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2002年11月の出来事
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※WORM_KLEZに注意!
感染力の強いウィルスWORM_KLEZが蔓延中です。このウィルスは発信元を偽ってウィルスメールをあちこちにばらまきます。今回は僕のメールアドレスを使っても、かなりの数のウィルスが送られているようです。僕自身のパソコンは感染していませんから、これは僕の友人・知人・仕事先のいずれかが、うっかりウィルスに感染していることを意味します。
ウィルスについての情報は、トレンドマイクロ社のホームページを見てください。WORM_KLEZについての専用のページも用意されており、感染のチェック方法や駆除方法の情報はもちろん、駆除用のプログラムなどが配布されています。
ウィルスの対策には特効薬がありません。ユーザーひとりひとりが、最新のワクチンプログラムで自衛するしか方法がないのです。ワクチンプログラムを持っている人は、定期的にウィルスのパターンファイルを最新版にアップデートしてください。ワクチンプログラムを持っていない人は、他人に迷惑をかける前にソフトを購入してください。感染した当人のパソコンがダメージを受けるのは自業自得ですが、知らず知らずのうちに他人にウィルスをばらまかれては迷惑です。パソコンショップまで足を運ぶ時間がなかなかない人は、amazonで購入する方法もあります。ウィルス対策ソフトのページをご覧ください。どれも送料は無料ですし、注文から2,3日以内に届きます。amazonのソフトショップの値付けは、量販店などに比べてもかなりリーズナブルだと思います。
11月1日(金)
久しぶりの雨。午前中からずっと仕事。午後は新しい仕事の企画の打ち合わせで四谷まで出かけたのだが、落ち合う喫茶店の場所がわからず30分以上も雨の中をウロウロしてしまった。結局編集者に迎えに来てもらうという大失態。あ〜あ。打ち合わせそのものは順調で、話がまとまればそれなりにボリュームのあるものができそう。
試写の予定も入れていたのだが時間に余裕がないので、四谷のキリスト教書店サンパウロの店内を散策。気になる本を片っ端からチェックしていく。これは帰宅してからamazonで注文するつもり。
土曜日締切になっているPR誌のコラムを入稿してしまう。これは苦しかった。初めての仕事で単発ということもあるけれど、雑誌の狙いと僕の生活がまるですれ違っていたりするんだよなぁ……。ヘアサロン向けの雑誌に連載をしているのと同じで、自分に直接接点がない媒体で仕事をするのはキツイ。でもその分を補おうとしていろいろ調べるから、こういう仕事の方が勉強になるけどね。
夜は早めに床についたつもりなのだが、夜中に何度も目が覚める。みょうに寝苦しい。
11月2日(土)
午前中は築地の学校へ。朝食を取らずに出たので、近くの立ち食いそばで盛りそばを食べる。用事を済ませるとすぐに帰宅。近所でレバフライを買って新川の大叔母宅へ。とんぼ返りして2時から月島のマンションを内覧。これは僕の生活と仕事にはちょっと合わないので、引き続き物件を探してもらうことにする。帰宅して仕事。5時半頃から別の不動産屋と話。落ち合う場所が近所のマクドナルドしかないという、月島の現状が……。
11月3日(日・文化の日)
午前中はCS。午後は少し仕事してから、歩いて門仲まで向かい、モデルルームを見たり、食事をしたりして帰宅。夜はまた仕事。外は寒い。いよいよ冬みたいになってくるなぁ。amazonで本をまとめて注文。10冊で合計2万円ちょっと。入荷日がバラバラなので、配達されてくるのがいつになるのかちょっとわからない。おそらく何度かに分けて送ってくると思う。
11月4日(月・振替休日)
午前中は松竹の写真スタジオで撮影の立ち会い。その後自転車で勝どきまで出て食事し、地下鉄で門仲に出て八幡様にお参り。タクシーで鉄砲州に戻り、神社に立ち寄ってから歩いて帰宅。
夕方から少し昼寝。じつはここ何日か夜の眠りが浅くなっている。夜中に何度も息苦しくなって目が覚めてしまうのだ。どうも寝ている途中で呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症」になっている気配。苦しくて目が覚めると大きく何度か深呼吸して再び眠り、また苦しくて目が覚めるという繰り返し。これは太り気味の人がなるらしい。最近また太ってきたことは多少自覚していたんだけど、これは本格的にダイエットしなくてはならないかなぁ……。命に関わるしね。
睡眠時無呼吸症は中高年の突然死の原因にもなるらしい。映画瓦版がある日突然更新されなくなったら、それは僕が突然死してしまったからかもしれない。
(単に仕事が忙しいとか、旅行に出かけたということも考えられるが。)
11月5日(火)
先日ヤフオクで購入したOLYMPUS PEN EE-3が郵便で到着。3,100円で発作的に落札してしまったのだが、これがなかなか良品だった。機能もすべて完全。とりあえずコニカの400-27枚撮りフィルムを詰めて、テスト撮影を開始する。PEN
EE-3はペンシリーズの中では最も最後まで作られた機種なのだが(最終機種ではないが生産は最後まで続いた)、僕が思うに結局はこのEE-3がペンシリーズの最終形だったのだと思う。
フィルムを入れてフィルム感度を合わせたら、あとは何もしなくてもいいカメラ。ピントは焦点距離4メートルで固定だが、28mmという短小点のレンズで解放露出がF3.5。これでかなりディープフォーカスになる。(ハーフの28mmは普通のカメラなら40mmぐらいの画角だろうか)。高感度フィルムを入れて屋外の明るいところで撮影すれば、1メートル弱から無限遠まですべてにピントが合ってしまう。金属製でガラスのレンズが入った高級な写るんですが、PEN
EE-3なのだ。 しかもフィルムは倍使える。子供に手渡して好き放題撮らせるにはいいかも。またピント合わせ不要ということで、シャッターチャンスにも強い。スナップには最適。AFカメラはシャッターボタンを押してからピントが合うまでに少しタイムラグがあるのだが、EE-3にそんなものはない。機械式だから、シャッターボタンを押せばその瞬間にシャッターが切れる。
午前中からずっと仕事をしようと思ったのだが、あまりはかどらない。少し昼寝して午後は買物に出る。夕方からおでんを作って食べる。
11月6日(水)
午前中は映画の感想を書いて過ごす。ようやくいつもの仕事のリズムになったかな。でもこれも数日のことだろう。
午後は試写3本。まずは映画美学校でアキ・カウリスマキの新作『過去のない男』を観る。色づかい。芝居のリズム。どこを観てもカウリスマキの作品。前半は少しウトウトしてしまったのだが、これは僕の体調が悪かった。後半はずっと観ていたけれど、これが面白いのだ。
