2003年10月の出来事


10月1日(水)
 やらなければならない作業はすべて前日のうちに終わっているので、今日は朝から少し余裕がある。今週はまだ映画ゼロなので、そろそろ映画に行かなければ。たまっている試写状を整理してスケジュールを組む。ところが今日の予定は1時からの試写が1本と6時からの試写が1本。間が空いてしまうので効率が悪い。そこでこの2本の試写を別日に回し、今日は見落としている映画をまとめて劇場で観ることにした。狙いをつけたのは『ワイルド・スピードX2』『ぼくの好きな先生』『ロボコン』『たまゆらの女〈ひと〉』。これを順番に観ていくと、午前中から夜までびっしりと1日が埋まるという計算だ。昼食は作ってあった弁当をカバンに放り込み、いざ自転車で出発。少し不安があるとすれば、今日は
 まずはニュー東宝シネマで『ワイルド・スピードX2』を観たが、これはまずまずの面白さ。前作ほどの凶暴さがないのは残念だが、それを物足りないとは思わなかった。前作よりもずっとスマートでスピード感のある映画になっていると思う。もっとも前作は粗削りで野暮ったいところも魅力のひとつだったわけだけれど……。まずまず満足。映画を観てから昼食を食べるため銀座松屋の屋上へ。テーブルがひとつ空いていたのでそこでお弁当を食べる。外で食べる弁当は美味いなぁ……としみじみ。2本目の映画に『ぼくの好きな先生』を狙ったのだが、これは大失敗だった。時間ぎりぎりに行ったら大行列でもう入れない。しょうがないので急遽予定を変えて、シャンテ・シネで『ロボコン』を観た。これは面白くなかった。評判がいいのが謎だ。基本線は間違っていないけれど、キャラクターの肉付けが薄い。
 スケジュールの変更で時間が次の映画につながらなくなったので、1度自宅に戻ってから夜の試写を観ようと考える。自宅に戻って荷物を整理し、図書館に返却する本をカバンに詰めてから再外出。しかし図書館に寄ってからだと試写には間に合いそうもないので計画を変更し、銀行のATMでお金をおろしてから図書館で本を返却し、新たに何冊か本を借りてきた。ちなみに返却した本はレニ・リーフェンシュタールの自伝「回想」の下巻。上下間まとめて借りたのだが、とても返却期限までに全部は読み切れず、仕方ないので上巻は返却してからすぐにまた借りて、下巻はひとまず返却しておくことにしたのだ。上巻を読み終わって下巻をまだ読みたいと思ったら、その時は改めて下巻を借りようと思う。

10月2日(木)
 午前中に映画の感想を書き、少し早めに昼食を胃袋に押し込んでから午後の試写。まず松竹で『味』というドキュメンタリー映画を観た。これが上映時間2時間15分という長さで、開始時間が普通の試写より30分繰り上がったのだ。四谷で小さな中華料理店を開いている老夫婦の話だけれど、これがまぁ面白い。人間の喜怒哀楽、すべての要素が映画に含まれている。
 六本木に移動してGAGAで試写を1本観ようと思ったら、これが満員でもう入れなかった。ちょっと残念。でもこういうのは、遅く行った人間が悪いのです。入場している人は、時間の都合を付けてちゃんと間に合うように入っているわけだしね。
 夕方の試写まで時間があったので、途中にコンビニで雑誌を立ち読みしたりしてから、新橋まで徒歩で移動。六本木から虎ノ門までは下り坂だから、それほど疲れないのだ。6時からTCC試写室で、ミカ・カウリスマキ監督の『モロ・ノ・ブラジル』という、これもドキュメンタリー映画。1日に観る映画のジャンルが偏ることはよくあるけれど、今日はドキュメンタリー映画の日になった。この映画も面白い。ブラジル各地の音楽が最後にリオデジャネイロに合流して、サンバになるあたりは観ていてゾクゾクしてきた。サンバのリズムを聴くと、どういうわけか血が騒ぐ。
 映画の後は取引先K社の担当者と新橋で落ち合い、仕事の打ち合わせをかねて食事。 カレッタ汐留の中華料理店で小龍包などを食べて、さらに新橋駅前ビルの別の店に流れる。ここで突然中年の酔っぱらいおじさんにからまれて、おしりやチンチンを触られてしまった。(ジーパンの上からなでなでされた程度。)最初は何事かと思ったけど、「う〜ん、寂しいんだよ〜ん」って、甘ったれた声でそんなこと俺に言われても困るぞ。わしゃ仕事の話をしとるんで、寂しいオヤジに構っている時間の余裕はないのだ。しょうがないのでどうしたかというと、僕は店の奥にいた若いサラリーマンたちの方を指さして、「おじさん、あっちの方がいいよ。イケメン揃いみたいだよ」と誘導したのである。おじさんは「そうお?イケメン?」などとブツブツつぶやきながら、そのサラリーマン集団に向かってふらふらと近づいていった。おじさんはそちらでも「ネェ〜ン」などと甘ったれた声を出して若いアンチャンたちのおしりやチンコを触ったりしていたようだが、その後どうなったのかよくわからない。気が付いたら店の中から消えていた。K社の人は目を丸くして、「いや〜、東京にはいろんな人がおりますなぁ」とびっくりしていた。
 帰宅してから今日話していたことも含めて、新しい仕事について簡単に企画のアウトラインを作る。この仕事はぜひとも実現したいので、ちょっと本気になってます。

