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2003年4月の出来事
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4月1日(火)
毎年恒例のエイプリルフール・ジョークを用意する間もなく、 今年はあっという間に4月になってしまった。ひょえ〜。なんてこった! もう今年は4分の1が終わってしまったってことだぞ。きっと4月もあっという間に終わって、それで今年の3分の1が終わってしまうのだ。ひょえ〜。
午前中はメルマガの編集作業。終わらないのでそのまま試写に出る。今日は強行軍なのだ。ひょえ〜。
まずは12時15分からワーナーで『アニマトリックス』の1本「ファイナル・レジェンド・オブ・オシリス」を観る。CGアニメで作った『マトリックス』のアナザー・ワールド。これは面白かった。あっという間に終わってしまった。短編だから仕方ないけどね。2本目は同じワーナーで1時から『マイ・ビッグ・ファット・ウェディング』。原題は『My
Big Fat Greek Wedding』だが、日本語タイトルからは「ギリシャ風」が抜けた。現代からもわかるとおり、ギリシャ系の女性を主人公にした結婚コメディ。あとからネットを調べたら、この映画の設定と登場人物と出演者をそっくりそのままテレビに移して、「My
Big Fat Greek Life」というシットコムが放送されているようだ。それだけ映画も人気があったってことでしょうね。
京橋まで歩いて、映画美学校で韓国映画『黒水仙』。朝鮮戦争時代の悲劇と、現代の犯罪を結びつけたミステリアスなメロドラマで、いわばなんだろう……、韓国版『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』みたいな感じかな。俳優たちが50年前と現代を演じるのが、ちょっと苦しい。これは俳優を分けたほうがよかったと思う。あと、登場人物たちの関係性がわかりにくい。政治状況もわかりにくい。全体にもうちょっとスッキリした語り口にする方法があると思うんだけどなぁ。
食事してから4本目はGAGAでサーフィン映画『ブルークラッシュ』。これはすごく面白かった。話はありきたりで、サーフィン版『フラッシュ・ダンス』です。でもこの映画の見所は、サーフィンのシーン。水中撮影がすごい迫力で、観ていてぞくぞくしてくる臨場感。アイマックスの『エクストリーム』や『007/ダイ・アナザー・デイ』でサーフィンを撮影したキャメラマンが、この映画の水中撮影を担当しているらしい。
さすが! サーフィンのシーンはほとんど吹き替えだと思うけれど、主演の女の子はここぞというシーンで実際にボードに乗っているのかな。あるいは合成だろうか。合成が多そうだなぁ。ミシェル・ロドリゲスについては、ほとんどスタントみたいです。
5本目はイギリス映画『ギャングスター・ナンバー1』。面白かったけど、ここまでくると詳しく語る元気がない。へとへとに疲れた。
それでも帰宅してからメルマガ編集と配信手続き。う〜、参った。
4月2日(水)
前日の疲れで朝起きたらもう何もできない。ほとんど家の中にいた。仕事も映画の感想も手付かず。
4月3日(木)
前日はすっかり休んでしまったので、この日は支社に出かけた。1時からメディアボックスで『キャンディ』。う〜ん、こういうのをキッチュというのでしょうか。どうしようもなく、つまらない映画だと思うけどなぁ。出演者は超豪華なんだけど、話がどうも……。主演の女の子も、あごが割れてるんだよなぁ。僕の好みではありませんでした。体調がいいときに観れば、また別の感想もあるかなぁ。
2本目は映画美学校で『のんき大将〈カラー版〉』と、2本の短編『左側に気をつけろ』『郵便配達の学校』の3本立てを観る。『のんき大将』はオリジナルのカラーフィルムではなく、カラーライゼーションのように見えた。実際はどうなんでしょう。『左側〜』はあまり面白くないと思う。抜群に面白かったのは『郵便配達の学校』。これは『のんき大将』のオリジナルであり、『ぼくの伯父さんの授業』でもワンシーンが引用拡大されてました。
やはり体調がよくなくて、頭が痛くなってきてしまったので帰宅することにした。その前に食事を済ませ、教文館に立ち寄る。映画本のコーナーには「シネマの宗教美学」が並んでいたけれど、聖書コーナーにはなかったようだ。聖書コーナーでハンディバイブルの軽装版を見つけた。通読にチャレンジするために、購入しようかなぁ……。このぐらいの値段なら、マーカーで線を引いたり書き込みをしたりしてももったいなくないしね。これは今度考えようと思う。
月島に戻ってスーパーで買い物。帰宅してちょっと食べてから、シャワー浴びて寝てしまう。
4月4日(金)
映画の感想を全部書き、入稿すべき原稿を仕上げて入稿してしまう。読み終わって不要になった本を図書館に返却し、かわりに予約していた「ムービー・ラビリンス―映画の謎に答えるQ&A」を借りてくる。ああ、これは買わなくてよかった。読み物としても食い足りないし、資料としてはほとんど役に立たないぞ。記事の大半はQに対するAになっていない。
