2003年5月の出来事


5月1日(木)
 午前中に映画の感想を少し書いて、午後は試写を2本。1時からの試写を観ようと思ったら、これがスケジュールの組み間違い。時間を間違えていたので、試写室には誰もいなかった。あれまぁ……。仕方ないので本屋で時間を潰して、3時半に六本木のGAGAで『スティール』の試写からスタート。Xスポーツと強盗を組み合わせたアイデアは面白いと思った。殺し屋牧師が最高におかしい! 途中でちょっとだれるところもあるけれど、全体としてはとても楽しく観ることができた。ナターシャ・ヘンストリッジは相変わらずお美しい! 軽く食事をして、6時からはTCCで『アメリカン・アウトロー』。西部の無法者ジェシー・ジェームズを主人公にしたウェスタン映画。ジェシーの強盗行脚を、鉄道会社への復讐としているところが新機軸なのかな。最後がハッピーエンドになっているのが、どうもなぁ……。兄のフランクに、ジェシーの最後を語らせてもよかったように思う。ちょっときれいごと過ぎるように思う。
 夜はK社の担当者と、今後の仕事の話をしながら食事をする。せっかく一緒に仕事をしているので、今年中にもうひとつかふたつ、レギュラーの仕事がほしいなぁと思っている。もっともそのためには、企画を立ち上げなければならない。これが思案のしどころだ。いくつかアイデアはあるのだけれど、実現させるににはコネとタイミングがねぇ……。
【楽天市場】DVD市場 黒澤明のDVDが届いているかと思ったら、まだ少し時間がかかるようだ。一応これで黒澤映画についてはすべてDVDを買ったわけだけれど、5月に発売される「黒澤明 創造の軌跡 黒澤明ザ・マスターワークス補完映像集」をどこで購入しようか現在思案中。AMAZONだと現在定価での予約受付中なのだが、 楽天市場 だとそれよりだいぶ安いんだよなぁ……。送料を払っても楽天で購入したほうが安ければ、楽天を利用するほうがいいのかも。ただしAMAZONだとギフト券が使えるので、現金の支出がないという事情もある。でもこれはこれで、また別の機会に使えるかもしれない。映画瓦版では主としてAMAZONへのリンクを作っているけれど、僕自身はAMAZON楽天 を使い分けて、より安いほうで購入するようにしている。DVDをまとめて何枚か購入すると、それだけで場合によっては数千円の違いが出る。
 小室直樹の「痛快!憲法学」を読んでいる。ヨーロッパの議会制民主主義誕生の歴史から憲法について語っていくというのは面白いと思うのだけれど、民主主義も議会も憲法もすべてカルバン主義の「予定説」と結び付けて解釈してしまうのは、ちょっと乱暴な気もする。宗教改革でルターらがとなえた「万人祭司説」によってカトリックの階位制が廃止され、「神の前ではすべての人間が平等」という概念が生まれたことや、改革派教会の「長老制」という教会運営システムについてはあまり語らず、すべてを「予定説です!」で済ませてしまうのはなぁ……。(カルバン主義でも「予定説」と「自由意思論」はカードの裏表のように一体になっているのだけれど、小室氏は「自由意思論」については一切何も語らず、カルバン主義は予定説一本槍のような書き方をしている。)議会制民主主義や近代資本主義の発達にプロテスタントが果たした役割が大きいのは確かなのかもしれないけれど、だからといってカトリックに比べてプロテスタントの方が宗教として優れているわけではないし、キリスト教の教義として正しいわけでもないのだけれど、どうもこの著者はカトリックを軽んじているような気もするなぁ……。同じ著者の「日本人のための宗教原論〜あなたを宗教はどう助けてくれるのか」を読めば、もうちょっといろんなことがわかるかな。

楽天で探す
楽天市場

5月2日(金)
 映画の感想を書いたり、まぁいろいろ。昼ごろにAMAZONから「黒澤明 : THE MASTERWORKS 3 DVD BOXSET」が届き、早速『乱』『隠し砦の三悪人』の特典映像を見て楽しむ。夕方からGAGAの試写室で『二重スパイ』の試写。試写室が満杯状態で、僕は最後の最後にようやく試写室に入り込めた。最後のひとりという枠が、僕に回ってきたんだけど、これはラッキーだったなぁ。映画もすごく面白かった。ベタベタしたところがないのがいい。すごくストイックなのだ。
 楽天市場のアフィリエイトにも参加してみようと思って、とりあえず小さなバナーやリンクをページのあちこちにペタペタ貼り付けている。近日中にもうちょっとまとまったページを作って、読者がDVDや書籍の購入をより安く、早く入手できるように便宜をはかりたいと思っている。僕は書籍に関しては全部AMAZONを使っているのだけれど(一部キリスト教系書籍など入手不困難なものは除く)、DVDに関しては楽天市場を利用することも多い。値引率がショップによって違うので、商品代金に送料を加えても、場合によってはAMAZONより楽天の方が安い場合があるのだ。僕がよく利用しているのはいーでじ!!シネマというショップ。(左にあるのがそのリンク。商品名を検索して他のサイトと値段を比較してみてください。)AMAZONで定価売りになっているDVDをここで何枚かまとめ買いすると、送料を支払っても少しお徳になることがある。DVD購入に関しては、支払いをカードにするか、代引きにするか、振込みにするか(その場合は振込先の口座がどこか)によっても、支払い金額に大きな違いが出てくる。単純に「安けりゃいい」というわけでもない。1,500円のDVDを1枚だけ買いたいということなら、割り引いて1,350円で売っているショップに送料を払うより、AMAZONでそのまま購入したほうが安いとは思うけどね。