10月3日(金)
 前日お酒が入って寝たせいか、あまりぐっすり眠れず、朝は5時過ぎに目が覚めてしまった。睡眠時間4時間ぐらい。まだ頭がぼんやりしているのだが、また寝るのもちょっとなぁと思ってそのまま起きてしまう。午前中に映画の感想を1本書き、昨日の夜から手を付けた企画書も細部を書き込んでいく。そんなこんなで午前中は終わり。
 午後は映画美学校で試写2本。1本目はシャーリズ・セロンとケヴィン・ベーコン共演の『コール』。後半はまずまずの面白さだけれど、この誘拐計画にはそもそも穴があるような気がするなぁ……。かなりの綱渡りだと思う。2本目はケストナー原作の『飛ぶ教室』。プロデューサーのペーター・ツェンクという人は10年前に『ふたりのロッテ』を作って以来、『点子ちゃんとアントン』『エーミールと探偵たち』など次々にケストナー原作映画を手がけて、これが4本目のケストナー映画。前作『エーミールと探偵たち』は日本語吹き替え版のひどさもあって、「このシリーズももうダメか」と思わされたのだが、今回の映画はすごくよかった。最後はちょっとホロリとさせられてしまいました。欠点もある映画だと思うけれど、全体に水準の高い作品です。
 本当はもう1本試写を観る予定を入れていたのだが、歩いていても半分ぼんやりしているので、この日はこれでおしまい。冷蔵庫が空っぽになりかけているので、帰りにスーパーで買い物してから帰宅。手羽元を圧力鍋で煮たものが夕食のおかず。他に切り干し大根を煮る。同じ鍋を使い回したので、この2品作るだけでひどく時間がかかってしまった。

10月4日(土)
 午前中は少し朝寝坊して、昼頃から仕事に取りかかる。入稿すべき原稿をまず入稿してしまってから、映画の感想を書いてしまう。クイズのテーマが早めに来ていたので、これもさっさと片づける。

10月5日(日)
 小学校の運動会に出かける。8時頃に到着したら、運動場にはもうシートを広げる場所がないので体育館へ。午前中は曇っていたが、昼頃から晴れてきた。幹線の合間に、手帳に企画のメモを作る。
  弁当食べてから少し昼寝。その後も競技をいくつか観たが、面白かったのは騎馬戦かなぁ……。騎馬戦や棒倒しは危険という理由で取りやめている学校も多いと思うのだが、この学校には騎馬戦があるのだ。盛り上がったのは紅白入り乱れての団体戦ではなく、相互に1騎ずつ出ての勝ち抜き戦。1回戦ごとに運動場にどよめきと拍手が起きた。
 帰宅してから少し寝る。起きてからまた仕事。クイズを仕上げて入稿し、企画書の仕上げに向けてラストスパート。

10月6日(月)
 午前中は企画書をまとめて入稿してしまった。昼頃からメルマガの編集。合間に豆を煮たり、カボチャを煮たり。9割方まとめてから、夕方に外出。GAGAでヴィン・ディーゼル主演の『ブルドッグ』を観た。まずまず楽しめた映画。

10月7日(火)
 午前中にメルマガをすべてまとめて配信手続き。メールの返事などをまとめて書いて、午後は試写に出かける。3時半から映画美学校で『幸せになるためのイタリア語講座』というドグマ映画。これは面白かった。2本目を観るために渋谷に移動する予定を立てていたのだが、これはやめて夜は『陰陽師II』を観ることにした。日劇2の『陰陽師II』と日劇1の『トゥームレイダー2』を入れ替えていたので、よほど『陰陽師II』の人気があるのかと思ったら、場内に入っても客席はパラパラしか埋まっていない。だとしたら『トゥームレイダー2』の客入りがひどいのだろうなぁ……。