例えば最初のQにある「映画の歴史はなぜ『列車の到着』から始まったのか』だが、この問いに対するAでは、リュミエール兄弟の最初の映画には『工場の出口』や『赤ん坊の食事』なども存在した事実が無視されている。Q2の「なぜ映画は暗闇の中で見るのか」では、暗闇の中のスクリーンに映写機で画像を拡大投影したほうが、同じサイズの液晶画面や大画面テレビより圧倒的にコストが安く済むという当たり前の事実が無視されている。将来的に液晶やプラズマディスプレイの製造コストが飛躍的に下がったとき、映画が暗闇の中で上映され続けるかどうかはわからないと思うけどなぁ。(また、映画の原理に必ず出てくる「残像現象」という言葉があるけれど、映画を動く絵たらしめているのは「仮現運動」という錯覚の原理なのだ。)この本では当然言及されなければならない事柄を無視して、物事のある一面だけに着目し、そこを基点にして論を発展させていくという事例が多いように思う。
4月5日(土)
午前中に家を出て横浜の実家へ。マンションの契約更新のため、父親に保証人のサインを書いてもらう。昼は近くのファミレスで食事。夕方には帰宅する。この日はやたらと寒かった! 夕方暗くなる前に実家を出て、帰宅してから夕食はスパゲティ。これがやたらと上手くできたので、以下にレシピ。
フライパンにオリーブオイルを入れて、ニンニクと鷹の爪とベーコンを炒め、香りが出てきたらナスを炒める。ナス全体に油が回ったら缶詰のホールトマトを一缶入れて、ヘラでざくざく切るように潰す。顆粒のコンソメを少し入れて、さらにツナ缶を1つ入れて混ぜる。塩コショウで味を付け、あとはグツグツと煮詰めていく。その間にスパゲティを少し硬めに茹でて、ほんの少し芯がある程度になったらお湯を切ってソースとあえる。仕上げにオリーブオイルをさっと回しかけて完成。
4月6日(日)
午前中はCS。まだ春休みということらしく、分級がないのであっというまに解散してしまう。昼前に帰宅して簡単に出金を入力。天気がいいので昼過ぎに部屋を出て、深川方面を散歩。ハイテク閻魔堂を見てから、深川江戸資料館の近くにある蕎麦屋であさり丼とビール。その後は清澄庭園と清澄公園を歩き、さらに高橋の商店街を抜けて文化センターへ。高橋商店街は田河水泡ゆかりの地ということで、「のらくろ」がキャラクターになっている。通りの名前も「のらくロード」。文化センターには田河水泡の資料コーナーもある。
帰りは清澄白河の駅から地下鉄で帰宅。少し昼寝してから、夕食は勝どきのデニーズで明太子スパゲティ。クイズの仕事がずいぶん楽になったせいで、土日はだいぶ時間に余裕が生まれるようになった。それでもまるで仕事から解放されるということではないのだけれど……。でも天気がいい時は、ちょっと近所を散歩するぐらいの余裕がほしいよなぁ。この日はとてもいい日曜日だった。桜も満開。風がなければもっとよかったんだけど。
4月7日(月)
試写の予定を取りやめにして、A社の原稿に本格的に取り掛かる。今週中に目鼻をつけておかないと、締め切りはもう来週なんだよなぁ。メルマガもやらねばならないのだが、これは後回し。
4月8日(火)
午前中はA社の原稿とメルマガの編集発行手続き。W誌から次号の原稿の候補作を出してくれといわれたので、公開スケジュールをチェックしながら、配給会社に5月公開作品の試写について問い合わせをする。
その中で配給をしている会社から「宣伝会社に問い合わせてください」と言われた作品がひとつあったのだが、宣伝会社に問い合わせたら「当社のリストに入っていない方には映画を観ていただけません」とつれない回答。一応こちらも雑誌で取り上げるという前提で問い合わせているのだが、それに対しては「取り上げてくだらなくて結構です」ときたもんだ!
まぁ作品によってはパブリシティ対象の媒体を選びたいとか、いろんな事情があるでしょう。問い合わせの電話を入れた段階で、こちらの名前すらろくすっぽきかないままぺらぺらと試写スケジュールを教えてくれる会社に比べれば、とりあえずこちらの名前と執筆媒体名ぐらいは問い合わせてくれたほうが、まともな仕事ぶりだとも思うのだ。でもこの宣伝会社は、こちらがどの媒体に取り上げるつもりだったのか、ただの一言も質問する前から「観ていただかなくて結構」「雑誌に取り上げてくださらなくてもいい」、さらには「雑誌に書いてほしくないんです」とまで言うのだから、これはどういう宣伝会社なんだ?と思ってしまったよ。これって配給会社の戦略として、こういう宣伝会社に業務を委託しているのかなぁ……。
じつはこの宣伝会社は、他の作品(今回と配給会社は同じ)でもやはり同じような対応をされたことがある。でもそれはどうも女性映画っぽくて、しかも単館公開規模だったから、こちらも「試写を観たとしても実際に書くかどうかわかんないし、まぁいいか」と思ったのだ。でも今回の映画は、全国公開作なんだよね。だったら幅広く、いろんな媒体に映画の告知をする必要があるんじゃないの? もちろんコアになる告知媒体というのはあって当然なんだけど、興味を持って問い合わせてきた媒体や記者に対してまで、門前払いを食らわせるのはいかがなもんでしょう。「雑誌に書いてほしくない」というのは、その映画を観客に観てほしくないと言っているのに等しいと思うのだけれど、宣伝会社って映画をより多くの観客に観てもらうようにするのが仕事じゃないのかなぁ……。と、映画宣伝には素人の僕は思ってます。この件については、腹が立つとか言う以前に、どうにも不思議な話だと思って首をひねるしかないね。