5月3日(土・憲法記念日)
 午前中に映画の感想を書き、入稿すべき原稿を入稿し、その他いろいろな細かな作業を済ませてしまう。午後は築地の場外市場に行き、波除神社を少し見て回る。夕方帰宅し、「黒澤明 : THE MASTERWORKS 3 DVD BOXSET」『天国と地獄』『生きる』の特典映像を観る。夜はクイズを少しやる。
 楽天のバナーをこのページに付けてみたが、おそらくあまり広告効果はないんだろうなぁ……。最近は本当に広告のクリック数が落ちてるんだよね。だからAMAZONのように個別の商品リンクの方がいい。個々の商品の値段は楽天の方が安いと思うけれど、楽天はあるタイトルの商品にリンクをかけようとすると、その商品を扱っているショップの中の商品にリンクを作らなければならないようだ。これだとリンク切れの心配があるので、やはり個別のリンクについてはAMAZONを利用することになると思う。結局は利用者が、AMAZONの値段と他のショップの値段を比較して、自分で納得できる買い物をするしかないのかな。

5月4日(日)
 午前中はCS。帰り道にビックカメラに寄り道して、デジカメで撮影した画像のインデックスプリントを作る。築地に立ち寄ってから帰宅。
 クイズの原稿など作って時間を費やし、夕方近くなってからスパゲティを作って食べる。トマトソースに茄子とシイタケを入れたもの。まぁいつもどおりの味。つまり美味しいということ。食後に近所を散歩。晴海まで行って帰ってきた。

5月5日(月・こどもの日)
 連休最終日。とはいっても、僕はいつもどおりに仕事をしているので、あまり連休という気はしないけど……。昼食にレバニラ炒めを作り、昼間からビール。まぁ休みだし、この程度のことはいいだろう。午後は浅草に行ってみた。地下鉄で大門に出て、日之出桟橋から水上バスで浅草へ。人が多かった。浅草には人力車がたくさん走っていた。夕方にビアホールで一杯飲んでから帰宅。これで連休はおしまい。

5月6日(火)
 午前中にクイズを作って入稿。メルマガの編集も途中まで。午後は試写に出かけたのだが、時間を間違えていて少し時間があいてしまった。この間に銀座のABCで靴を購入。それまで履いていたのが少し窮屈だったので、早速履き替えてしまう。
 3時半から東映で『すてごろ』。梶原一騎と真樹日佐夫の兄弟を、奥田瑛二と哀川翔が演じている。原作者の真樹日佐夫が、大山倍達の役で出演しているのも見もの。これがすごい迫力だった。
 食事をしてから2本目は映画美学校で木下ほうかが監督した『17才』という女子高生映画。ときどきキラリと輝くシーンがあって、観ていて切ない気持ちにさせられてしまった。
 小室直樹の「痛快!憲法学」を読了。かなり強引なところもあるけれど、議会制民主主義や憲法がヨーロッパでいかにして成立し、どのような形で日本に輸入されたのかという歴史を学べる本。ただし「予定説」の話に象徴されるように、記述や論の進め方に偏りがある感は否めない。続けて
 これに続けて池田香代子訳の「やさしいことばで日本国憲法」も読んだが、これは条文の日本語訳が内容的に正しいかどうか以前に、訳文の日本語が僕の生理に受け付けないシロモノだ。英文の「We, the Japanese people」を、「日本のわたしたちは」と訳してしまうセンスが僕には我慢ならない。「わたしたちは、確認します」「わたしたちは、信じます」「日本のわたしたちは、誓います」「わたしたちは、心からもとめます」のように、英語の文章のつくりをそのまま日本語に移植した倒置法的な物言いが多いのもひどく気になる。もうちょっとこなれた日本語にしないと、日本語の文章としてはひどく見苦しいものになる。
 監修のC.ダグラス・ラミスが述べているように、正確に言うとこの本は憲法の新訳ではない。ラミスいわく、これは『日本語版英語版、双方をもとに、憲法をわかりやすいことばで書き直したもの』なのだ。だから新訳の憲法条文が、英語の条文を「超訳」してしまっている部分もある。まぁ僕は英語の成績が昔から悪かったので、訳文についての正否は判断できない。訳文がひどい日本語だとは思うけれど、まぁその程度だな。
 ところでこの本の著者である池田香代子やC.ダグラス・ラミスの前書きや解説には、憲法の成立について大きな欺瞞があると思う。それはこの憲法が『日本人とアメリカ人が知恵を出しあい、力をあわせてつくった』(池田)と、その成立が肯定的に評価されている点だ。ラミスなどはご丁寧に『憲法の条文には、もともとGHQのスタッフによって書かれ、日本語に翻訳されたものが多い』と断った上で、『英語からの翻訳作業中に書き直されたものも多く、初めに日本語で書かれ、英語に訳されたものもある』と、やはり日本国憲法がアメリカ人と日本人の対等な共同作業で作られたように説明してしまう。実態はどうであったかといえば、憲法の草案はアメリカ人のスタッフが1週間で作り、それを日本側と協議しながら修正し、最終的にはアメリカ側の同意を得て成立している。これを共同作業と言うのなら、まぁそういうことなのでしょうけれど……。
 こうした「詭弁」としか言いようのない物言いをせざるを得ないというところが、そもそも日本国憲法のウイークポイントなのかもしれない。世の中に出回っているどんな憲法の解説書も、このあたりについては詭弁と強弁と開き直りの言葉が並んでいる。

5月7日(水)
 午前中一杯かけてメルマガの編集と発行手続き。なんだか疲れていて効率が悪い。午後はソニーでスティーブン・セガール主演の『撃鉄/ワルシャワの標的』を観たが、映画の出来がまずいせいもあって、ひどく眠い。この映画、話がまったくちんぷんかんぷん。どう考えても無駄に話が入り組んでいるのだ。脚本段階でもうちょっと話を整理しておけばいいのに。監督の演出もだらだら。カメラワークに不可解なものがあり、それがまた観客を不必要に幻惑するという珍品。なぜこんな映画が作られてしまったのか不思議。
 一度築地に立ち寄ってから、有楽町の日劇2で『クレヨンしんちゃん/嵐を呼ぶ栄光のヤキニクロード』を観た。過去の何作かに比べて、だいぶレベルが落ちる。タイトルには「焼肉」が入っているけれど、特に焼肉にこだわる必要もないんじゃないの? 春日部から熱海までの移動には物理的な困難があるし、そもそも熱海を舞台にする必然性もない。『地獄の黙示録』のパロディも、ちょっと上滑りしていると思うなぁ。監督が変わったので心配していたんだけど、「やっぱり……」という感じだなぁ。
 ところでこの日、映画館の窓口で「銀座・シネマポイントカード」というのをもらった。劇場窓口でチケット(当日券か前売り券)を購入するたびにスタンプを押し、これが3つたまるとソフトドリンク1杯サービス、6つためると入場料が1回無料になる。GWの4月25日から始まって、来年の3月31日までがキャンペーン期間。対象劇場は銀座・有楽町・東銀座地区のほぼすべての劇場。シネコンに押されて客足が落ちている銀座の劇場が、何らかの工夫を始めたということなのかな。でもこういう工夫は大歓迎。
 映画の後、築地の焼鳥屋「鳥芳」へ。ここは美味かった。久しぶりに美味しい焼鳥を食べた。ただし値段はちょっと高目かも。