2本目はTCC試写室で『完全なる飼育/香港情夜』を観る。松田美知子の「女子高校生誘拐飼育事件」を原作とするシリーズ3作目。公開はシネパトスなんだけど、こうした映画はおそらくビデオショップでのニーズがあるんだと思う。今回はベッドシーンも少なくて、シリーズ中でもエロティック描写の点でちょっと見劣りするかなぁ……。
監督もスタッフも香港だけど、企画と出資が日本という日本映画。アートポートにはこういう映画が多い。面白い会社だなぁと思う。
3本目はアミューズピクチャーズ試写室に移動し、期待していた韓国製ラブコメディ『猟奇的な彼女』を観る。期待していた程度には面白かった。クライマックスでホロリとさせ、最後は予定調和のハッピーエンドで観客をホッとさせてくれる。こういうハッピーエンドは、やっぱり観客に「よかったなぁ」と思わせないといけない。ヒロインを演じたチョン・ジヒョンが正真正銘の美女だからこそ成り立つ物語。これが中途半端だと、単なるイヤな女になる。また若いというのも大事。30過ぎのちょっといい女で“猟奇的”な人は結構いるよ。でも30過ぎて酒飲んで暴れたり大声出したりしても、それはそれで困った人だったりするんだよね。
amazonに注文していた「ユダヤ教の誕生―「一神教」成立の謎」
が到着。これはこれで面白そうで早く読みたいんだけど、今読んでいる山本安英の「女優という仕事」にまだ数日かかりそう。ところでアメリカのamazonではずいぶん前から古書や中古本を扱っていたのだけれど、いよいよ日本のamazonにも同じサービスが登場した。ユーズドストアの登場で、今まで絶版や品切れであきらめていた本も入手できる可能性が広がった。本だけでなく、CDやDVDなども扱っている。利用者が自分の持っている本やCDやDVDを出品することもできるので、ヤフオクとはまた違う形で利用ができそうだ。ユーズドストアに出ていない商品も、リクエストを出すと出品時に自動的に購買できる機能がある。これは便利。僕もそのうち、何冊か本を出品してみようと思う。
外出時にPEN EE-3を持って歩いている。じつに快調。このカメラにはストロボ接点があるので、GN20ぐらいの小型ストロボを購入しようかなと考えている。ケーブルがあればdemi
EE17やPEN EES-2などにも取り付けられるし、ストロボがひとつあると行動範囲がかなり広がりそう。ただとっさに絞り値を設定するのに、はたしてすぐ暗算できるかどうかが不安だったりして……。これは早見表を作っておけばいいのかな。パナソニックの小型ストロボを考えている。現在ヤフオクにカメラや本を出品しているので、それらが売れてお金が入ったらストロボ購入を考えようと思う。
11月7日(木)
午前中は映画の感想を書いていたのだが2本で時間切れ。残り1本分は明日以降に書くことになるのだけれど、時間がないなぁ……。最近はいつもこんな感じ。最近は金曜日の試写をはずしてスケジュールを空白にしているのだけれど、今週は最終試写が何本かあるため、明日は午前中から試写がある。じゃあ今日中に仕事を整理できるかというと、そういうわけにもいかないし……。
午後はTCCで『チェ・ゲバラ−人々のために−』というドキュメンタリー。キューバ革命の英雄チェ・ゲバラの生涯を、チェの出身国であるアルゼンチンの映画監督が追いかけている。関係者のインタビューは貴重だとおもうけれど、この映画はチェがどんな人物であったのか、そのあらましを知った上でないとわかりにくい。せめてエピソードをすべて時系列でつないでほしかった。また取材対象の中にカストロ首相がいないのは大きな欠落だと思う。取材が難しいのかもしれないけれど、だとしたらこの欠落部分を補う何かがほしかった。
2本目はシネカノンに移動して『blue』を観る。恋愛に置いて、自分の「好き」と相手が自分に向ける「好き」にギャップがあることの悲しさ。自分が相手にとって「一番の人」「特別な人」
「誰よりも大切な人」ではないことを知ってしまった時のやるせない気持ち。誰かを真剣に好きだからこそ感じるそんな痛みを、不器用に描いた青春映画だ。映画の作り方としてとくべつ上手いわけではないと思う。でもあれこれと工夫があるし、絵作りに力強さが感じられる。もたもたしながらも、対象とするテーマに無理矢理にでもにじり寄っていこうとする、作り手の粘りが映画から伝わってくるようだった。これはヒロインを演じた市川実日子の個性によるところが大きいかもしれない。『とらばいゆ』もいいけど、今度の映画の彼女も素敵!
食事して、カメラ屋でストロボのカタログをもらったりしてから、丸の内ピカデリーで『ハリー・ポッターと秘密の部屋』の完成披露試写。7時20分開場、7時40分開映という予定が試写状に書いてあったが、到着した6時45分頃には長蛇の列がずるずると劇場内に入り始めていた。今回はピカデリー1,2を同時に使っての試写。満席で立ち見の人も結構いたから、全部で何人の人が来ていたんだか……。ピカデリーの定員はそれぞれ2881人だとぴあには書いてある。だとすると単純計算でその倍以上、6千人以上がこの試写を観ていたということになるのかな。上映時間は2時間41分。立ち見でこれは辛かろう。映画の内容は「まぁこんなものか」というレベル。ケネス・ブラナーの登場シーンは、本来ならもっと笑いが取れるはずなんだけど、どうもこのキャラクターがあまり生かされていない。これをヒュー・グラントが演じたらどうなっていただろう。映画はエピソードが串団子になっていて、全体としてはサーカスか遊園地のアトラクションのようなものだと思う。これが遺作となったリチャード・ハリスは、そう意識して観ているせいか声に張りがなかったように思う。映画終了は10時半。そこから帰宅したらもうクタクタ。あ〜あ。
11月8日(金)
何も作業をしないまま午前中から試写。10時に映画美学校で『さゞなみ』の追加試写(最終試写)を観る。ごひいきの女優・唯野未歩子の主演映画ということで気になっていた。今回は静かな映画です。
昼食は銀座の魚や一丁でランチ。たまには牛丼や立ち食いそば以外のものも食べないと……。だがこの食事で午後一番の試写を渋谷で観ることができなくなる。とりあえず銀座の教文館で少し時間を過ごす。3時半からは松竹で『マブイの旅』の試写。沖縄を舞台にした日本版『リービング・ラスベガス』。飲んだくれの中年男と地元娼婦の恋物語。だが舞台がラスベガスから沖縄に、主演がニコラス・ケイジとエリザベス・シューから山田辰夫と冨樫真に変わったことで、こんな映画になってしまいました。冨樫真はいいなぁ。山田辰夫も素晴らしい。そもそも山田辰夫が主演しているというだけでも、なんだかスゴイ映画です。脇役が多い彼ですが、主役でも十分に芯になれる実力があることは、この映画でも立証されていると思う。