午後は映画美学校で『ぼくの伯父さん』を観る。ジャック・タチの代表作。前作『ぼくの伯父さんの休暇』のようにギャグばかりではなく、映画の中に文明批判のようなものが見え隠れするから、インテリはこちらのほうを好むのかも。僕はインテリではないので、『〜休暇』の方を好む。でも子供が出てくるシーンは、『ぼくの伯父さん』の方が面白いかも。自動車のバンパーを蹴飛ばしたり、揚げパンを買い食いしたり、通行人を口笛でからかったり。こういうイタズラ坊主たちの姿が、ちょっと素敵に思えたりする。俺もジジイになってきたのかな。少年時代への郷愁かねぇ。
試写が終わって外に出たら大雨。一度帰宅して近所のスーパーで買い物などを済ませ、大きな傘を持って出直し。TCCで『葉っぱのフレディ』の試写を観る。このベストセラー絵本はこれまでにも、森繁久彌がナレーションを担当したCDや、広末涼子がナレーションしたアニメ版などが作られているらしい。今回は監督が松山善三で、ナレーションが高峰秀子! デコちゃんもさすがに声がおばあちゃまになったなぁ。
4月9日(水)
1日中A社の仕事をする。今回は2つの原稿を引き受けたのだが、そのうち一方の3分の2ぐらいが終わった。記事の分量はそれほど多くないのだが、いちいち調べ物をしてから書くので面倒は面倒。でもわかっているつもりで使っている言葉や事柄を、改めて調べるといろいろな新発見があって面白い。こちらは大体の目鼻が付いたのだけれど、残り一方の原稿がほとんど手付かずなのが気になっている。締め切りは来週なんだけど、この週末でだいたい終わらせてしまわないとなぁ……。
WS誌から次号の原稿の候補作を求められていたのだが、これも試写を観る前からだいたいのアタリをつけてしまう。最近は新作映画の試写を観る機会が減ったなぁ。一昨年は年に600本位観たと思うけど、今年はその半分も観られるかどうかだと思う。
新作映画の紹介は食いっぱぐれがないのだけれど、そればかりでは仕事の幅が狭まってしまう。新規参入のライターも無数にいて、雑誌の新作紹介欄は過当競争気味なのだ。新作映画紹介以外の仕事も増やしていくのが、今後の課題なのかなぁ。映画を中心に、その周辺までいろいろと手を広げて行ければと思っているのだけれど、さてさてどうなることか。
4月10日(木)
朝からずっとA社の原稿を書く。2つ受けている現行のうち、ひとつはほぼ終了。あ〜疲れた。でもいろいろと勉強になるなぁ。
4月11日(金)
A社の原稿のひとつを入稿してしまう。たぶん直しの指示がだいぶ入ると思うけれど……。もう一方の仕事にかかろうとも思ったのだが、出だしでつまずいてなかなか先に進めない。気分転換のため夕方風呂に行ったら、今日は月に1度のお風呂の日で、入浴料が無料だった。あ〜、やっぱり広いお風呂はいいなぁ……。
部屋に戻ってもやはり仕事をする気になれず、DVDで『オール・ザット・ジャズ』
を観て寝てしまう。これはやっぱりすごい映画だと思った。テレビの洋画劇場で何度か観ているし、劇場でも1度観ているんだけど、ロイ・シャイダー扮する主人公の前で、アン・ラインキングが主人公の娘と一緒に踊るシーンの素晴らしさ! このシーン自体は『スタア誕生』
でヒロインが夫の前で踊るシーンを意識しているんだろうけどね。続けて『フォッシー』も観ようかと思ったんだけど、元気がないのでやめて寝た。
4月12日(土)
NW誌の原稿を書く。『シカゴ』にからめて、ボブ・フォッシーのお話。フォッシーの愛人がアン・ラインキングだったとか、彼女が「シカゴ」の復活上演に尽力したとか、まぁそういった、ファンなら「何をいまさら!」というような事柄。
日記の内容が少なからぬ反響を生んだようなので、あわててページを更新。(翌日分の記事は作っていたのだが、更新するのを忘れていた……。)A社の原稿に直しが幾つか入ったので、それについてこちらの意見を返信しておく。夜は作り置きしてあったトマトソースを使って、簡単にスパゲティの夕食。今回は前回ほど美味しくないなぁ。やっぱりツナ缶を入れるのがポイントかな。ソースのこくが違う。
4月13日(日)
午前中はCS。来週はイースターだから早起きしなくちゃなぁ……。午後は選挙の投票をした後、月島で外食。日曜日の昼間なんてほとんどどの店も開いてないだろうと思っていたら、思っていた以上にいろいろな店が開いているものなんだなぁ。これで昼間からお酒でも飲めれば万々歳なのだが、仕事もあるので食事だけして帰宅。でもそこから昼寝しちゃうんだから、どうしようもないね。
夜はテレビで石原知事再選のニュースと、田嶋陽子が神奈川知事選に落選したというニュースを見る。田嶋陽子はどうせなら東京都知事選に出ればよかったんだ。どうせ落選するんなら、東京で落選したほうがより注目を集めただろうし。
クイズの問題を作って入稿。クイズは本当に楽になったなぁ……。これはまったくありがたい。週末に昼寝できるのもクイズのおかげですな。まぁ本当は、今週は昼寝なんてしている暇ないんだけど。クイズの入稿後、A社原稿の手直しをして寝る。
4月14日(月)
試写の予定を全部潰してA社の原稿をやる。その前にメルマガの編集と発行手続き。今週は『シカゴ』こそ見ているものの、他の映画は何も観ていない。やっぱりメルマガの編集方針を、どこかで路線変更する必要があるかもなぁ。情報誌から上映スケジュールを写しているだけじゃしょうがないよ。
A社の原稿は一応一通り形にしたものの、どう仕上げていいのかまったく見当が付かない。ある程度形になったところで編集者に見せてしまうという方法もあるかなぁ。でも今の状態では、単に情報の羅列になっているだけだし……。締め切りは明日なので、ぎりぎりまで手を入れてからにしようかな。とりあえず明日の午前中まで。