5月8日(木)
 作業が遅れ気味なので今日は試写を休んで自宅で作業。雨だから外出したくなかったとか、そういうつもりは毛頭ないんだけれど、結果としてはそういうことになったのかも。昼間はやけに蒸し暑くて参った。じっとしていても汗がじっとりと浮き上がってくる。
 小室直樹の「日本人のための宗教原論―あなたを宗教はどう助けてくれるのか」を読んでいるのだが、こんな本の評価が高いのはどういうわけだ? ネットであちこち見て回ったんだけれど、この本の誤りやいい加減さを指摘している人がほとんど見当たらない。どうやらこの著者の宗教理解というのは、マックス・ヴェーバーの「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」をよりどころにしたもののようだが、ヴェーバー経由でのみキリスト教を理解したつもりになっているのは問題なのではないだろうか。著者によればカトリックは腐敗堕落したキリスト教なのでルターが宗教改革を起こしたが、ルターの改革も中途半端だったのでカルヴァンの方が偉いとうことになる。そして著者が言うには、カルヴァンの「予定説」こそがキリスト教の本質であり、キリスト教の特徴は生活規範が皆無であることだという。なんだかかなり強引なキリスト教史や教理の解釈だが、ヴェーバーがこんなことを言ってるんでしょうかね? しょうがないから、僕はヴェーバーの「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」を購入することにしたよ。僕が思うに、これは小室流のヴェーバー曲解じゃないのかね?
 小室氏は聖書もかなりいい加減に読んでいるようで、間違ったことを堂々と書いている。読者は彼が紹介する「聖書にはこんなことが書いてある」という話だけを鵜呑みにし、聖書そのものを読むことなどあるまいと思っているのだろう。編集者もまるでチェックしていないのかなぁ。キリスト教の啓典(経典)は「福音書」であるという説など、少しでもキリスト教について知っている人なら誰だって間違いだということがわかるはず。本人は宗教の専門家じゃないから、神学的な内容についていい加減な解説になるのはやむをえないにしても、常識の範疇に入るごくごく基本的な事柄くらいは間違えずに書いてほしいものだ。モーセはカナンの地を見なかったとか、福音書には「神の子」と書いていないとか、ペテロは独身だったとか、聖書を一読すればすぐ間違いだとわかるいい加減なことばっかりだ。ルターの聖書が旧約聖書続編を省いてしまった理由も、まるで事実に反することが書かれている。極端な予定説については紹介しても、それと相反する人間の自由意思については触れようとしない。(おそらくヴェーバーがそれに触れなかったのだろう。)要するにこの人は「日本人が知らないであろう聖書やキリスト教の知識をわたしが教えましょう!」と言いながら、じつは自分もまったく聖書やキリスト教について無知であることを暴露してしまっているのだ。
 小室本を読んでキリスト教について学ぼうというのは大間違い。キリスト教について知りたいなら、八木谷涼子の「知って役立つキリスト教大研究」を読め! これはすごく役に立つ本だ。キリスト教の歴史や教義については無数の本が出ているが、著者がクリスチャンなら所属する教派の教えに偏っているし、非クリスチャンの書いたキリスト教入門書は中途半端な理解を自己流に合理化した胡散臭い説明になっているものもある(例えば鹿嶋春平太の一連の著作など)。 僕が持っている本の中では、諸留能興の「宗教史地図 キリスト教」がバランスの取れた記述で好感が持てる。
 なんだかダラダラ過ごしてしまった1日だったが、メールで仕事の依頼が一件飛び込んできた。これまでにない種類の仕事なので大いに興味を持ったが、これについてはもっと具体的に決まったところで日記に書きたいと思う。仕事の依頼のうち何割かは、打診だけで終わってしまうもんですからね……。

5月9日(金)
 午前中に映画の感想をすべて仕上げてしまい、午後は映画を2本。1本目はTCC試写室で香港映画『ブルー・エンカウンター』。アンディ・ラウ主演の『MIB』みたいな映画で、ロザムンド・クワンとスー・チーというダブル・ヒロインになっているのが見どころ。途中で『コクーン』よりはセクシー度をアップした、主人公と女性エイリアンのベッドシーンがある。これは気持ちよさそうだったなぁ……。
 もう1本試写を観ようと思ったら、試写会場を間違えていてこれはキャンセル。CLIEのスケジュール帳は予定の変更がとても便利で重宝しているのだが、日時の移動はワンタッチでも、個々の記述内容にまで変更があった場合は手作業で書き換えが必要。それを忘れていたため、今回のようなことになった次第。
 時間が空いてしまったので、マリオンで『X-MEN 2』を観た。さすがに平日の昼間だけあって、館内はガラガラ。こっちは映画テレビ技術協会のパスを使って入場料千円だから、じつに気楽なものです。このパスを使うことでトータルに割安になるのかどうかはちょっと疑問だけれど(前売りとシニア料金は300円の差しかないから、会費のもとをとるには月に3,4本の映画を観る必要がある)、映画を観るのにいきなり劇場に行けるというメリットはある。事前にプレイガイドでチケットを買うとか、金券ショップで優待券を購入するという手間がいらないのは楽だと思う。
 『X-MEN 2』は面白かった。これは1作目より面白いと思う。人間とミュータントの対立とか、ミュータント同士の考え方の違いという世界観も、より明確になっている。なんたんて今回は、イアン・マッケラン扮するマグニートがすごくかっこいいのだ。彼がガラスの牢屋を脱出するシーンは、観ていてぞくぞくするくらいだった。映画の後は三省堂に立ち寄って店内を散策。