築地立ち寄りで帰宅。途中勝どきで駐輪中の自転車を回収しようとしたら、これが見つからない。放置自転車扱いされて撤去されてしまったというより、これは盗まれてしまったのだろうと思う。おんぼろのママチャリだったけど、ないと不便なんだよなぁ。かといって新しく買うのもなぁ……。途中の自転車屋でリサイクル自転車を見かけたが、今持っているボロボロの自転車を修理するより、リサイクル車を購入した方が安く済みそうだ。これは真剣に考えないとなぁ……。
夕食はご飯を炊いて、豚肉のショウガ焼きを作って食べる。食事の後は銭湯に行く。毎月第2金曜日は入浴料が無料になるそうで、ちょっとラッキーだった。そのせいか、いつもより少し人が多いような……。そんなことはないか。せいぜい数人しかいない。僕が入っている間に、男湯だけで客が10人ちょっとぐらいじゃなかろうか。
テレビを観ていたら『映画・クレヨンしんちゃん/嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』のDVDが出るというので、あわててamazonで検索して予約してしまった。とりあえずショッピングカートに放り込んで、実際に購入するかどうかは発売日前後にまた考える。『大人帝国』は絶対に欲しいのだけれど、問題は同時発売の『アクション仮面VSハイグレ魔王』かな。でもこれも買うべきなんだろうね。2枚合わせて7,600円はちょっと大きな出費ですけど……。
11月9日(土)
築地場内市場で来場者向けのイベントがあるというので出かけたのだが、お目当てのマグロ解体ショーは朝早くから整理券がすべてはけてしまったとのこと。仕方ないので場外を少しぐるぐる回って帰宅。
午後は少し仕事をしてから秋葉原へ。この時期の秋葉原だから、季節商品を購入するファミリー層などがもう少しいてもいいはずなのだが、そうした客はほとんどおらず、ほとんどが黒っぽい服の男たちばかり。人は多いけれど、あまり活気があるようには見えなかったなぁ。もっとも僕も、最近は秋葉原で何かを買おうということがほとんどない。たいていのものは有楽町のビックカメラで間に合ってしまうし、小さなものはネットショッピングで買った方が安上がりだ。結局秋葉原のような場所の強さは、商品の実物が実際に陳列してあるということのみにあるんじゃないだろうか。カタログデータでは、使い勝手やデザインの詳細はわからない。あとは設置に工事が必要なものは、やはりネットで購入するわけには行かない。加湿器や空気清浄機なら問題ないけれど、クーラーや大型浄水器や食器洗い機は取り付け工事が必要だから電気屋が必要。クーラーや冷蔵庫などの大型家電は部屋の中で常に目の付くところに露出しているものだから、店頭でデザインなどをチェックしておきたいということもあるだろう。
帰りに有楽町のヨドバシカメラでパナソニックの小型オートストロボPE-20Sを購入。ガイドナンバー20だから、ISO400のフィルムで絞りが8なら5メートル先まで有効。オリンパス・ペンEE-3で絞り解放にすれば有効距離は11.4メートル、MINOX
35GTやEES-2なら14.3メートル、demi EE17なら23.5メートルという計算が成り立つけれど、まぁ実際は5メートルぐらいでピカリということになるんだろうなぁ。いずれにせよストロボの購入によって、今まで持っていたカメラの機動力が大きくなったことは間違いない。オートストロボの光量調節というものがどういう仕組みになっているのかよく知らないけれど、これはなかなか便利なものだなぁと思う。
週刊誌の原稿を仕上げてメールで入稿。
11月10日(日)
午前中はCSに出かけた後、有楽町の献血センターで400cc献血。その後さらにビックカメラに立ち寄って、ストロボ用のシンクロコードを購入。これでアクセサリシューにストロボ用接点のないdemi
EE17でもストロボ撮影ができるようになる。ペンにはX接点があるので、ケーブルでつなげばストロボを本体からはずして手持ち撮影もできる。強制的にバウンス撮影などもできてしまうのだ。もっともその場合はオートが効かなくなってしまうので、マニュアル撮影しなくてはならなくなってしまうのかもしれないけれど……。
寝不足気味なので午後は少し寝る。起きてからP誌WEB版の原稿を仕上げて入稿。まだまだ作業は残っている。クイズ、メルマガ、そして手つかずで残っている映画の感想文が6本分! これで月曜日まで作業が食い込むことは確定。やっぱり金曜日に試写を観に行くのは、しかも午前中から試写を観に行ってしまうのは厳しいなぁ……。ちなみに月曜日も夕方から打ち合わせが1本あるので、作業のためにまる1日は使えないのだ。
映画を観る本数がずいぶん減っていて、先月などは試写と劇場を合わせても20本しか映画を観ていない。映画評を書くことをなりわいにする身としてはこれではまずいのだけれど、口に糊するためには原稿を書く時間も作らねばならず、これ以上はなかなか映画を観られないのが実情。平日の夜や休日に劇場に行くのもままならない。あ〜あ。原稿を書かなくても、映画を観るだけでお金がもらえる身分になりたいものだ。映画瓦版自体がお金を生み出すような形になると、少なくとも雑誌媒体の仕事をしなくてすむのでずいぶんと楽になるんだけどなぁ。広告はもうダメなので、あとはamazonなどアフィリエイトの売上に頼るしかないかな。ちなみにamazonは先月だけで紹介手数料が2万円ぐらいになった。これを10万円や20万円にできると、僕としてはずいぶんと楽になる。
というわけで、読者の方は映画瓦版からのリンク経由でamazonを利用してくださるとありがたい。書籍やCDやDVDなどを購入してくださると、その売上金額の数パーセント(だいたい3%ぐらい)が、僕のところに紹介手数料として入ることになってます。
11月11日(月)
クイズの問題作成に午前中いっぱいかける。午後はメルマガの編集と配信手続き。映画の感想にまったく手が付けられないまま1日が過ぎていく。夕方からC誌編集部で次号の特集記事打ち合わせに1時間ほど。編集部出てからヘラルドと松竹にお正月映画の試写の件で問い合わせの電話。最近はすっかり出不精になって「手元に届かない試写状はあえて請求しない」という方針だったのだが、大型番組に複数の見落としがあるとまずいので、このあたりは一応観られる時に観ておくことにする。
先週現像に出したフィルムの現像が仕上がってきた。今回はコダックのT400CNというフィルムを使ったのだが、これはプリントの仕上がりがセピア調になる。僕は普通の白黒になると思っていたので、これはちょっと以外だった。単にちゃんと調べるのを怠っていた自分が悪いんだけど。セピア調のネガフィルムは以前コニカからも発売されていたのだけれど、もう数年前に35mmサイズのフィルムは出荷停止になっている。(ブローニーサイズは今でも売っている。)T400CNがその代替に使えるとは嬉しい。ちなみに現像代のみの0円プリント。ハーフサイズなのでプリントは76枚も上がってきた。でもそのうち、アルバムに入れるのは15枚。とにかくたくさん撮って、たくさん捨てるのが僕流なのだ。