10月8日(水)
 午前中に映画の感想を書いていたら、宅急便で新しいADSLの接続キットが届いた。10日に工事の予定なので、接続はこの週末の作業になる。
 午後は久しぶりに試写3本をはしご。まずは映画美学校で『イン・マイ・スキン』というフランス映画。以前から試写状に「体調の悪い方はご遠慮ください」などと書かれていてなかなか物騒な宣伝文句だと思っていたのだが、これが宣伝文句でも何でもなくて、本当の注意書きだったということを痛感させられた。自傷癖のある女性を主人公にした、一種の心理サスペンスというか……終盤はほとんどサイコホラーになってくる。自分の体から切り取った皮膚を、スルメみたいにくちゃくちゃ噛んでいるシーンには「うげげ!」なのだ。手帳のポケットから切り取った皮膚がごっそり出てくるところも、「やられた!」という感じ。映画を見終わったらぐったり。
 2本目はメディアボックスで『ひめごと』という、これもフランス映画。ふたりの若い女性がセックスを武器に会社の中で出世しようとするのだが、その行く道の先にいた男は彼女たちより一枚も二枚も上手の変態野郎だった、というお話。これはなかなか楽しく観られた。
 酒屋で酒を買ってから、ムービーテレビジョン試写室でヴィンセント・ギャロの新作『ブラウン・バニー』を観た。1時間半の映画だが、序盤から中盤までの1時間強はさほど面白くもおかしくもない。ところが映画の最後15分か20分で俄然ドラマが白熱し始め、最後の3分で「えええ〜っ!」と驚かされる。そうか、この映画はこのラスト3分のための助走が、延々1時間半続くというものだったのだ。
 帰宅途中にスーパーで買い物。帰宅して金平ごぼうと、牛肉のしぐれ煮を作る。赤身の多い輸入牛肉の薄切りだと、うまくいかないなぁ……。

10月9日(木)
 午前中に映画の感想を書いてしまったのだが、昼頃からNIFTYの巡回用にCMNをインストールし始め、これで昼過ぎまで食い込んでしまった。設定を終えてしまうと、これまでと同じようにフォーラムを巡回できる。これは楽ちん。
 午後は3時半から水道橋のアテネ・フランセ文化センターで『サル』というサスペンス映画。自主映画の資金を作るため、新薬の投与実験に参加した若者たちが味わうあれやこれや。中盤まではいいんだけど、肝心のクライマックスやオチがよくわからない。残念な映画。
 五反田に移動し、6時半からイマジカで『自転車でいこう』というドキュメンタリー映画。これもだいぶ物足りなかった。目の前の出来事に感心している監督の姿は伝わってくるのだが、対象に斬り込んでいく覚悟が伝わってこない。対象となっている人々が背負っている覚悟も伝わってこない。どこかに遠慮があるのか、それとも監督の理解が浅いのか。
 レニ・リーフェンシュタールの自伝「回想(上)」をようやく読み終える。とりあえずこの本の中には、『意志の勝利』や『オリンピア』についての記述があるので、映画のバックグラウンドを知るにはこれで十分。しかし彼女の波瀾万丈人生はむしろ戦後の方がすごそうなので、下巻もいつか読みたいと思う。かわりに読み始めたのは、リーナス・トーバルズとデビッド・ダイヤモンドの共著「それがぼくには楽しかったから」。リナックスを生み出した男の自伝です。

10月10日(金)
 午前中に映画の感想を書いていたら、突然インターネットの接続がプチンと切れてしまった。ADSLの速度変更が今日の予定なので、おそらくそれが原因だろうと判断。早速モデムを付け替えた。今まではUSB接続で速度が1.5Mだったのだが、今回はルーター接続で速度が12M。接続や設定は思ったよりずっと簡単に終わり、1時間ほどで新しい環境になってしまった。速度の変化は、さほど感じない。しかしパソコンの電源を入れると、その時点でもうインターネットにつながっているというのは、なかなか気持ちがいい。これで名実共に、僕のパソコンも常時接続環境になったというわけだ。(今までは接続のために、ダイヤルアップが必要だったのだ。)
 この作業をしていたらなんとなく午後の試写に出るのがおっくうになってしまい、そのまま部屋でだらだらと過ごしてしまった。夕方に図書館に本を返しに行き、予約していた笠原和夫の「映画はやくざなり」を借りてくる。この本は全体が3部構成になっていて、最初の自伝部分は以前に読んだインタビュー本「昭和の劇―映画脚本家・笠原和夫」や自伝「『妖しの民』と生まれてきて」と重なり合う部分も多いため新鮮味はないが、それでも面白いのでついつい読んでしまう。第2部の「秘伝 シナリオ骨法十箇条」は笠原流のシナリオ指南書、第3部は未映画化シナリオ「沖縄進撃作戦」という構成だ。この中で一番面白そうなのは第2部の「シナリオ骨法十箇条」だろう。これはシナリオを勉強している人や、映画について勉強している人は一度目を通しておいてもいいと思う。
  図書館では他に、ビデオを2本借りてきた。ブラム・ストーカーの「吸血鬼ドラキュラ」 を映画化した、ムルナウの「吸血鬼ノスフェラトゥ」とブラウニングの「魔人ドラキュラ」。図書館にはこういうサイレント映画のビデオがいっぱいあるのがうれしい。しかもほとんど誰も借りない。
 映画瓦版をBLOGにしようという話があって、いろいろと勉強中。AMAZONにBLOG関係の本を2冊注文した。翔泳社の「ウェブログ入門−BloggerとMovable Typeではじめる」と、平田大治の「Movable Typeで今すぐできるウェブログ入門」。本が増えるのがいやなので(置き場がもうないのだ)なるべく図書館を利用しているが、こういうものは買ってしまうしかない。たぶん2,3日のうちに配達されてくると思う。