試写もそろそろ何本かは観ておく必要があるので、いつまでも部屋にこもって原稿を書いているわけにも行かない。とりあえず明日は『魔界転生』を観なくちゃ。午前中仕事して、午後は試写を1本だけ観て帰宅し、また仕事かな。そんなこと考えているだけで、どんどん時間だけがたってしまう。
4月15日(火)
午前中にA社の残った原稿を、とりあえず編集者に送ってしまう。入稿というわけではなく、完成前に一度目を通してもらって意見を聞こうという段階。今日が締め切りなんだから、本当ならこの作業はもう少し前にやっておかなければならないんだけど……。
午後は東映で『魔界転生』。試写室には20分ほど前に到着したのだが、既に満員で僕は補助椅子で観る事になった。おしりが痛くて難儀しました。これなら立って観た方が体は楽だったかもしれない。
試写の後で銀行に立ち寄ってお金をおろしておく。教文館に立ち寄ってハンディ聖書の軽装判を買おうと思ったら、一部にミスプリントがあったため回収になり、今月中には新しいものが店頭に並ぶだろうとのこと。新しく出たアートバイブルが素敵なので、ハンディバイブルの新しい版が出たら一緒に買おうかな。
2本目の試写はUIPで『メイド・イン・マンハッタン』。これは文字通りのシンデレラストーリー。人物配置がまるっきり童話と同じになっている。王子さま、舞踏会、ガラスの靴、意地悪なお姉さまがた、最後はハッピーエンド。
少し雨が降っていたが、歩いて勝どきまで戻り、不動産屋で部屋の賃貸契約更新手続きをする。不動産屋と少し雑談してから、買い物して帰宅。買ってきた弁当で夕食を済ませ、AMAZONのリンクを探して、映画の感想もできるところまで書いておく。
4月16日(水)
A社原稿の直しについて編集者から若干の指示があったため、早速手を入れて再度メールで入稿。これでいいのかなぁ……。最終的にはもう少し手を入れることになると思うけれど。C誌の原稿も本来なら今日が締め切りなのだが、資料がまったく届かないので、とりあえず書ける所だけ書いて入稿。
午後はヘラルドでイラン映画『少女の髪どめ』。『運動靴と赤い金魚』のマジット・マジティ監督の新作で、『太陽は、僕の瞳』よりは僕の好み。でも『運動靴と〜』の感動が再現されることはない。あの作品だけ、どうやら特別だったみたいだ。2本目の試写を観ようと渋谷に移動したのだが、これが試写室間違いで(スケジュール帳に試写室の場所を間違えて記入していた)、ぽっかりと時間が空いてしまった。その場で試写スケジュールを再調整し(PDAはこういう作業が本当に楽!)、空いた時間に本屋に行ったり、カメラ屋を見たり。
先日映画版を観て気になっていた、とみ新蔵の「魔界転生」を購入。マンガを買うのは本当に久しぶりだったのだが、これはすごく面白い。魔物やモンスターと戦う正義のヒーローという路線ではなく、剣豪同士の真剣勝負をリアルに描いたチャンバラの面白さだ。だから映画では主役になる天草四郎や、山田忍法帖で主役になる女忍者のお色気忍法などは、とみ新蔵版ではあまり魅力のある存在として描かれない。盛り上がるのは、柳生十兵衛が同門の田宮坊太郎や、柳生如雲斎、荒木又右衛門、実父でもある柳生但馬守などと戦うシーンであり、中でも荒木又右衛門との決戦はなかなかの見せ場。クライマックスは宮本武蔵との決戦だ。映画版は天草四郎が最後の戦いの相手になってしまうため、魔界の剣士たちがそれより格下に見えてしまうという問題があると思う。それにしても、とみ新蔵の驚くべき画力。さすがに何十年も劇画の世界で食っているだけの年輪を感じさせる。女性の描き分けが少し苦手なようにも見受けるが、男性の面構えはすごい迫力。また着物の描き方や剣士たちの身体の動き、人馬一体となって疾走するスピード感など、まるで映画のような迫力なのだ。魔人たちが女たちを追って馬を疾走させるシーンは、『ロード・オブ・ザ・リング』のブラック・ライダーみたいでかっこいいとさえ感じる。
夕方からは松竹で『灰の記憶』。アウシュビッツで囚人たちが暴動を起こした実話を映画化した映画だが、豪華キャストにもかかわらずとにかく暗い。それに作りこみすぎてて、俳優が誰が誰だかよくわからなかったぞ。デイビッド・アークエットとスティーヴ・ブシェミ、ハーヴェイ・カイテルまではわかる。でもミラ・ソルヴィーノとナターシャ・リオンは不覚にもまったく気づかなかった。大きな役なんですけどね。
帰りにスーパーで買い物してから帰宅。C誌の原稿は前面書き直しになりそうだ。締め切りも延びたけど、これはちょっとツライなぁ。AMAZONのリンクを作って今日の作業はおしまい。
4月17日(木)
午前中に映画の感想を書いてしまう。午後は試写を3本。最初はUIPで『NARC ナーク』という刑事ドラマ。元潜入捜査官の男が、自分が仕事を離れた後に起きた潜入捜査官殺害事件を調べていく。ゴリゴリとした感触が心地よい男のドラマ。レイ・リオッタとジェイソン・パトリックの対決は見ごたえがある。
2本目はメディアボックスで『バンガー・シスターズ』。'60年代の終わりにグルーピーとしてロックスターたちを追い掛け回していたバンガー・シスターズが、その後それぞれの道を歩いて現代に再会するが……というお話。面白いのはキャスティング。スーザン・サランドンとゴールディ・ホーンは初共演だという。ホーンは娘のケイト・ハドソンが『あの頃ペニー・レインと』でグルーピーを演じており、今回の役はいわば娘が演じたペニー・レインがその後どうなったか……みたいなお話。途中まではなかなか面白いところもあるんだけど、この映画は途中から生ぬるい予定調和世界に入り込んでしまった。予定調和は嫌いじゃないけど、ここまでぬるいとちょっと白ける。