完全な白黒プリントも作ってみたいので、これは同じコダックの別のフィルムを使って実験してみようと思う。PORTRA400BWを使えば、カラーペーパーにニュートラルなグレー階調を再現できるはず。グレー階調の再現にはシャープさが必要なので、異守っているカメラの中からCONTAX
T3かMINOX 35GTをモノクロ専用機にしてしまうことも考えられるなぁ……。もっともペンにモノクロフィルムを入れると、少しピントが甘くなって(目測が下手なのです)レトロな感じになるのも捨てがたい。たくさんカメラを持っているので、どのカメラがどんな用途に向いているのかを一通り調べるだけでもたいへん。もっともこんなことをやっている最中が楽しいのかもしれないけどね。
11月12日(火)
午前中から主として映画の感想を書く。3本ほど書いたけど、まだ追いつかない。パソコンの調子も悪くて、時々動作が不安定になるのは困ったものだ。
4時からイマジカで『ウエスト・サイド物語』のニュープリント試写。今までに何度も観ている映画だけれど、いつ観てもすごいと思う。バレエが鼻につく人もいそうだけれど、僕はこうしたダンスの様式性とロケーション撮影を主体にしたリアリズムの融合こそが、この映画を傑作たらしめていると思うのだ。冒頭からラストまで、ゆるむところがない堂々とした作品。ジェローム・ロビンスのダイナミックな振り付け。バーンスタインの音楽も迫力と叙情性を兼ね備えている。ジョニー・グリーンの指揮は時として演奏が歌に先行し、歌が演奏より先に突っ走る時もある。しかしこの急ぎに急いでいる感じが、恋に胸躍らせている恋人たちの気持ちとぴったりシンクロするのだ。何度か泣きました。何度か鳥肌が立ちました。DVDも持っているけれど、やっぱり大画面だと迫力が違います。
試写の後は食事をして、五反田のブックオフでキリスト教関連の書籍をあさる。期待していた100円コーナーにはほとんどまともな本がなく、仕方がないので通常の半額の棚を見て回る。結局5冊、4千円分を購入して帰宅。竹下節子の「聖母マリア―〈異端〉から〈女王〉へ」はamazonでも注文していたのだが、ここで見つけてしまったのでとりあえず購入。帰宅してから大急ぎでamazonの注文をキャンセルした。
竹下節子の本は好きでよく読んでいるのだけれど、時々自分がどれを読んだのかわからなくなる時がある。なにしろこの人は、マリア様と聖人様が大好きで、そんな本ばかり何冊も書いてますからねぇ……。
11月13日(水)
午前中はいつも通りの仕事。午後はソニーでジェニファー・ロペス主演の『イナフ』を観る。その後大急ぎでギャガに行ったのだが、ぎりぎりで到着した試写は満員で入れずプレス資料だけ受け取って戻る。こうなるともう、次の試写に行く気力も失せてしまったので、途中で本屋に寄り、有楽町のカメラ屋でモノクロフィルムを購入して帰宅。
今回買ったフィルムは、コダックのPORTRA 400BW。これはT400CNと違って、カラーペーパーでニュートラルなグレーになるように調節されているらしい。カメラはどれを使おうか迷ったのだが、結局CONTAX
T3に詰めておいた。日付の写し込みはオフにする。これで今週末に少し実験的に撮影をして、来週にでも現像に出そうかな。
モノクロ撮影は通常のモノクロフィルムを使うと、現像やプリント代がだいぶ割高になってしまうことがほとんどだ。T400CNやPORTRA 400BWを使えば、0円プリントでモノクロ写真が作れるのはいい。モノクロはカラーとはちょっと違った風景が撮れて、カラーではまったくつまらない風景もモノクロだと素敵に見えるし、逆にカラーだと面白い風景がモノクロだとつまらなくなったりする。何にせよ、カメラを手に町に出ると、風景を見る時も「これを写真にするとどうなるか?」という視点で見られて面白いのだ。
11月14日(木)
午前中にC誌の仕事を少しずつ進めていく。午後は東宝で『ふたりのトスカーナ』を観た後、ワーナーでC誌次号の打ち合わせ。DVDの特典映像を見るだけで終るかと思ったら、そのあと担当者からいろいろ話を聞いたり、他のタイトルの話をしたり、さらに『ハリポタ』の話を別の担当者としたりして、終ったのが6時。腹も減ったのでそのまま帰宅してしまう。
映画テレビ技術協会の会員証が届いたので、今日からは映画館で入場料1000円になる。でも会員証があっても、映画を観る時間がないんだよなぁ……。
今週は映画をたくさん観るつもりだったんだけど、なんだかんだで予定はつぶれていく。試写状を入れているクリアファイルから試写状が減らないので、ファイルがぱんぱんに膨れ上がっている。なんとかしなければ。
11月15日(金)
午前中にC誌の原稿をある程度書き、とりあえず一区切り付いたところで午後になる。金曜日はなるべく試写を入れたくないのだけれど、どうしても見なければならない試写があるので今日ばかりは外出。打ち合わせもあるしね。まずは東映でモーニング娘。の出演映画『仔犬ダンの物語』。『ピンチランナー』に次ぐモー娘。映画の第2弾かと思ったら、今回はモー娘。も出演している児童映画でした。監督は澤井信一郎。中心になっているモーニング娘。とハロー!プロジェクト・キッズの演技はかなり不安定で観ていてハラハラするのだが、周辺のベテラン俳優や澤井監督の安定した演出でうまくバランスが取れた。主人公の両親がいきなり離婚するところから始まるというのが、どうしようもなく今の映画だと思う。
少し時間をつぶして3時からF社の編集者と打ち合わせ。来年3月に出版予定の単行本に記事を書く話なのだが、原稿料が安いので書く量を減らして貰うつもりが、いろいろ話しているうちにやっぱりある程度の分量を書くことになった。内容は得意分野なので、原稿料は安くても楽しい仕事になりそうだ。今まで趣味で調べていたことを、少しまとめる機会も欲しかったし……。
打ち合わせの後は食事をして、5時過ぎにはヘラルドへ。残りの試写が2回という『K-19』を観るため、受付前から試写室前に並ぶ。5時半から入場。知り合いの女性編集者と偶然会って、いろいろ雑談したりする。映画はちょっと長いかも。最初の1時間はもう少し詰められたはず。ハリソン・フォードとリーアム・ニーソンの配役を逆にすると、もう少し面白くなったんじゃないだろうか。
amazonに注文していた本が次々に発送されてくるのだが、ほとんど読む時間がないなぁ……。今読んでいるのは竹下節子の「聖母マリア―〈異端〉から〈女王〉へ」なのだが、これが終ったらいよいよ「キリスト教神学入門」に手を出そうと思っている。とりあえず神学の流れだけでもざっと目を通しておいて、あとは時間がある時にということになるかもしれないけれど……。昨日届いた「聖書を彩る女性たち−その文化への反映」も軽い読み物としては面白そう。ただし中身は軽く読めても、本はハードカバーで重たそう。値段も結構してしまったけどね。
11月16日(土)