5月10日(土)
 映画の感想を仕上げて、午後は近くの図書館に読んだ本を返却に行く。ついでに予約していた勢古浩爾の「まれに見るバカ」を借りてきた。借りた理由は中に小室直樹批判の記事があるからなのだが、小室本は書いてある内容自体に間違いが多すぎるという根本的な批判はなかった。う〜む、ちょっと残念。でもこの本、やけに面白いのだ。世の中の“バカ”をばさばさと切り捨てていく様子は痛快。文体もリズミカルで、乱暴な内容ながら読んでいてついつい引き込まれ、時には吹き出しそうになってしまうくらい面白かった。ただし中盤以降は少しその勢いも鈍化してくる。
 4時半から大森で、秋から始まる新しい仕事についての打ち合わせ。これはライターの仕事とはまったく別種のものになりそうで、僕としてはちょっと楽しみにしている。実際に始まるのは秋からになりそうだが、今回は担当者との面談みたいなもの。もっと細かく内容を作りこんで、秋のスタートに備えなければ……。
 夕方の明るいうちに打ち合わせが終わってしまったので、何か映画を観て帰ろうと考えた。キネカ大森で何をやっているのか知らないが、この日は有楽町まで戻って『あずみ』の初日を観ようと決める。食事をしてから日劇2で6時55分の回を観る。あまり大きな期待はすまいと思っていたのだが、それにしたってこれはちょっとひどすぎる内容かも。脚本が悪すぎる。もたもたした脚本に演出で勢いをつけようとしているのかもしれないが、ダメな脚本と粗雑な演出のコラボレーションという、最悪の結果になってしまっているように思う。ついでに言えば、上戸彩の芝居とチャンバラは見ちゃいられない。岡本綾とのツーショットなど、ふたりして学芸会レベルの芝居をしているから、見ているこっちが恥ずかしくなってしまった。これで2時間半は長いよなぁ……。
 東宝とヘラルドの提携作品だが、北村龍平監督という若い才能をメジャー作品に大抜擢した心意気は買う。でもこれがハリウッドなら、新人監督にはベテランの脚本家や撮影監督を付けるなどして、まずは堅実な路線を目指すんじゃないかな。この映画は脚本も新人で、キャメラマンも『VERSUS』で北村監督と組んだ古谷巧。画面が暗すぎて大画面じゃぜんぜん映えないよ。照明もナマっぽすぎてリアリティがないぞ。
 結局メジャー映画になれていないスタッフに、いいようにお金を使われてしまったというのが現実なんじゃないだろうか。これはプロデューサーが悪い。でもスタッフリストを見ても、制作統括だの企画だのプロデューサーなど、10人近い名前がずらずら並んでいて誰がどんな仕事をしているのかさっぱりわからない。誰が脚本家を指名して仕事を発注し、完成した脚本にOK出したんだかわからないではないか。
 帰宅したらポストにAMAZONから荷物が届いていた。岩波新書の「マックス・ヴェーバー入門」 と、岩波文庫の「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」。なんで僕がこんなものを読まなきゃならんのかとも思うけど、まぁこれが小室本を読んだむくいだね。小室理論にはどうしても納得できない。「本当にヴェーバーがそんなこと言ってるのかよ!」と思わずにいられないのは、小室本の聖書解説があまりにもひどいからだ。聖書についてあれだけ間違いだらけのことを書いている小室直樹が、ヴェーバーについてだけ正確な解説をしていてくれるとは思えない。となれば原典にあたるしかないのです。

5月11日(日)
 朝からCS。午後は早めに帰宅してクイズを作る。夕方から少し昼寝。岩波新書の「マックス・ヴェーバー入門」 を読み始めたが、これは面白い。この本によると、マックス・ヴェーバーの「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」は、民主主義や資本主義を礼賛する本ではなく、むしろそれらを痛烈に批判した本なのだという。僕は素人なのでこうした意見がはたして正しいのか否かよくわからないのだが、少なくとも小室直樹の粗雑なヴェーバー紹介よりはよほど説得力がある。ここではルターやカルヴァンの神学そのものより、その神学が生み出した宗教改革という社会運動が、一般の信徒にとってどんな意味を持ちえたのかということが重要だとされている。ルターやカルヴァンはまったく意図しなかったことが、教会の説教や信徒の生活を通じて社会の中に実現していってしまう皮肉。つまりここではプロテスタント神学の問題と、社会がそれをどう受容したかという問題が切り分けて考えられている。これが小室直樹とは大きく異なる点なのだ。この本はたぶん数日で読み終わると思うので、その後はヴェーバーの本を読んでみようかな。