食事をしてから3本目は松竹で『アンダー・サスピション』。少女連続レイプ殺人の容疑者として、町の名士である弁護士が事情聴取される。温厚な紳士の顔の下にある、家庭不和や秘密の性癖。周囲がうらやむ夫婦の間にある、愛と憎しみが次第に明らかになってくる。ジーン・ハックマンとモーガン・フリーマンが製作総指揮と主演をかねているのだが、この映画のフリーマンはちょっと演じすぎだと思う。この役は「警察」という官僚機構の冷たさを、マシーンのような冷徹さで演じる必要がある。取調室にあるマジックミラーの役目を果たすのが、この刑事たちなのだ。刑事たちに分断された夫婦が、互いの疑心暗鬼を募らせていくというお話なんだろうね。
自転車移動だったので帰りは楽だった。でも今日は暑くて、ちょっと汗ばんでしまったよ。シャワーでも浴びてから寝ようかな。
4月18日(金)
6時過ぎに起きる。久々の早起き。今日は快調か。午前中に映画の感想を全部書く。午後はソニーで『ダブル・ビジョン』。う〜ん。面白いんだかつまらないんだか、どうにもよくわからない映画だなぁ。東洋版オカルト映画なんだけど、科学主義で行くのか、スーパーナチュラルで押し通すのか、その境目がうまくバランス取れないままあやふやになっていると思う。最後のおちも、ちょっと理解不能。
2本目は映画美学校で『春の惑い』。これは予告編の方がよくできているかも。いい映画だとは思う。だれるところもないし、緊迫感があるシーンもね。週末で疲れていたせいか、ちょっとウトウトするところもあった。
食事をしてからワーナーで『アニマトリックス』を観る。ここで全部観るなら、前回「ファイナル・フライト・オブ・オシリス」を観る必要なかったなぁ。でも今回はDVDでの上映だった。
試写の後は銀座一丁目の駅まで歩いて地下鉄で帰宅。途中の酒屋で缶ビール買ってのだが、店番をしていたおじいさんは、だいぶ耄碌してきたかなぁ……。
4月19日(土)
今週は久しぶりに試写をまとめて観たせいか、なんだかガックリと疲れている。仕事があまりはかどらないなぁ。
午前中は『たそがれ清兵衛』のDVD特典ディスクを観てすごす。これはかなり充実した内容。松竹も力が入っているなぁ。未公開シーンを見せながら、それがカットされた理由を関係者が語るという特典はこれまでもあったけれど、この映画はそうした解説を通して、山田洋次監督の映画作りの秘密に迫っていこうとする。単なる未公開映像集ではなく、そこに出演者のインタビューなどをからめているのもユニーク。特典としてNHKの「ハイビジョンスペシャル」が丸ごと収録されており、これがそのまま「メイキング・オブ・『たそがれ清兵衛』」になっている。素材の二次利用とはいえ、かなり見ごたえのある内容だ。
午後は映画の感想を書いたり、まぁいろいろ。でも疲れているせいか、あまり仕事がはかどらない。 どうやら昨日歩きすぎたようで、足首からふくらはぎあたりがだるくて……。昨日は仕事場の佃島から、築地、京橋、内幸町、銀座一丁目まで歩いている。距離的にはたいしたことないんだけれど、薄いゴム底の靴でコンクリートの道を歩き続けるのはかなり足に負担がかかるのかもしれない。歩くなら歩くで、それなりの足ごしらえをしたほうがいいのかも。普段履いている靴ももうだいぶくたびれているので、この春に何足か新しい靴を買おうかな。
4月20日(日)
普段の日曜より早起きして、イースターの礼拝に出席。天気が悪かったので例年の日比谷公園ではなく、今日は礼拝堂でのイースター礼拝となった。礼拝の後は食事。帰宅は10時ごろ。すぐ近くにできた新しいスーパーは朝市ですごい混雑。普段それほど買い物をするわけでもないので、高いのか安いのかよくわからない。特に生鮮食料品の値段については、僕は皆目よくわからないなぁ。特に今はオープン間もないので、「普段の値段」がわからない。しばらくして落ち着いてしまえば、案外値段はどこも似たようなものになるのかも。
昼前から床屋に出かけて髪を短く刈る。あ〜、すっきり。例のスーパーで弁当を買って帰宅したのだが、朝と違ってそれほど混雑しているようには見えなかった。もっとも以前の生協のときはガラガラだったから、それに比べりゃたいしたものだけれどね。
今日から選挙が告示になって、通りは選挙カーが大音響でよろしくよろしくと言いながら通っていく。でもこの程度の賑やかさがないと、選挙という感じがしない。都知事選挙なんて、いつの間にか終わっていたものなぁ。
午後はもっぱらクイズ製作をして過ごす。これは完成させて入稿してしまう。他に単発で依頼を受けた原稿の準備。さらにC誌の原稿の準備。T社の原稿の入稿。メルマガの記事作り。なんだかんだで、日曜日も忙しいのだ。
4月21日(月)
午前中はC誌の原稿を書いていた。午後は最初の試写をキャンセルして、3時半から松竹で『エニグマ』の試写を観る。期待していたんだけど、どうも話が未整理だと思う。純粋に暗号解読の話にすればわかりやすいのだが、それに失踪した美女の謎や、カチンの森の虐殺事件、主人公たちのロマンスなどをからめて、どれもが中途半端に終わってしまったように思う。欲張りすぎてダメになってしまったなぁ。これはプロデューサーの問題かも。ということは、ミック・ジャガーが悪いのか?