午前中に入稿できる仕事をいくつか片づけてしまう。午後は1時半に父親と待ち合わせて、購入候補となっているマンションの内見。購入するとすればかなり大幅なリフォームをすることになりそうだ。不動産屋との打ち合わせなどに時間を食ってしまったため、終ったのが3時過ぎ。父から旅行のお土産を受け取ったこともあり、築地経由で帰宅。築地で思いのほか時間を食ってしまい、戻ったのは4時半頃。それからさらに仕事をして、9時頃から夕食兼ねて外に飲みに出る。あ〜、疲れた。
11月17日(日)
いつもなら日曜日の午前中はCSなのだが、今週はわけあってお休み。午前中は朝寝を決め込み、起きたのは10時過ぎ。それから起きあがって朝昼兼ねた食事。午後は仕事。C誌の仕事の一区切りと、クイズ制作を半分。5時過ぎに外出。
週末はやはり、書くことが少ないなぁ。
11月18日(月)
朝起きてから新宿へ。まだ店はどこも開いていなかったのだが、新宿昭和館の跡地はちょうど整地中で、シャベルカーが働いていた。跡地には「昭和館ビル」というものができるらしいが、映画館は入るのかなぁ……。新宿昭和館の特異なラインナップを楽しみにしていた人も多いだろうから、本当なら映画館を復活してほしいんですけどね。根強いファンもいたことだし、きれいな劇場として再オープンすれば、新たなファンも獲得できそうな気がする。
近くのスーパーで買物。帰宅してヤフオクの出品品に対する入金状況を確認。週末に入金された分が入っている程度なので、これは午後3時過ぎに再確認して荷物を作ろうと思う。とりあえず身の回りの整理をして、昼過ぎに一度寝てしまう。気がついたら3時半。銀行口座の入金状況を確認し、ヤフオクの落札品を出荷しはじめる。着払いの宅急便より、ゆうパックの方がいいのかなぁ……。次回からはなるべくゆうパックを利用するようにしようかな。
佃に新しくできたフーデックスをぐるりと一周し、その後生協でお酒とお弁当を買って帰宅。あとは仕事だ。メルマガ。クイズ。C誌の原稿。やることは多い。時間は少ない。明日は最終試写になるものが1本。観なくてはならない完成披露試写が1本。午後一番の最終試写はキャンセルしてしまおうかなぁ……。
「キリスト教神学入門」は分厚くて重くてかさばるので外出時の読書には向かず、外出時のカバンには別の本を入れて歩くことになりそうだ。とりあえず竹下節子の「テロリズムの彼方へ、我らを導くものは何か」を読み始めた。まだ半分しか読んでいないのだが、これはなかなかわかりやすくて、なおかつ刺激的な本だった。僕が読んだ範囲(前半部分)で一番面白かったのは、サウジアラビアがなぜイランをライバル視するかという解説部分。イスラム国家には「イスラム共和国」「共和国=世俗軍事国家」「王国」の3つしかないという部分は目からうろこが落ちる思いがした。
11月19日(火)
午前中からせっせとC誌の原稿を書き続ける。最後に残したのは資料からの丸写しに近いものなので、これは時間がかかるわりには退屈。合間合間に竹下節子の「テロリズムの彼方へ、我らを導くものは何か」を読み切る。本の後半は著者本人の心の変遷を追ったエッセイのようになっていて、前半ほどの面白さはなくなってしまう。この本を読み切ったからには、次はいよいよ「キリスト教神学入門」になる。やはりこれは、普段からカバンに入れて持ち歩かないと、いつまでたっても読み切れないぞ。同じぐらい厚い本では、以前「書物としての新約聖書」を読み切って非常に満足したことがあるのだけれど、同じぐらい厚い「キリスト教2000年史」は途中で挫折して投げ出したままになっている。う〜む。
夕方前には原稿を入稿してしまい、夜は渋谷のパンテオンで『ギャング・オブ・ニューヨーク』の完成披露試写。その前に渋谷のさくらやで電池交換の終った時計を受け取る。パンテオンに到着すると、階段には入場を待つ人の長蛇の列。パンテオンの完成披露試写には何度も来ているけれど、これほど長い列になっているのを見たのは初めてだ。やはり関係者の期待が大きいのだろうなぁと思う。それに公開まで時間がないので、ここで観ておかないと原稿が間に合わないという人たちも多かろう。
映画はまだ完全には完成していないようで、この日に上映されたプリントはエンドクレジットが欠落しているし、映画の途中で音声と絵が合わない部分もあった。映写機のトラブルで前半に5分ほど映写が途切れたりもして、なんだか最初のお披露目としては条件の悪いものになってしまったと思う。
上映時間2時間40分なので、7時40分から上映が始まって(本当は7時半開映予定だったのだが、入場者をさばくのに手間取って10分ずれた)、途中で5分ほどの上映中断も含め、終ったのが10時半頃。あ〜、疲れた。
11月20日(水)
午前中に映画の感想を書いてしまう。たまっている試写状を整理して、試写のスケジュールを立てる。最近あまり試写室通いをしていないので、試写状ばかりがどんどん溜まるなぁ。結局試写を観られないまま終ってしまうものも多いし……。去年からは考えられない。去年は仕事がなかったから試写ばかり観ていたけれど、その反面貧乏だったからなぁ。今年はそれなりに裕福。同世代のサラリーマンぐらいの収入にはなるかな? もっとも僕は、同世代のサラリーマンが今いくら貰っているのか知らないんだけどね。自由業はリストラがないから気が楽だなぁ。自分で働けばその分がお金になり、働かなければ貧乏するだけ。じつにわかりやすい。わかりやすすぎる。
午後は東映で高島礼子主演の新作『姐御』の試写。これはよくわからない映画だった。出演者は例によって例の如しなんだけど、話がまったくチンプンカンプン。難解というのではない。単に脚本が下手くそなのね。2本目はメディアボックスで『Jam
Films』の最終試写。30分前には到着したのだが、試写室の受付前は既に長蛇の列。ようやく試写室に入ったのだが、僕が座ったのは補助イスでした。あぶないところだった。これは面白い映画だったなぁ。
食事をしてから3本目の映画を観ようと思っていたのだが、時間がなくなってしまったので3本目はパス。冷蔵庫が空っぽなのでスーパーに立ち寄って買物してから帰宅。まぁ1日2本ぐらいがいいペースかも。
「キリスト教神学入門」はやはり外出中の読書には不適当なので、とりあえず鹿嶋春平太の「聖書がわかればアメリカが読める」を読み始めたのだが、これがとんでもないくわせもの。以下この本の大批判なので、興味のない人は読み飛ばして結構。
この著者はキリスト教関連の入門書を数多く書いていて、それなりに読者も獲得しているのだろうけれど、この著者の本は入門書としてはまったく不適当だと思う。そもそもキリスト教入門書とは、それがどんなものであれ著者の「信仰告白」になる面がある。「キリスト教とはこんなものですよ」と紹介することが、そのまま「私の信じているキリスト教はかくかくしかじかである」となるわけです。だからキリスト教入門書を選ぶ時は、その著者がどんな立場からその本を書いているかを見なければならない。著者がカトリックなのか、プロテスタントなのか、プロテスタントだとしたら教派は何か? それらは著者略歴や前書きに書かれていることもあれば、書かれている内容から即座に類推できることもある。