5月12日(月)
 午前中に新宿に出て、カメラ屋でデジカメを見て回る。デジカメにも魅力は感じているのだが、僕のように撮った写真をことごとくプリントしてしまう人間にとっては、デジカメよりもまだ普通のカメラの方がコストパフォーマンスが高いようだ。普通のカメラなら、フィルム代と現像代(同時プリント大を含む)を合わせても1回千円ぐらい。これに対して、デジカメはフィルム代こそかからないものの、プリント1枚の値段が35円〜50円ぐらいかかる。30枚プリントすると、それだけで千円を突破してしまう。ただし通常のフィルムの場合、捨てるしかない失敗写真というものが必ず一定の割合で含まれている。僕の場合は「これはアルバムに入れられないなぁ」という写真が全体の半分近くあるから、失敗写真はプリントしないデジカメの方がコストパフォーマンスが高いということになる。しかしこれは通常のカメラの場合。ハーフサイズのカメラを使えば、フィルム1本で写真が80枚ぐらい撮れる。半分捨てても40枚。これならデジカメよりも、通常のフィルムの方がまだ安いことになる。僕はハーフサイズのカメラを2台持っているので、デジカメに対抗するならこれを使いまくるしかない。
 ハーフサイズのカメラは中古で買うしかなくて、僕が持っているのも2台とも中古カメラ。本当はどこかのメーカーが、オートフォーカスでストロボ内蔵、ズームレンズ付きの全自動ハーフサイズカメラを出してくれるといいんだけどな。オリンパスが「PEN」のブランドで新しいハーフサイズカメラを作れば、結構売れるんじゃないだろうか。 μシリーズなり他のカメラなりをハーフサイズに設計しなおせばいい。そんなに手間のかかるものでもないと思うんだけど。例えば昨年末に発売されたμMETALあたりをハーフに改造すると、引き合いはかなりあると思うんだよなぁ……。
 あっという間に昼になってしまったので、新宿で食事してからタカシマヤタイムズスクエアで『WATARIDORI』を観た。『ミクロコスモス』の渡り鳥版というコンセプト。よくもまぁ、ここまで鳥たちに接近して撮れました! 北極から南極まで、世界中で撮影した渡り鳥の映像がとにかく感動的。この映画を観ると、地球が「鳥たちの星」に思えてくる。小さな翼で数千キロを旅する鳥たちに比べたら、人間の移動距離など小さいものだ。
 せっかくなので映画の後すぐに歌舞伎町に移動して、間もなく公開終了の『ドリームキャッチャー』を観ることにする。でも感動したのは、併映の短編『ファイナル・フライト・オブ・オシリス』だった。これは試写でも2回観ているんだけど、今回劇場で観たのが一番映像もシャープだったし音もよかったと思う。(試写のうち1回はDVD映写だったけどね。)試写のときは画面サイズがシネスコだったかなぁ……。ビスタだったような気もするけど、勘違いかもしれない。さすがにスクリーンサイズまでは、いちいち覚えてない。
 『ドリームキャッチャー』は筋を追いかけるのに精一杯という感じの映画になっていて、スティーブン・キングの小説にあるコッテリとしたディテールの味がすっ飛んでしまっていると思う。ディテールのないキング映画は、ただのバカ話なんだよなぁ。もっと大胆に脚色して事件そのものは規模を小さくし、少年たち5人の冒険とその後の絆を描くような形にすると、『スタンド・バイ・ミー』の続編みたいな感じになったかもしれないけどね。

5月13日(火)
 早起きして仕事を済ませてしまおうと思ったのだが、作業は遅々として進まず、結局この日も試写は全休。あ〜あ。なんだか「映画なんて観たくないなあ」という心理的サイクルに突入してしまったなぁ。正確には映画を観たくないのではなく、映画を観て感想を書いて……というサイクルが自分の中で破綻しかかっているような気がする。精神的スランプ状態だなぁ。午前中にメルマガを編集して発行手続きを済ませる。本当なら月曜日にやる仕事だよ。
 図書館から知らせが来たので、予約していた本を受け取りに行く。宮崎哲弥の「正義の見方」、呉智英の「犬儒派だもの」、そして小室直樹の「日本国憲法の問題点」。小室本はキャンセルしようと思ったんだけど、まぁせっかく届いたんだからと思って借りておくことにした。読みかけの「マックス・ヴェーバー入門」を放り出して、まずは「正義の見方」から読み始めたのだけれど、これは面白い。特に夫婦別姓論を徹底批判した部分は痛快。オウム真理教が他の仏教とどう違うかという部分は、著者の仏教知識の確かさを示していると思う。
 小室直樹は仏教の「空論」を根拠として、オウムを「仏教ではない」 と断じていたけれど、宮崎哲弥はオウムも仏教の一種と解釈できなくはないと言う。つまり仏教の根本原理から言えば、現在日本で「仏教」と呼ばれているもののほとんどは、小室直樹が「オウムは仏教ではない」と言ったのと同じ理屈で「仏教ではない」のだ。しかし日本仏教もまた、仏教の一変種であろう。だとするならば、オウム真理教が仏教でないなどと言える理屈はどこにもないことになる。なるほど、論旨は明快だ。

5月14日(水)
 あらかた仕事は終わっているので、午前中はもっぱら呉智英の「犬儒派だもの」を読んで過ごす。これは面白い。まぁ呉智英の本はいつもたいてい面白いんだけど、今回はひとつひとつの記事が短いのでスイスイ読めてしまう。こういう短い文章は、文章の構成などを考えるときのお手本になる。思わずクスクスニヤニヤ笑ってしまうような記事も多い。
 午後は渋谷のアミューズピクチャーズ試写室で『あじまぁのウタ/上原知子─天上の歌声』からスタート。りんけんバンドのライブシーンとインタビューが中心の映画。演奏シーンが素晴らしい。そのままユーロスペースに移動して、『クローン・オブ・エイダ』を観る。世界初のプログラマー、エイダ・オーガスタ・ラブレス(エイダ・バイロン)をモチーフにした作品で、一種の伝記映画であり、SF映画でもあるというもの。ちょっと中途半端な感じもしたけれど、エイダという人物に着目したのは面白いと思う。
 食事してから映画美学校で鈴木清順の『春桜 ジャパネスク』を観る。今から20年前に作られたビデオ作品。風吹ジュンが若かった!
 図書館から予約の本が入ったとの連絡。「昭和の劇―映画脚本家・笠原和夫」は2月に予約したんだけど、結局今になってようやく順番が回ってきたわけだ。こういう本は買ってもいいんだけど、今は本棚がパンク状態で手が出せない。やっぱり本棚を買わないとなぁ。現在の本棚はかなり傾いてきて、間もなく倒壊するだろうし……。地震があるとドキリとするよ。

5月15日(木)
 なんとなく体がだるくて頭がぼんやりし、まったく作業が進まない。いやだなぁ……。試写の予定をすべて別の日に振り替え、1日ごろごろして過ごす。

5月16日(金)
 朝起きたときから体がだるく、頭が少し重くて喉も痛かった。念のために熱を計ったら、37度ぐらいの微熱がある。なんだか中途半端な熱だけれど、外出して悪くなっても嫌なので、昨日に引き続いて家でごろごろして過ごすことにする。仕事はまったく進まない。薬箱に残っていた風邪薬を飲んだら、眠くなってしまって……。