この映画は以前に日記に書いたすごく態度が横柄な宣伝会社の担当作品なのだが、今回は入場に際して特にトラブルはなかった。(まぁ次の機会にどうなるかはわからないけどね。)一応ダメな場合に備えて、別の試写室に回れる準備もしていたし、じつはそっちの方が面白そうだったりしたんだけどね。
試写の後で教文館に立ち寄ったのだが、紙装版のハンディバイブルはまだ入荷していなかった。今橋牧師の教会暦についての本も面白そうなので、ハンディバイブルを購入する際には、アートバイブルと一緒に購入しようと思う。でも今回は買わない。別にあわてて買う必要もないしね。アートバイブルはちょっと値段が張るけど、プレゼントなどにはいいかもしれない。フルカラーだし、それほど割高な感じもしない。ハンディバイブルもアートバイブルも(今のところ)AMAZONでは取り扱っていないようなので、興味のある人はキリスト教書店か聖書協会のHPを見てください。アートバイブルは聖書画(キリスト教絵画)の全集に聖書の抜粋が載っているような感じで、ぱらぱら見ているだけもすごくきれい。美術館や美術書で見慣れた絵の背景に、どんな物語があるのかわかります。ただしこの本、振り仮名が付いてないのであまり小さな子供には無理だなぁ。中学生以上なら問題なく読めると思いますけどね。
食事してからビックカメラに立ち寄り、お酒を買って帰ってくる。あ〜、なんだか疲れた。C誌に入稿した原稿にダメだし。修正して再入稿。
4月22日(火)
ゴールデンウィーク進行で原稿の締め切りが軒並み今週に重なっている。普段だと月末から月頭あたりが締め切りになる仕事も、すべて今週が締め切り。こうして繰り上がってくる締め切りもあれば、普段と同じレギュラーの仕事もあるので、今週は先週に負けず劣らず締め切りラッシュになっている。そんなわけで、今週も映画の試写にはなかなか足を運べない。メルマガの編集作業も滞ってしまい、これは発行を少し遅らせることになりそうだ。あ〜あ。
飛込みで入ってきた韓国誌の仕事をする。韓国のコンビニで販売する雑誌に、日本の映画の情報を紹介するというもの。まぁこれは今回限りかなぁ……。でも今回のこの仕事が、僕の国際的なデビューということですね。(それほど大げさなものでもないけど。)
4月23日(水)
メルマガの発行日なのにまだ編集作業が終わっておらず、午前中にせっせとメルマガの編集をする。昨夜からパソコンの調子が悪く、インターネットエキスプローラーが何度もフリーズ。ウィルスの心配もしたのだが、チェックするとどうも関係ないみたい。この日は午前中からエクセルの調子まで悪くなり、オフィスのアップデートをしたりする。そうしたら今度は、タッチパット用のデバイスドライバーをマウス用のものに上書きされるなど、なんだかめちゃくちゃ。現状復帰するのに、えらく時間がかかってしまった。なんだかよくわからないけれど、パソコンを再起動しようとするとき、終了できないソフトがひとつあり、これを起動しないように設定しなおしたら正常に戻った。これだからパソコンはなぁ……。
午後は試写に出るのをやめて、部屋でNW誌の原稿を書いて入稿してしまう。なんだか毎日、何かしらの締め切りがあるなぁ。悪いことじゃないけど、映画が観られなくなるのではあべこべという気もする。将来的に、仕事をどういう風に組み立てていくかを考えないと。まぁ数年前のように、公開される映画をほとんど試写で観てしまうというのは明らかに極端ではあるのだけれど、普通に週4〜5本の映画が観られるようになりたいよなぁ。サラリーマン時代だってそのぐらい観てたわけだし。ああ、映画テレビ技術協会の会員証を、早く更新しなくては。もうゴールデンウィークには間に合わないなぁ。(写真は用意してあるんだけど。)
4月24日(木)
午前中にNW誌の原稿を半分ぐらい書く。コラムを書くときはいろいろと調べものをするので、今回もそれだけでかなり時間を使ってしまい、原稿が完成する前に時間切れ。午後は試写を2本。まずは渋谷のシネカノン試写室でカレル・ゼマンのアニメを3本。短編『クリスマスの夢』は『トイ・ストーリー』の実写版みたいで楽しい。同じく短編『水玉の幻想』はガラス細工を使ったアニメーション。これは原型になったガラス細工を作った人の技術がすごいのかも。ガラス細工のバレリーナが踊るのだ。長編『クラバート』は原作のどんよりと暗い雰囲気がよく出ていて面白かった。
銀座でもう1本観ようと思ったのだが、途中で本屋に立ち寄ったら間に合わなくなってしまった。最近あまり試写に出かけていないせいか、移動時間の計算が甘くなってしまったよ。空き時間ができたので銀座の教文館で買い物。ハンディバイブル(続編付)の紙装版、アートバイブル、
今橋朗著「よくわかるキリスト教の暦」を購入。ハンディバイブルは以前から欲しかったんだけど、そもそも横組み2段に通常聖書の2ページ分を押し込むという発想が安っぽくて嫌だった。今回の紙装版は、ペーパーバックスタイルになって気軽に取り扱いができそうだし、今までに出ていたビニールクロスの版よりオマケ(索引や解説)が多い。これで聖書の通読に再チャレンジしようと思っている。ちなみに調べものをするためには、Jnetバイブルというのを購入した。これは電子テキストなので、検索がすごく便利。日本聖書協会のホームページから機能制限版をダウンロードし、代金を送金することで解除キーを得る方式。値段は1,050円。これで続編まで付いたテキストがすべて入手できるのだから、安いと思う。あとはこのテキストをCLIEに取り込めればベスト。おそらく方法はあると思う。
山野楽器のDVD売場を見る。何か買い物をしようというわけでもないのだけれど、店内は平台がずいぶん減ってスッキリしたレイアウトになっていた。これはもう、店頭に在庫をたくさん置かなくなったということだろうか。売れ筋商品の棚があり、廉価版DVDの棚があり、あとはちょぼちょぼかな。まぁ山野楽器程度の店舗面積では、それほどたくさんの商品が置けないということかもしれないけれど。DVDに関しては、完全に通販商品になりつつあるのかもしれない。何しろタイトル数が多すぎる。通販の方が安いしね。この日発売された『ハリー・ポッターと秘密の部屋(特別版)』なんて、AMAZONだと20%引きでしかも送料無料。発売日には全国発送される。これなんてたいがいの小売店より安いような気がするよ。
有楽町の三省堂書店を少し見て回ったんだけど、コミックや文庫本もタイトル数が多くてそれぞれがそんなに売れるものではないという意味で、通販向けの商品になっているのかもしれない。AMAZONだと1,500円以上買えば送料無料だから、コミックや文庫本もまとめて3冊ぐらい買えば送料がかからなくなる。