10月11日(土)
 午前中から映画に出かける。2本観て帰ってくるつもりが、調子に乗って3本観てしまった。疲れたなぁ……。1本目は10時35分から日比谷スカラ座で『リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い』。予告なしでいきなり始まるので、入場したときにはもう本編が始まっていたのだが、ドアを開けて中に入ったら入口付近まで立っている人がぎっしり。少しずつ暗がりに目が慣れてきたら、客席の7,8割は埋まっているように見えた。通路側は全部ふさがっているので割り込んでいくのがはばかられ、僕は劇場の一番後ろで立ったまま観ていた。これで映画が面白ければ、それほど苦にならないんだけどなぁ……。ひどく疲れました。
 近くのコンビニでおにぎりなど買って、シャンテ・シネ3で12時55分から『月曜日に乾杯!』を観た。これは小さなエピソードをつないでいくだけで、大きなドラマというものがない。ストーリーは結構波乱に富んでいるのだが、登場人物がぶつかり合わないのだ。このノホホ〜ンとした感じは、うまくはまると面白いのだろうけれど、僕は今回「退屈!」と思ってしまった。こういう映画は体調次第だなぁ。
 コンビニでスニッカーズを買って当座の空腹をごまかしてから、4時20分から日劇3で始まる『ジョニー・イングリッシュ』を観る。これはギャグがワンパターンでつまらない。取り違えのギャグばかりを何度も何度も繰り返されては、観ていても飽きてしまう。脚本段階で、もっといろんなギャグを入れてほしかった。キャラクターの造形も、あと一工夫できそう。いずれにせよ、これは脚本段階でもっともっといろいろなアイデアを盛り込めた映画だと思う。
 昨夜から「映画はやくざなり」を読み始めたのだが、「シナリオ骨法十箇条」はやはりすごく面白い。

10月12日(日)
 午前中はCS。その後は地下鉄で木場に出て、109シネマズ木場で『スパイキッズ3-D:ゲームオーバー』の予約。その後食事をしてから映画館へ。館内はほぼ満席。映画はストーリーがほとんどないのだが、この映画の売りは何よりも立体映像にあるので、子供たちはちゃんと満足していたようだ。こうした映画はビデオやDVDで観ても意味があまりないわけで、やはり映画館で一過性のイベントとして楽しむのがいいのだろう。
 ただし僕は眼鏡の上から3Dグラスをかけていたせいか、肝心の立体映像が終始赤や青ににじんで見えてしまい、目がちかちかしてしまった。スクリーン真正面のいいポジションで観れば、もう少し違ったかもしれないけど……。
 映画の後はイトーヨーカドーで買い物してから帰宅。入稿すべき原稿を書いて入稿し、夕方から外出。夕食は韓国家庭料理の店で石焼きユッケビビンバとビール。

10月13日(月・体育の日)
 少し朝寝坊。朝は天気がよかったのだが、すぐに雲行きが怪しくなってしとしと雨。昼頃から本格的に降り始めて、やがて土砂降りの大雨になる。外出しようと玄関から一歩外に出たとたん、あまりの雨脚の強さにめげて室内に引き返す。新宿で映画でも観ようと思っていたのが、これでおじゃんだ。2時半頃から雨は小降りになり、やがて雨は上がって空も明るくなってきた。3時前に外出。駅前の商店街で買い物したり、ビデオを借りたり。ついでに遅い昼食を済ませて帰宅。夜はビデオでディズニーの『わんわん物語』を見る。