5月17日(土)
 午前中は相変わらず体調が悪い。午後から少し持ち直して、夜には元気になった。あ〜、やれやれ。午後は図書館に「昭和の劇―映画脚本家・笠原和夫」を借りにいく。他にも何か借りようかと思ったのだが、この1冊だけでもすごくボリュームがあるので、とりあえずこの日はこの1冊だけ。夜はクイズの原稿を仕上げてから寝る。

5月18日(日)
 午前中はCS。その後、京橋図書館に立ち寄り、銀座に戻ってから築地立ち寄りで帰宅。夕方から新宿の紀伊国屋書店で辞書や本を見て回る。出かけるときは「マックス・ヴェーバー入門」 を持って歩く。

5月19日(月)
 朝から雨。午前中にメルマガの編集を少し。スーパーで買い物して弁当で昼食済ませる。午後はワーナーで『マトリックス・リローデッド』の試写。この映画は今週末には先々行オールナイトが始まってしまうので、現段階でマスコミ試写を観ることにあまり意味がないのかもしれないけれど、原稿を書く用もあるのでとりあえず見ておく。1作目に比べると、グノーシス志向がより明確になっていると思う。フロイト風の男はデミウルゴスでしょうか。
 帰宅途中にスーパーに立ち寄って買い物。夕方から牛筋の煮込みを作る。「昭和の劇―映画脚本家・笠原和夫」を読了。これはすごく面白かった。笠原和夫流のリアリズム論というのは、映画を観る上でもとても参考になる指摘だと思った。226事件にまつわる調査で、天皇は昭和天皇の血筋ではないという話が飛び出したかと思うと、昭和天皇の戦争責任について、昭和天皇自身が自分自身の血筋にコンプレックスがあり、それゆえに天皇らしく振舞うことしかできなくなったのだと指摘しているあたりはすごいと思った。この話が本当かどうかはともかくとして、これもひとつの歴史観なんだろうなと思う。実録ヤクザ映画の裏話も面白い。『実録・共産党』は深作監督が撮っていたらすごい映画になったかも。

5月20日(火)
 午前中にメルマガの編集。午後はリニューアル創刊されるP誌のための原稿を書いて過ごす。そうこうするうち、A新聞社からゲラも送られてきて、これもやらなくちゃなぁ……ということになる。かくして午後は試写に行かず部屋で仕事。夕方からすごい雨になってきたので、この日は完全に足止め状態。
 岩波新書の「マックス・ヴェーバー入門」 を読了。次は何を読もうか思案中。ヴェーバーの「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」に行くのが普通だろうけど、他にも読んでいない本が山のようにあるから、これを少しずつ片付けていかなければならない。新約聖書の使徒行伝(使徒言行録)をもう一度読み直して、初代教会の成り立ちやパウロの働きについておさらいしておきたいという気持ちもある。

5月21日(水)
 午前中はA新聞社の仕事のゲラ校正。少し文字数を減らしてほしいということだったのだが、削り始めたら止まらなくなって必要以上に削ってしまったかも。もっともこの原稿は書いているときに少し文字数を増やしたい気分だったため、必要以上に文章が回りくどかったり、不必要なエピソードに脱線したりしている。今回大幅に削って、だいぶスッキリとしたかもしれない。
 昼の支度をしていたら、注文していた「黒澤明 創造の軌跡」が届く。東宝でリリースしている黒澤明DVD-BOXの番外編という形になっているのだが、これまでのBOXに比べるとパッケージが安っぽいなぁ……。1万円を超える値付けの商品なんだから、これもちゃんとクロス張りで統一してほしかった。もっともこれは、単品のパッケージと並べると、きちんと揃うようになっているのかもしれない。でも我が家は全部BOXで購入しているので、ちょっとアンバランス。中身はDVD3枚組みで、1枚はNHKで放送されたドキュメンタリー番組と、その取材用インタビューのアウトテイク集。テレビ放送は日本語だったと思うのだが、DVDには英語版が字幕つきで収録されている。せっかくだから、日本語版も入れてほしかったなぁ。これもちょっと不満だ。2枚目は『乱』のメイキングが2つ。そのうちひとつは、クリス・マルケル監督の『AK』だ。これには本編からカットされた蒔絵のようなシーンが入っていて興味深い。3枚目のDVDは、『影武者』と『乱』の絵コンテ集。
  午後は近くの会員制プールに出かけた後、夕食をとってから銀座で『名探偵コナン/迷宮の十字路〈クロスロード〉』を観る。公開直後から何週間か興行ランキング1位を続けたヒット作で、間もなく公開終了というのに館内は半分ぐらい席が埋まっている感じ。最もこの日は水曜日で、女性は入場料が1,000円だったせいかもしれない。僕は映画テレビ技術協会の会員証を使って同じく1,000円で入場したのだけれど、銀座地区の映画鑑賞スタンプはあと1つで満了。そうすると、映画が1本無料で観られる。

5月22日(木)
 髪が伸びてきてうっとうしかったので、午前中に散発に出かけたのだが、このため午後1時からの試写には間に合わなくなってしまった。しょうがないので午後は「黒澤明 創造の軌跡」のインタビュー部分を見ていた。ところが今度はそれで次の試写に出るのが遅れ
 2時半頃部屋を出て図書館に本の返却。かわりに何か別の本を借りようと思ったのだが、図書整理のため臨時休館になっていたため断念。返す本は返却ポストに投函。外出中に読む本がなくなってしまったので、どうしようかと思案していたら、3時半からの試写も満員で入れなくなってしまった。最終試写の上映開始3分前到着では、入れなくなっても当然か。追加試写があるようなので、とりあえずそれに回ることにする。
 時間が空いてしまったので、京橋図書館で本を借りることにした。とりあえず2冊借りてから、食事をして渋谷へ。マイク・リーの新作『人生は、時々晴れ』を観る。これはいい映画だった。最近どんな映画を観ても「いまいちだなぁ」と思っていたのだが、これはよかった。感動した。
 映画のあと新御茶ノ水に向かい、取引先K社の担当者と仕事の打ち合わせを兼ねて食事。急遽取材の仕事を手伝うことになりそう。翌日打ち合わせが入った。