ところがこの鹿嶋春平太という著者は、そうしたことについて一切何もいわない。何も言わないままに、「聖書とはこういうもの」「キリスト教とはこういうもの」「アメリカ人はこう聖書を読んでいる」「キリスト教徒も含め、日本人はほとんどそれが理解できていない」「だが私はそれを知っているので、あなたがたに教えてあげよう」とおっしゃる。でもこの著者は、自分がそう考えるに至る明確な根拠を何も示さない。引用や出典明記が何もないままに、「アメリカではそれが常識だ」と言い切ってしまう。多少なりとも聖書やキリスト教について知識があれば、この著者の書いていることがインチキとまでは言わないまでも、かなりいい加減なものであることはすぐにわかるけど……。
著者の言う「聖書主義」という言葉は面白いと思うし、それがアメリカのプロテスタント教会の性格を言い当てている面もあるだろうと思う。だがピューリタンもバプテストもヨーロッパ伝来の伝統的キリスト教から生まれたものであり、聖書から勝手に導き出された教会ではあり得ない。この著者はそうしたキリスト教史について、そんな常識的な知識すら持ち合わせていないらしい。本当に聖書主義について語りたいのなら、ものみの塔やモルモン教についてなぜ触れない? あれこそアメリカの聖書主義が生み出した宗教ではないのか? 彼らはキリスト教の伝統から離れて、彼ら独自の自由な聖書解釈をしている。(ただしその聖書解釈が教会の教理となり、信者たちの自由な聖書解釈を許さないという面もある。)
この著者は「聖書主義=アメリカの精神」なる独善的な仮説を持ち出すことで、自分自身の勝手な聖書解釈やキリスト教解釈を合理化しているだけだと思う。この人は新潮選書からも何冊か聖書関連の本を出しているし、ビジネス書の体裁でキリスト教入門書も出しているのだけれど、何も知らないままこうした怪しげな知識を植え付けられてしまった人は不幸だなぁ……。読み始めた本は一応最後まで読んでみるというのが僕の読書方針なので(その方針に反することも多々あるが)、この本も一応は最後まで読んでみるつもり。でもまったく砂をかむような読書の時間だなぁ。こんなことなら以前から買ったままになっている「宗教に揺れるアメリカ―民主政治の背後にあるもの」を先に読めばよかったよ。
11月21日(木)
鹿嶋春平太の「聖書がわかればアメリカが読める」を読み終る。本の後半を読んでわかったのだが、どうやらこの本の著者はアメリカの南部バプテスト教会に関係が深いようで、南部バプテストこそがアメリカ人のキリスト教の基本だと考えているらしい。南部バプテスはアメリカ国内でかなり大きな信者人口を抱えているし、バプテストを「聖書主義」と規定するのもあながち的をはずしたものではないと思う。しかし問題なのはこの著者が、南部バプテストのみをアメリカのキリスト教だと決めつけ、それ以外の教派を極端に軽視していることだろう。これはやはり、この著者なりの信仰告白の書ではないのか? バプテストの一部で語られている教派の歴史(バプテストの起源は使徒時代にさかのぼるというもの)を、無邪気にアメリカの歴史と結びつけて語るさまは異様だ。自身の信仰を前提としてこうした話を紹介すれば問題ないのだが、客観的な記述を装ってこうした話が飛び出すと、それはもうトンデモ本の世界になってしまう。
そもそもアメリカのキリスト教や民主主義について考えるなら、「聖書主義」なる言葉を持ち出さずとも、教会政治の会衆制(あるいは組合制)について語ればそれで済む。アメリカに最初に入植したピューリタンたちは会衆派だし、アメリカ南部の主流はやはり会衆制のバプテスト。開拓民がどんどん内陸部に進出していったアメリカでは、人々が集まったところにとりあえず教会を作れる会衆制組織に必然性があったのだ。
個人の自主的な信仰と学びに重きを置くこうした教会組織が、個人の独立精神をうながし、知的にも洗練された個人を生み出すことは確かにあるだろう。だが一方で、独善的な聖書学習がファンダメンタリズムという悪弊を生み出しているのも事実。鹿島春平太という著者はそうしたマイナス面に一切触れることなく、無邪気に聖書主義を礼賛しているのだから困ってしまう。
と、大幅に脱線したところから日記に戻る。午前中は映画の感想を書き、午後は試写を2本。まずはワーナーで『ゴーストシップ』という幽霊船もの。荒れ果てたボールルームがあっという間に元通りになるシーンはすごい。当然CGを使っているのだろうけれど、これはじつにファンタジックな風景だった。映画自体はB級もいいところ。まぁ最初からB級狙いなので、「B級だ」というのはなんの非難にもならないんだけどね。まずまず予定調和に終るところも含めて、及第点の映画だと思う。でもビデオでもいいかも。
2本目はメディアボックスで『鏡の女たち』。吉田喜重監督の作品で、ちょっと日本映画離れした感覚の作品だった。ヨーロッパ映画みたいなテイストかも。
映画の後は銀座を少しぶらついて時間をつぶす。ビックカメラでモノクロフィルムを買ったりする。カメラ別に「モノクロ」「セピア」「カラー」と使い分けるつもりだ。Contaxがモノクロ、MINOXがセピア、ハーフサイズはカラーがいいかな。これはもうちょっと考える。夜は仕事先の担当者と一緒に飲む。仕事の話半分。残りは雑談。来週の木曜日はオフ会を企画しているのだが、現時点で参加希望者が3人だって……。トホホだなぁ。
11月22日(金)
午前中にNW誌の原稿を書き上げて入稿。そんなわけで今回は映画の感想を書けないまま午前中が終ってしまい、午後になる。午後は3時半からギャガで『裸足の1500マイル』。オーストラリアで70年代まで行なわれていたというアボリジニ保護政策の無惨な実態を、3人の少女たちの旅を通して描く実録ヒューマンドラマ。かつて白豪主義を掲げていたオーストラリアは、国の政策としてアボリジニの絶滅を目指していたらしい。ただしナチスのように、アボリジニを強制収容所に入れてしまおうというのではない。アボリジニの子供たちを親や固有の文化から引き離して強制的に西欧風の教育を受けさせ、白人との混血によってアボリジニの血をどんどん薄めて白人社会に取り込んでしまうことを目的としていた。白人男性のもとにメイドとしてアボリジニの少女たちを送り込み、彼女たちに混血児を生ませることを奨励していたというのだから驚いてしまう。こうして数十年に渡ってアボリジニ社会はずたずたに引き裂かれ、今もその後遺症が残っているのだという。
2本目は渋谷に出ようかとも思ったのだが、その次のことを考えると躊躇して、食事をしてから有楽町スバル座で見落していた『バースデイ・ガール』を観る。ニコール・キッドマンがロシア女性というのもかなり苦しいけれど、マチュー・カソビッツとヴァンサン・カッセルまでロシア人役で登場するのはひどく苦しくないか?