夕方から映画美学校でアレックス・コックスの新作『リベンジャーズ・トラジディ』。シェイクスピアと同時代の劇作家トーマス・ミドルトン(シェイクスピアの共作者でもあるらしい)の同名戯曲を、近未来のリヴァプールを舞台に移して映画化したもの。古典戯曲とモダンな世界という組み合わせは、バズ・ラーマン監督の『ロミオ+ジュリエット』などに近い。台詞も舞台劇の台詞回しをかなり生かしているみたいだ。最初はかなり違和感を感じるけれど、途中からはすっかりこの台詞のリズムに引き込まれてしまう。
ニュースを見ると最近は常にトップニュースがSARSの話題。感染地区を強制隔離するなんて話を聞くと、これは現代のペストだなぁと思う。治療法がない、感染経路がわからないという点で、確かに恐い病気ではあるんだろう。ウィルスは確定されても、そこからすぐに治療法が見つかるわけではないことは、エイズの例を見ればよくわかること。死亡率は当初3%ぐらいと言っていたけれど、最近は5%ぐらいにあがっている。香港あたりでは致死率の高い変種ウィルスも出たんじゃないかと言われている。そうなればさらに死亡率は上がるだろう。これは戦争や北朝鮮問題以上に大問題。日本でもいずれは患者が増えて、社会問題化すると思う。
4月25日(金)
午前中からせっせと仕事。昨日書きかけだったNW誌の仕事を済ませてしまい、携帯向けコンテンツの原稿と一緒に入稿。映画の感想文はまったく書けないまま、午後の試写は3時半からGAGAで2本立て。
まずはジェームズ・スペイダーとマギー・ギレンホール主演のちょっと変わった恋愛ドラマ『セクレタリー』。これは何というか……。やはりラブコメディの範疇に入る作品なんでしょうなぁ。自傷癖のある女性が就職先の弁護士事務所でサドっ気のあるボスに出会う。互いに自分たちの性癖を理解し欲望を満たしてくれる相手に出会えたと思いながらも、そのままうまくカップルになれないのがラブコメたるゆえんでして……。最後はハッピーエンド。なかなか人を食ったエンディングに、思わずニヤリとし、心が晴れ晴れとする作品。
2本目は6時から同じ試写室でSF映画『ザ・コア』。2時間を超える大作で、テーマは地球滅亡。予告編の映像がすごかったので期待していたのだが、これが映画秘宝的な言い方をすれば「底抜け超大作」でして……。まぁ映画の内容そのものが文字通り「底抜け」なので、こうなってしまうのも仕方なかったのかもしれないけどね。大ヒット作『アルマゲドン』の地底版というコンセプトはわかるけど、あまりにもご都合主義が目立つ脚本には粘りも引っかかりも何もない。巨大なところてんのように、後ろから押されて前にニョロニョロとはみ出ていくだけで何の芸もない。『マトリックス
リローデッド』の対抗馬としては、あまりにも非力だ。
4月26日(土)
仕事に一区切り付いて、身も心も油断のきわみにある1日。何しろ映画の感想文をまったく書いていない。もう4本分もたまっているんですけどね。どこかで「こんなの3時間ぐらいで片付くじゃん!」と舐めているところがあるなぁ。
昼過ぎに新宿に出て遅めの昼食をとり、その後は本屋を何件か見て回る。池澤夏樹の「憲法なんて知らないよ―というキミのための日本の憲法」を見つけたので、池田香代子とC.ダグラス・ラミスの「やさしいことばで日本国憲法」と一緒に中身をパラパラと検分。どちらも英文の日本国憲法から、新たに日本語訳しなおしたという本。池澤版は全文訳で、池田版は抜粋訳になっている。誰でも知っていることだけれど、憲法の草案は戦後の占領軍によって英語で書かれている。それを翻訳して多少の修正を加えたものが、現在の日本国憲法。もちろんこれは最終的に再度英訳して占領軍の承認を受けている。その上で国会承認された現行の日本国憲法は、原文が英語だったと言ったっていいくらいなのだ。
ここ何年か政治の場でもおおっぴらに「改憲」が論じられるようになっているけれど、その前に50年前の憲法を「改訳」した方がいいのではないかと僕は思っている。現行の憲法条文は、あまりにも文章が回りくどくって、とてもじゃないけど僕の日本語力では理解しかねます。これは英語の草案を日本語訳する段階で、いかにも翻訳調の日本語になってしまったからだと思う。その回りくどい翻訳調の上に、ありとあらゆる憲法論議が乗っかっている。憲法を一度スッキリと訳しなおす事で、もうちょっとましな憲法議論なり改憲論議がスタートするんじゃないかというのが僕の考え。だから英文憲法から再度日本語訳を組み立てなおそうという池田・池澤両名の試みに僕は注目していたりするんだよね。まぁ本屋で立ち読みしただけの印象では、池田訳は原文の言わんとしていることを伝えようとするあまり、かなり「超訳」に近いものになっていると思う。また池澤訳の日本語は、僕にはちょっと受け入れられないくらい著者本人のクセが強すぎる。
憲法を改訳する(新訳する)というコンセプト自体は面白いと思うので、今後もこうした試みが何度も行われるといいと思う。どうやら池田・池澤両氏は基本的に護憲派の立場のようだけれど、では改憲論者が日本語訳をやり直したらどうなるのか。例えば石原慎太郎が憲法前文や憲法第9条を訳したら、どんなものをこしらえるだろうか。いっそ憲法記念日に読売・朝日・毎日・産経の各新聞社が、それぞれの新聞社なりの改訳試案を発表したりすると面白いと思うんですけどね。
なお2冊の憲法本はAMAZONで注文することにした。読み終わったら、また感想を日記に書くかもしれない。
4月27日(日)
午前中はCS。午後は買い物してからスパゲティを作って食べ、少し(だいぶ?)昼寝してから買ってきたフキを茹で、選挙に行って、商店街をぶらついてから戻ってきた。本当は図書館に行って予約した本を取って来ようと思ったのだが、日曜日は5時で閉館だそうで、今日は出かけたのが遅すぎた。普段は夜7時までやってるので、日曜も同じだとばかり思っていて……。図書館は月曜休館なのに加え、今週は火曜日が祝日になってこの日も休館。そんなわけで、次に行くとしたら水曜日だなぁ。
夜になってようやく映画の感想を書くなどたまった作業をやり始めたのだが、どう考えてもこれらが月曜日に終わるはずがない。そんなわけで、明日はどうしようかなぁ。
4月28日(月)
午前中に映画の感想を書いてしまい、メルマガの編集発行も済ませてしまう。今週は公開映画が少ないので、作業が手っ取り早く済む。
午後は試写2本。まずはアミューズ試写室で『ブロンドと柩の謎』。新聞王ウィリアム・ランドルフ・ハースト所有の豪華ヨットで、プロデューサーのトマス・インスが変死した「オネイダ号事件」の映画化。マリオン・デイヴィスをキルスティン・ダンストが演じている。オープニングがアル・ジョルスンの歌う「アヴァロン」(ただしこれは戦後録音版で、劇中で流れるのは当時のオリジナル録音)。エンディングにはキルスティン・ダンスト本人が歌う「アフター・ユーヴ・ゴーン」の後、再度アル・ジョルスンが登場して「カリフォルニア・ヒア・アイ・カム」。もうこれだけで、僕はこの映画が大好きになる。アル・ジョルスン大好き!