5月23日(金)
 午前中に映画の感想を書いてしまう。1本だから楽といえば楽。10時半ごろに部屋を出て、品川のアイマックスシアターで『向井千秋のSOSプラネット』という3D映画の試写を観る。オリジナル版ではウォルター・クロンカイトがホストをしているようなのだが、タイトルからもわかるとおり、日本版では宇宙飛行士の向井千秋がホストになっているという日本独自の編集になっている。監督は『エンカウンター3D』などのアイマックス作品があるベン・スタッセン。CGを使った三次元効果は絶大なものがあり、スクリーンから飛び出した地球がすっぽりと自分のひざの上に乗り、画面の中で身を躍らせるタコの足が鼻先をかすめる。映画の内容やテーマより、3D映画はやはりこういうところが面白い。
 本来ならこの日は午後も3本の試写を観るはずだったのだが、昨日の夜になって急遽午後1時から取材の仕事の打ち合わせが入った。編集部と打ち合わせのため、護国寺のK社へ。編集者と仕事の分担を決めてしまう。これは今週末からでも、早速動き始めないと間に合わないかも。移動や打ち合わせで時間がとられたので、4時近くになってから遅めの夕食。担当者と一緒に仕事の分担を再確認し、カメラの手配をしてもらう。今週末から来週前半は、この仕事に時間をとられそうだ。
 書店などで少し時間を潰してから、6時から東銀座で映画宣伝会社SのH氏と話をする。映画瓦版に書かれていた内容について「少し話し合いたい」ということで呼び出されたのだが、互いの仕事について考え方の違いを説明しあっただけで終わってしまった。「話し合い」としては具体的に何の実りもなかったのだが、先方の話を聞いていていろいろと気づかされることも多かった。最後は話が平行線になったけれど、こちらとしては自分の立場を説明して誤解を解いてもらえる面もあったし、先方の仕事の方針についてもよく理解できたつもり。これはこれで、いい機会だったと思う。
 渋谷に移動してパンテオンで『プレイタイム(新世紀修復版)』の70mm上映を観る。同じ映画を少し前に試写室でも観ているのだが、70mm版と比べて画質がどうこうという違いはよくわからない。上映の前にバンドの生演奏がタチにちなんだ曲を演奏していたりして、今回の上映会は映画館全体がタチの映画世界になったようないい雰囲気だった。パンテオンの2階席は座席の前後間隔が短く、人が出入りするたびに座っていた人たちが順番に立ち上がって前を空けなければならない。こうして人が立ったり座ったりする様子も、タチの映画みたいでちょっと楽しい。あの音楽があると、世界はタチのテイストになってしまうのだ。映画は2度目の方が面白かった。後半は映画を観ながらどうしようもなくニコニコしてしまって幸せな気分。街全体が遊園地になるラストシーンを見届けて映画館の外に出ると、劇場前の道路を工事していて巨大なクレーンが動いており、まるで映画のラストシーンの延長上のようだった。もちろん狙ったわけではないだろうけれど、これはちょっとでき過ぎの演出に思えた。
 映画が終わったのが11時半過ぎなので、帰宅したらもう12時過ぎ。疲れたけど幸せな気分。昼食がへんな時間だったこともあって夕食を食べていなかったのだが、牛乳だけ飲んで寝てしまった。

5月24日(土)
 映画の感想は後回しにして、仕事の原稿を作る。N誌のコラムを入稿してから、A誌のゲラ校正。これは前回やったものとは別の原稿。A誌は今回2種類の原稿を入れたのだけれど、これである程度はまとまったお金になるかな。 宅急便でデジカメ到着。ただし付属のSDメモリーカードの容量が8MBしかないため、このままでは実用にならない。これで1箇所だけ撮影を済ませて、あとは大容量のメモリーを購入しなければならないだろう。結局、明日以降の作業になりそうだ。

5月25日(日)
 8時ごろに部屋を出て、新川の住友ツインビルへ。これはF誌の取材のため。デジカメで数カット撮影してからCSへ。CSのあとはビックカメラで128MBのメモリーカードを購入。これで100カット以上は撮影できるだろう。帰り道に、数寄屋橋公園、シネスイッチ、万年橋、ADK松竹スクエアなどを撮影。新富町のオープンカフェは日曜定休で撮影できず、食事をして図書館に本を返却してから、銀座テアトルシネマ、日比谷公園、芝公園、汐留シオサイトなどを撮影して回る。ただし芝公園はイベント開催中で、後日再撮影の必要アリ。シオサイトも必要なカットが撮れなかったので、後日撮りなおしになるだろう。帰宅したらクタクタ。少し寝てから、夜はクイズの原稿を仕上げて入稿してしまう。
 今回の撮影にはパナソニックのDMC-F7というLUMIXブランドのカメラを使っていたのだが、これは小さすぎてホールディングが悪く、シャッターを押すとフレーミングがずれたり手ブレを起こしそうな不安がある。親指と中指で本体をつまみ、人差し指でシャッターボタンを押す感じなのだ。シャッターボタンとレンズの位置が離れているので、シャッター部分でカメラが動けばレンズは大きくぶれることになる。手の小さな女性にはいいかもしれないけれど、僕は指が長いので保持が不安定になってしまう。露出補正の方法なども、僕にはちょっとわかりにくいものだった。撮影済みの写真を見ると、露出がアンダーだったりオーバーだったりして、思ったとおりの絵になっていないことも多い。逆行だったり反射があったりで、撮影環境としては難しいものだったのかもしれないけれど……。いずれにせよ、屋外で撮影していると、本体に付属の液晶モニターはあまり写真の仕上がりを確認する手がかりにならないしなぁ。
 自分でも新しいデジカメが欲しいと思っているのだけれど、購入するなら小型軽量より、ある程度の大きさと重さがあって、グリップがしっかりしたものがいいみたい。持ち運びには不便かもしれないけれど、小さすぎたり軽すぎたりでは、仕事に使えないと思う。