無名でもいいから、これらは東欧系の名もない俳優を連れてくるべきだったと思う。そもそもカソビッツやカッセルが登場しただけで、「このままでは済まない」とすぐに観客に悟られてしまうではないか。映画としては悪くないんだけどね。ハッピーエンドだし。
3本目は夜9時から丸の内東映で織田裕二主演作『T.R.Y.』の試写。戦前の上海を舞台にした冒険映画なんだけど、これがまぁ……。織田裕二はなんでいつもああいう具合に気張っているのかなぁ。『踊る大捜査線』や『ホワイトアウト』のヒットで、本人は自分を映画スターだと思っているのかもしれないけれど、彼には映画スターらしい風格がまったくない。もっとスクリーンに出続けてなきゃだめだと思う。カメラの中で俳優は磨かれるのです。織田裕二は永瀬正敏などに比べれば遙かにスケールの大きな役者になれる可能性を持っていると思うけれど、いかんせん泥臭いのだ。カメラの前に立ち続けている永瀬正敏は、小粒ながらも自分のスタイルや個性の輪郭がはっきりしている。それに比べると、織田裕二はぜんぜんダメだと思う。これは資質の問題ではない。大きな作品でも小さな作品でも、少なくとも年に1本は映画に主演することだ。それ以外に主役を食ってしまうつもりで、脇役を年に2本ぐらいやる。そうやってカメラ慣れしていけば、織田裕二は今の何倍もよくなるよ。
「宗教に揺れるアメリカ―民主政治の背後にあるもの」を読み始める。いきなりアメリカ政治の成り立ちと会衆派教会の関係について指摘してあったりして……。
11月23日(土・勤労感謝の日)
午前中からS誌の原稿を書いて入稿。P誌の原稿もせっせと書いて、とりあえず半分まで。このため、この日は他の仕事がほとんどできず、映画の感想なども書けずじまい。
勤労感謝の日であろうと何であろうと、貧乏人は働くのである。仕事の資料も兼ねて、DVDやビデオを5万円分ぐらい注文してしまった……。ああ……。
11月24日(日)
午前中はCS。午後はP誌WEB版の仕事を仕上げて入稿してしまう。いつもやっているクイズの仕事のテーマが来ないので、これは月曜以降になりそう。こうしてまた、仕事のずれがズルズルと……。
11月25日(月)
午前中はP誌の原稿を仕上げて入稿してしまう。その後、午後になってクイズのテーマが届いたのでそれに手を出す。今日は本当なら試写を3本観るはずだったのだが、それはすべて別日に回す。こうしてすべて試写を後ろに回しているけれど、12月は年末進行で雑誌の仕事が忙しくなるので、おそらく試写は半分も観られなくなってしまうと思う。クイズは半分ほど手を付けて、残りは翌日まわし。夜遅くなるとネットの接続が重くなるので、クイズ作成にはまったく不向きになってしまうのだ。ネットで資料を調べることが、どうしても多いからなぁ。
11月26日(火)
午前中に昼頃までかけてクイズを仕上げ、入稿してしまう。午後は少し昼寝してから、シャワーを浴び、近所の床屋に髪を切りに行く。考えてみたら、ここ2ヶ月ほどは髪を切っていなかったようだ。サッパリした。
帰宅してから夕方は映画の感想を書こうとも思ったのだが、なんとなく気乗りがしないままぼんやりテレビなど見てしまった。仕事の山をひとつ越えたら、なんだか気が抜けてしまって……。だめだなぁ。
せめて1本分は書かないと、明日が辛いぞ。と思いつつ、こうして日記を書いたりしているのだけれど。
11月27日(水)
映画の感想を全部仕上げて、午後は久しぶりの試写。1本目はゴダールの『ヒア&ゼア・こことよそ』。わずか55分の作品だけれど、うっかり眠りそうになることしばし。言っていることはよくわかるんだけど、74年という時代背景に僕はもう共感できないわけで(当時僕は8歳だから当たり前)、こうした映画はどうしても古びてしまうなぁとも思った。ただしこの映画、「映画は作っている最中にもう古くなっていく」ということそのものがテーマだったりするわけで、それはすごく面白いと思った。
銀行に立ち寄ってから渋谷に移動し、アミューズの試写室で『火山高』の最終試写。最終試写だけに混んでいる。僕は30分以上前に試写室入りしたので悠々と座れたけれど、10分前に来た人はもうだめだったみたい。映画自体はさして面白くないんだけどね。韓国映画だけど、劇中に日本語でタイトルや説明が表記されるなど、日本独自の編集になっているようだ。サントラも日本独自のものらしい。じゃあ韓国のオリジナル版はどうだったんだろう?
