シーズ・オール・ザット
  2.理想の結婚
  3.マイ・リトル・ガーデン
  4.クリクリのいた夏
  5.春香伝
  6.議事堂を梱包する
  7.アイアン・ジャイアント
  8.アメリカン・ヒストリーX
  9.クッキー・フォーチュン
 10.遠い空の向こうに

 これが今年の個人的なベストテン。それぞれ1位以外はどういう順番でもいいんだけどね……。
 午後はメディアボックスで『東京攻略』。シネカノンで『天上の恋歌』。そしてル・テアトル銀座で『偶然の恋人』。『偶然の恋人』は上映の途中でフィルムを1巻とばすという不手際が生じ、映画の中の時間が少し前後するという異様な事態になった。ホールでの自主上映などでは出くわしたことがあるけれど、きちんとした完成披露試写でこんな出来事に遭遇したのは初めて。試写室であるミスは、せいぜいスクリーンサイズが違うとか、音が出ないとか、その程度のことだもんなぁ。

12月26日(火)
 午前中に仕事の原稿を書き上げてメール送信。メルマガにも広告入れて送信予約。映画の感想も少し書くが、全部を書き終わるには至らなかった。何だか年の瀬になってだらけているなぁ。床にこぼれているFAXを発見。正月3日に締め切りの原稿依頼が……。年末年始も関係なく仕事だなぁ。
 午後は試写が3本。映画美学校で『処刑人』。アイリッシュの兄弟が、法の裁かぬ悪党どもを次々と血祭りに上げるというアクション映画。ただ悪党というのが、「小悪党」どまりなんだよなぁ。ウィレム・デフォーの熱狂ぶりがおかしくて笑ってしまう。2本目は松竹で『女帝』という邦画。故郷熊本を追われた天涯孤独の少女が、水商売の世界でサクセスするという物語。低予算の映画だけれど、お話はそれなりにしっかりしていて、芝居の段取りもいい。これでもっと予算があれば、ゴージャスな絵が作れたのになぁ。照明が少なくて、画面がいつも薄暗くすすけているのが残念。3本目は渋谷で『ザ・クリミナル』というイギリス映画。ヒッチコック風の巻き込まれ型ミステリー。売れないミュージシャンが、謎の諜報戦に巻き込まれる。ただ、オチがなぁ……。

12月27日(水)
 午前中に前日の映画の感想を全部書いてしまう。午後は東映で『頭文字〈イニシャル〉D』。ビデオでもかなり人気のあるアニメ作品の劇場版だが、結構面白いぞ。バトルシーンはかなり迫力があるし、ドラマ部分もよくこなれていると思う。2本目はFOXでレッドフォード監督の『バガー・ヴァンスの伝説』。ゴルファー役のマット・デイモンより、キャディ役のウィル・スミスの方が格好いいため、なんだかバランスの悪い映画になっている。今年の試写はこれでおしまいかな……。

12月28日(木)
 午前中に映画の感想まとめる。午後は新宿昭和館で『柳生一族の陰謀』と『赤穂城断絶』。深作欣二が22年前に撮った時代劇大作の2本立てだ。時代劇特有の重厚な雰囲気ないが、アクションシーンにはボリュームがある。内容的には『柳生一族の陰謀』の方が内容盛りだくさんで面白い。映画の後は近くのビアホールで少しビール。帰宅は夜中。

12月29日(金)
 そんなに飲んだつもりもないのに、ちょっと二日酔い気味。映画の感想をまとめ、仕事もしようとしたのだが、あまり手に付かなかった。銀行に行こうとも思ったんだけど、それもしないまま、ぼんやりと1日が過ぎていく。頭痛い。アスピリンを朝昼晩と飲む。大根が残っていたので晩におでんをつくって食べたのだが、これがやけに美味かった。なんだかひとりで食べてしまうのがもったいない。そう思っても、ひとりで食べるしかないんだけど……。

12月30日(土)
 午前中から黙々と仕事をする。一応夜には全部終わって入稿したんだけど、同じぐらいの分量が、正月3日締め切りなんだよなぁ。来年は2日から仕事だな……。昨日と今日は3つもカレンダーが届く。最初はニフティ。次がイマジカ。今日の午後届いたのがヘラルド。お気に入りはイマジカの和田誠かな。1月2月は『巴里のアメリカ人』のイラストだ。ヘラルドからのは『指輪物語』のカレンダーだった。映画は楽しみだけど、狭い部屋なのでさすがに貼るところがないないなぁ。
 仕事の合間にPHSの着メロを入力している。曲は全部ガーシュイン。以前の端末(J70)では入力できる音の数にかなり制限があったし、音の長さが変えられなかったので結構苦労した。結局「スワニー」も「アイ・ガット・リズム」も、曲の途中までしか入らなかったし、かなりいい加減なアレンジをする必要もあった。今回の端末(J81)は、ほぼ楽譜通りに入力できるので楽。曲のテンポを上げるため、音符をそれぞれ半分に割る(四分音符を八分音符として入力する)などの工夫はあるけれど、以前に比べればまったく楽なもの。1曲まるまる入力できるので、早速何曲か入力してみた。
 最初に入力したのは当然「スワニー」で、これは前回の端末でも使っていた曲なのでじつに快調。この曲が鳴らないと、自分のPHSじゃないみたいだ。他に調子がいいのは「ファッシネイティング・リズム」。ただしこれは同じメロディの小節がいくつも続くので、ちょっと聞くとただの呼び出し音みたい。「サムバディ・ラブス・ミー」も悪くないけど、呼び出しとしてはパンチ不足かも。入力したもののあまり調子が良くないのは、「ストライク・アップ・ザ・バンド」と「アイ・キャント・ビー・バザード・ナウ」。この2曲は、テンポの取り方が難しい。楽譜通りに入力しても、どうも間抜けだし、かといって間を詰めるとテンポが狂ってしまう。そもそも導入部のリズムが、楽譜のままだと駄目みたい。まったく呼び出し音に向かなかったのは「オブ・ジー・アイ・シング」。これは間延びしすぎ。いずれ削除してしまうと思う。
 ガーシュインの曲はオリジナルの楽譜通りのリズムで歌う歌手が少ない。入力して聴いてみたら「あれ、こんなリズムなんだ」と気付くものが幾つかあった。僕は好みで休符を入れたりしちゃいますけどね。でないと、どうにもだらだらと間延びしてしまうので……。あと僕のPHSは三連符が入力できないので、三連符のある曲を入力するにはどこかでアレンジしなければならない。

12月31日(日)
 午前中は今年最後のCS。礼拝のみで分級はなし。昼前は近所の公園に行ったりして過ごすが、ほとんど人気がなかった。やっぱり大晦日だなぁ。夜も紅白見て過ごしたりするが、いよいよ20世紀が終わり、21世紀になるという感慨はまったくない。テレビも昨年のミレニアム騒動で騒ぎつくしたのか、この年越しはやけに地味に感じられる。十分はしゃいでいても、それと「21世紀」という大イベントとのギャップが大きすぎて、地味に感じてしまうのかもしれないけれど……。
 年末のこの日に、J・B・ラッセルの「悪魔の系譜」を読了。ずいぶんと長くかかってしまったが、その価値がある本だと思う。明日からは何を読もうか……。




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