5月26日(月)
 午前中に映画の感想を書いて、午後は映画の試写を3本。まずはヘラルドでニュージーランド映画『クジラの島の少女』。いささかフェミニズム臭が鼻につくところもあるが、主演の少女の爽やかな存在感は魅力的。この映画って、女の子はこの少女しか出てこないのかな。2本目は映画美学校でトルンカ監督の人形アニメ『真夏の夜の夢』。映画のあとは地下鉄で柳橋まで出てデジカメ取材。京橋にとんぼ返りして、3本目は韓国映画『チャンピオン』。これはまったく期待していなかったんだけど、面白かったし感動的だった。実話なのですね。
 少し喉が痛い。風邪ぎみなのかもしれない。あまり無理しないようにしないとなぁ……。

5月27日(火)
 午前中にメルマガの編集を終わらせ、配信手続き。その後映画の感想を書くが、あまりはかどらない。午後1時からの試写は部屋を出るのが遅れて間に合わなくなり、仕方なくそのままデジカメ取材に出る。汐留で再撮影。その後歩いて芝公園まで行くあたりで、雨がポツポツと降ってきた。芝公園は何とか撮影を済ませたが、帰り道はかなり雨がひどくなる。晴れていたら、そのまま渋谷まで行ってしまうつもりだたのだが、虎ノ門まで歩く途中で雨がかなり本格的になってきたので、今日の渋谷行きは中止。虎ノ門から歩いて六本木まで行き、GAGAで『名もないアフリカの地で』を観て帰宅。六本木一丁目のコーヒーショップで、試写室で会ったW氏と少し話をする。僕とW氏とでは、問題の置きかたも考え方も違うので、話がどうも噛み合わないところがあるなぁ。

5月28日(水)
 午前中に映画の感想を書いていたのだが、まるではかどらない。どうも風邪ぎみらしくて体がだるい。午後は試写を全休することを決めて、昼前から寝てしまう。夕方に起きて渋谷へ。デジカメ取材だけは済ませておかなければならないので……。渋谷は2ヶ所を回って帰宅。どういうわけかやたらと腹がへったので、近くのスーパーで食料品を買って食べまくる。また太りそう。
 撮影済みの写真をすべてCD-Rにコピーし、見本の写真をプリントアウト。とりあえずこれで、僕の仕事はおしまいかな。明日打ち合わせがあるらしいけど。

5月29日(木)
 朝起きたときは体調が悪くなく、映画の感想をささっと書いてしまう。ところが外出してから具合が悪くなり、どうやら熱が出てきた様子。う〜ん、困ったなぁ。
 11時半からヤマハホールで『チャーリーズ・エンジェル/フルスロットル』の特別映像試写会。編集者からは11時スタートと聞いていたので10時半ごろ到着したら、開場が11時とのことでしばらく外で時間待ち。その間に早めの昼食をとってしまう。11時過ぎに開場入り。映画自体はまだ未完成で、今回は雰囲気を知るため作られたビデオ編集の特別映像ということなので、「批評はご遠慮ください」とのこと。映画はじつに楽しげでいいのだけれど、前作以上にハイテンションなはしゃぎぶりなので、相当元気でないと映画の勢いに押されてしまうんじゃないだろうか。今回は僕が、ちょっと体調が悪かった聖で余計にそう思ったのかもしれない。観てると疲れるんだよね。(大きなスクリーンでビデオ映像を観るという疲れもある。)完成した映画を観るときは、体調を整えておかなくては。
 歩いて内幸町のワーナーまで移動し、ジェット・リー主演の『HERO』を観る。夏休み公開と言いながら、公開は8月下旬になるようだ。これは1時間半程度の映画だが、映像がとにかくめちゃくちゃにキレイ! 登場する男も女も美しく、美術も衣装も撮影も「美しい!」とため息が出そう。特にマギー・チャンとチャン・ツィイーが対決する銀杏林の場面の美しいこと! 黄色い画面がさっと赤く染まっていくあたりは、ぞくぞく鳥肌が立つくらいだ。血沸き肉踊る武侠片という感じではないけれど、この映画には映像の詩が感じられる。古代中国を舞台にしたオペラを見ているような感じかな。群集の使い方はギリシャの古典悲劇みたいでかっこいい。チャン・イーモウはたいしたやつだ。
 もう1本映画を観ようとも思っていたのだが、体力的に限界を感じてこれはお休み。一度帰宅しようとも思ったのだが、夕方からまた外出する必要があるので、帰宅しようかどうしようか迷いながらしばらくうろうろ。結局有楽町まで歩いて、5時過ぎに一度帰宅。メールのチェックや洗濯物の取り込みなどをして、7時過ぎにまた外出する。本当は少し仮眠を取りたかったのだが、その時間はなかった。
 8時から飯田橋で映画瓦版のオフ会。今回も参加者は10人ぐらい。たまたま仕事の打ち合わせをしていたK社の編集者も加わって、映画の話に花が咲く。解散は11時ごろか。ビールを飲んで映画の話をしていたら、体調の悪さを少し忘れた。でも明日は休んでゆっくりしようと思う。
 帰宅したらいくつか仕事のファックスが届いていた。やっぱり明日は部屋で仕事だ。

5月30日(金)
 朝は目覚ましを止めてゆっくり寝て、朝食を食べてからまたゆっくりと寝て過ごす。昼ごろ起きて急ぎの仕事を済ませ、また夕方まで寝る。起きて着替えて買い物に行き、帰ってきてから夕食食べて、仕事の段取りだけをすべて整え、映画の感想書いてまた寝ようかなぁ……。
 体調はだいぶ良くなった。明日明後日は台風で雨だというから、なるべく部屋に閉じこもって寝ていようと思う。

5月31日(土)
 午前中からどんより曇り空。やがて大雨。こんな日は部屋にこもって仕事をするに限る。体調もだいぶ回復でほぼ正常に戻る。おかげで仕事はずいぶんはかどって、クイズの一部を除いてほとんどを済ませてしまう。
 雨の中、修理に出していた自転車を取りに行く。後輪のスポークはほとんど交換したらしい。ただしスポークをかなり無理してねじ込んだらしく、だいぶ歪んでるんですけど、大丈夫かなぁ……。まぁ今までほとんど折れたまま乗ってたんだから、それに比べりゃね……。



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