2本目としてギャガで『エデンより彼方に』を観ようとしたら、5分前到着で試写室満席で入れず。仕方ないので本屋などで時間をつなぎ、6時からまたギャガに戻って『ムーンライト・マイル』を観る。バーで働く若い女を演じたエレン・ポンペオが素敵。映画自体はちょっと薄味かなぁ。
4月29日(火・みどりの日)
みどりの日なんて言われてもよくわからないのだが、要するに元「天皇誕生日」のことである。こんなことなら最初から「昭和の日」とでもしておけばいいのに、なんだってこういう意味のない祝日名を付けるのかなぁ。皇室がらみの祝日を、いちいち他の呼び名に改めるのは、かえって日本の文化や伝統の軽視ではあるまいか。新嘗祭が「勤労感謝の日」になるのはまだわかる。もともと新嘗祭は収穫に感謝するお祭だもんね。紀元節を「建国記念の日」にしたのも許せる。「海の記念日」が「海の日」になるのもわかる。でも明治天皇の誕生日が「文化の日」になると、もうわからない。しかしもっとわからないのは、1月と10月の第2月曜日になった「成人の日」と「体育の日」だろうなぁ。成人の日は小正月(1月15日)の地方行事が起源で、体育の日は東京オリンピックの開会式(10月10日)が起源なんだけど、こうして移動祝祭日になってしまうとそうした起源が消えうせてしまう。もっとも今じゃほとんどの日本人が「敬老の日」の起源を知らないわけだし、祝日の起源なんてものはどうでもいいのかも。
午前中にたまっていたメールの返事を書いて、午後は少し昼寝。夕方から映画の感想を書きながら、古いパソコンの初期化作業。
4月30日(水)
午前中に映画の感想を書き、図書館で予約している本を受け取り、買い物をしてから帰宅。図書館で借りてきたのは、「やさしいことばで日本国憲法」、「痛快!憲法学」、「日本人のための宗教原論〜あなたを宗教はどう助けてくれるのか」の3冊。
午後はGAGAで2本。ただし途中で時間が空いたので、また本屋で時間を潰していた。まず1時から『NOVO』。『メメント』と同じ記憶障害を持つ男の物語。ちょっと僕には難しかった。面白い映画だとは思うけど、ちょっと小粒な印象が残る。ヒロインはかわいいけどね。僕好みの美女。時間を潰して6時から『ベアーズ・キス』。民話風のファンタジー。熊と少女の恋物語。動物と人間が恋人や夫婦になってしまうという話は、キリスト教が排斥してしまったものだなぁ。でもこうしてどっこい生き残っている。どこか懐かしい。
AMAZONのギフト券がようやく届いたので、早速「黒澤明
: THE MASTERWORKS 3 DVD BOXSET」を購入。これでDVD発売された黒澤映画はすべて手に入れたことになる。まぁ買っても観ないんだけどね。ただし東宝の黒澤DVDは特典が非常に充実している。20〜40分のドキュメンタリー番組なのだが、これは黒澤ファンなら必見だ。このためだけにDVDを購入してもいいと思うぐらい。東宝も力を入れているのがひしひしと伝わってくる。残念なのはこうした特典映像について、あまりメディアが紹介していないことだ。AMAZONのカスタマーレビューも、映画の内容紹介ばかり。まぁあのレビューを書いている人たちのほとんどは、DVDなんて買っちゃいないんだろうけどね。(DVDが発売になる前にカスタマーレビューを書く人も多いしなぁ。それって映画を観たってだけで、DVDのカスタマーじゃないじゃん!)
小室直樹の「痛快!憲法学」を読んでいる。ヨーロッパの議会制民主主義誕生の歴史から憲法について語っていくというのは面白いと思うのだけれど、民主主義も議会も憲法もすべてカルバン主義の「予定説」と結び付けて解釈してしまうのは、ちょっと乱暴な気もする。宗教改革でルターらがとなえた「万人祭司説」によってカトリックの階位制が廃止され、「神の前ではすべての人間が平等」という概念が生まれたことや、改革派教会の「長老制」という教会運営システムについてはあまり語らず、すべてを「予定説です!」で済ませてしまうのはなぁ……。議会制民主主義や近代資本主義の発達にプロテスタントが果たした役割が大きいのは確かなのかもしれないけれど、だからといってカトリックに比べてプロテスタントの方が宗教として優れているわけではないし、キリスト教の教義として正しいわけでもないのだけれど、どうもこの著者はカトリックを軽んじているような気もするなぁ……。同じ著者の「日本人のための宗教原論〜あなたを宗教はどう助けてくれるのか」を読めば、もうちょっといろんなことがわかるかな。