僕が観た試写は字幕版だったのだが、これなら日本語吹替え版を観た方が面白いかも。アクションの連続だけれど、後半は眠くなったなぁ……。
本屋に立ち寄った後、築地経由で帰宅。
11月28日(木)
午前中に映画の感想をまとめてしまい、午後は映画美学校で試写を2本。まずは香港映画『カルマ』で、これは日本のホラー映画(特に『リング』)の恐怖演出をしっかり研究して作られた映画だった。恐怖演出そのものは普通の心霊現象を扱っているのだが、じつは心霊現象ではなく人間の心の問題を扱っているヒーリング映画なのだ。面白かった。
2本目はゴダールの『うまくいってる?』。これはまったくだめ。歯が立ちません。映像と音声がべつべつに進行していくという構成で、おそらく数回観ないとよく意味が取れないと思う。でも僕はそんなことしないのだ。
急げばもう1本劇場で映画を観られるとも思ったのだが、腹も減ったのでそれはやめ、銀座のマクドナルドでハンバーガーとコーヒーを腹に入れてから読書。「宗教に揺れるアメリカ―民主政治の背後にあるもの」がそろそろ大詰めで、これがじつに面白い。中絶問題や同性愛問題、区林トンの不倫騒動など、個別の事案についてアメリカのキリスト教会がいかなる影響力を政治に及ぼしているかや、教派別にこうした問題にどういった態度を取っているかといった統計などは非常に参考になった。とりあえず最後の2章ぐらい残して教文館へ。ザビエルのミイラについてちょっと調べようと思ったのだが、手がかりはあっけなく見つかった。これは資料として購入することを考えようと思う。
小冊子だしね。
7時半からは銀座5丁目のライオンで映画瓦版のオフ会。今回からオフの幹事を人に任せたので、僕はずいぶん気が楽になった。今回の出席者は、僕や幹事も含めて男性が6名に女性4名(だったと思う)。11時の閉店まで話に花が咲き、大いに盛り上がった。このぐらいの人数だと、とりあえず全員の顔を見て話せるからいいなぁ。次回は1月以降になると思う。映画鑑賞オフをやろうという話も出ていたけれど、さてどうなることだか……。今回は告知から開催まで10日ほどしかなかったので、次回はもう少し早めに告知したほうがいいかなとも思っている。
11月29日(金)
朝のうちに管理人室に届いていた荷物を受け取る。これはamazonで注文していたセルジオ・コルブッチの『続・荒野の用心棒』とスコセッシの『最後の誘惑』。この2点は他のショップでも探してみたのだが見当たらなかったため、定価だったがamazonで購入した。定価だけれど届くのは早い。注文してほんの数日で到着してしまった。午前中にはもう2枚DVDが届く。これはmurauchiに注文していたコルブッチの『殺しが静かにやって来る』と、ドリームワークスのアニメ映画『プリンス・オブ・エジプト』。murauchiは会員登録することで定価の2割引になるのだが、品揃えはいまいち。新譜はたいてい揃っているけれど、古いものはまずない。5千円以上買うと送料が無料になる。届いたDVDをちらちらと見てみたが、『最後の誘惑』は『タクシー・ドライバー』と同じ監督・脚本コンビなので、2本の映画の比較検討が必要かもしれない。『プリンス・オブ・エジプト』は日本語音声でちゃんと歌の部分も日本語になっているのがよい。ミュージカル映画では歌だけ言語のままというのも多いけれど、こうした部分はしっかりしたものだ。『殺しが静かにやって来る』は以前リバイバル公開を劇場鑑賞し、ひどくショックを受けた作品。高かったけど、ラストシーンを観たらやっぱりスゴイと思った。『続・荒野の用心棒』は『殺しが静かに〜』とのつながりで購入したもの。これ自体にはとくに大きな思い入れはない。
DVDは【楽天市場】DVD市場であと数枚注文している。
それが届くのはいつ頃になるのかなぁ……。まぁ来月中に届けばそれでいいけどね。あとamazonに注文しているアメリカ版ビデオ2本も、いつになったら届くだろうか。
午前中はそんなこんなで映画の感想は1本きり。残る1本分はゴダールだからなぁ。ゴダールはどうも苦手なんだよね。感想書くのも苦手。何がどうなってるんだかさっぱりわからない。そうこうしながら、今日の午後の試写はその苦手なゴダールでスタート。映画美学校で『右側に気をつけろ』を観る。昨日の映画よりはわかりやすいけど、でもねぇ……。やっぱり苦手です。楽しいけどね。楽しけりゃそれでいいのか。歩いて内幸町のワーナーまで行き、イーストウッドの『ブラッドワーク』最終試写。これは12月7日にもう公開が始まってしまうのだ。相変わらず安定した演出ぶりで、まさに「盤石」という言葉が似つかわしい。今回のイーストウッドは走ります。あの老体で走る走る! 「おいおい、大丈夫かよ〜」と心配していると案の定……というのが導入部。うまいなぁ。
本当はこの後もう1本観ようと思っていたのだけれど、食事にちょっと手間取ってしまい(アルバイト店員がレジの入力を間違えて5分も立ち往生)、さらに内幸町は交通の便が悪くて大幅に時間をロス。地下鉄には乗ったものの、どうも間に合いそうにないのでUターンして帰宅してしまった。
持ち歩き読書では「宗教に揺れるアメリカ―民主政治の背後にあるもの」を読了。これは2,700円もする本だったけれど、
現代アメリカとキリスト教の関係が実に丁寧にまとめられている良書だった。建国以来の文化的伝統だとか、聖書主義が云々という独り善がりな理屈に逃げず、内外の文献を引用しながら戦後のアメリカ社会と主としてキリスト教会の関わりについて語っている。アメリカ社会の底辺を支えているのは、南部を中心とする福音派であると改めて実感。こういう本を読んでしまうと、もう鹿嶋春平太のろくでもない本なんて読んでいられないんだけど、古書店で購入したのがあと2冊手つかずで残っているんだよなぁ……。まぁトンデモ本を笑うつもりで、時間のある時に読み飛ばそうかな。
次の持ち歩き読書には西村雄一郎の「巨匠たちの映画術」を読もうと思っている。
11月30日(土)
午前中に【楽天市場】DVD市場に注文していたDVDが7タイトル到着。チャールトン・ヘストン主演の『十戒』、同じくヘストン主演の『ベン・ハー〈特別編〉』、旧約聖書ものの『天地創造』、キリスト伝の決定版『偉大な生涯の物語〈特別編〉』、シネマスコープ第1作『聖衣』と続編『ディミトリアスと闘士』、キリスト教伝道師を主人公にした『エルマー・ガントリー』。この7タイトル中、3タイトルに顔を出しているのがチャールトン・ヘストン(『偉大な生涯の物語』にバプテスマのヨハネ役で出演)。意外なところではジーン・シモンズ主演作が2本(『聖衣』と『エルマー・ガントリー』)。これらは仕事の資料として購入したのだけれど、原稿料が安いのでまったくの赤字。まぁ半分趣味も入っているので、仕事にかこつけてDVDを購入したようなものだ。
午前中に勝どきのマンションを1件見に行ったのだが、これは広くて安いものの天井が低くてまったくダメ。午後も勝どきでもう1件物件を見る予定なので、部屋まで戻らず晴海のトリトンスクエアで昼食。土曜日の昼前ということもあって、人はまだ少なかった。午後は勝どき(正確には月島4丁目)でマンションを見たのだが、これも手狭で使い勝手が悪そう。リフォーム済みといっても、単に壁紙を張り替えただけじゃないのかな。ベランダは広くて、部屋も明るいんだけどね。でも狭くて窓ばかり大きいということは、冷暖房の効率が悪いかも。
ガッカリしながら帰宅して、週刊連載の仕事を仕上げて入稿。