10月14日(火)
 再配達を頼んでいたAMAZONの荷物が、管理人室に届いていた。とりあえず「ウェブログ入門−BloggerとMovable Typeではじめる」を読み始めたが、図書館から借りている岡田茂の「悔いなきわが映画人生−東映と共に歩んだ50年」の返却期限が明日になっているので、そちらもせっせと読まなければならない。リーナス・トーバルズの「それがぼくには楽しかったから」はこの日の朝に読み切ったところ。次から次に読むべき本が現れて、ちょっと四苦八苦している。自業自得だけど。
 映画瓦版については現在のように手動でHTMLを書く作業をやめて、ウェブログにして全機能(映画評・日記・商品紹介・リンク集)などを統合したいと思っている。ただしその場合、問題になるのはこれまでに作ってきたテキスト資産だ。これまでに何千本分もため込んだ映画評の原稿を、どうやってウェブログにするのかが問題。過去の資産と切り離して、とりあえずウェブログだけをゼロから始めてしまうという方法もあるけれど……。
  先週末に観た映画の感想を書かねばならないのだが、その前にメルマガの編集と発行手続きをする。映画の感想はちょっぴりしか書けなかった。夕方に編集者と電話で打ち合わせをした後、丸の内ピカデリー1で『キル・ビル』の完成披露試写。これは面白かった。特に中盤以降は場内から笑いが絶えない。爆笑ポイントも多数ある。ルーシー・リューとユマ・サーマンが日本語で会話をするという、もうそれだけで笑ってしまうのだけれど……。「やっちまいな!」とか「かかってきな!」とか、口調がスケ番系です。チャンバラも緩急のある日本風。エンドロールに流れる梶芽衣子の「怨み節」に感動。すげ〜。これはサントラ盤を買うしかない!と思ったら、発売されるCDには「怨み節」が入ってないじゃん。でもAMAZONを検索したら、なんと「怨み節」はシングルCDが出ているのだった。しかもカラオケ付き! 『キル・ビル』で梶芽衣子の歌声に惚れ込んだ人は、ぜひともCDを買うべし! コンピレーションCD「銀幕ロック」なら、『キル・ビル』の劇中で流れた「修羅の花」も収録されていている。しかしこれ、濃すぎますなぁ……。
 帰宅して「ウェブログ入門」を読み終わる。

10月15日(水)
 映画の感想を書いていたら午前中も午後もほとんど使ってしまった。その合間に「悔いなきわが映画人生−東映と共に歩んだ50年」を読んだり、ウェブログについてネットでいろいろと調べたりしている。ウェブログについては、Movable Typeを使えば現在の映画瓦版をすべて移行できるような気がしている。ただしその一方で、コミュニティ機能を持つXOOPSにも魅力を感じている。映画瓦版とは切り離した形で、XOOPSでコミュニティを運営するという方法もありそうではあるけれど……。XOOPSについては日本語の入門書がないので、全体像がわかりにくい。XOOPSを利用しているサイトをあちこち見て回る限り、これはこれでかなりいろんなことができるようだ。
 この日は試写を全休することも考えたのだが、UIPから珍しく完成試写の案内をもらっていたので(なぜ僕のところに案内が来たのか謎。宣伝会社の名簿に入っていたのかな?)、6時頃からいそいそと外出し、よみうりホールで『シービスケット』の試写を観る。これはなかなかの感動作。実話系です。

10月16日(木)
 映画の感想を書いてしまった後、「悔いなきわが映画人生−東映と共に歩んだ50年」を読み終える。散髪にも行きたいのだが、これは週末になるかなぁ……。
 午後は試写2本。1時からメディアボックスで『パリ・ルーヴル美術館の秘密』。美術館で働く人たちにスポットを当てたユニークなドキュメンタリー映画だが、食事の直後だったせいかちょっと眠くなった。眠くなりそうな時間帯に、この映画はちょっとヤバイかも。2本目は映画美学校で寺山修司の『草迷宮』。DVD用にデジタルリマスターした映像を、ビデオ上映したもの。試写はビデオだったけど、これは実際の上映の時もビデオなんだろうか? うっかり質問するのを忘れてしまった。映像はそれなりにきれいだけれど、ビデオはやぱり走査線の黒みが気になるのだ。少しにじんだような映像や、暗い部分のつぶれも気になる。
 渋谷に移動してユーロスペースで『レニ』の追悼リバイバル上映を観る。これは面白かった。あらかじめ自伝の上巻を読んでいたが、映画だと実際のレニの作品が映像として引用できる強みがある。レニの出演した作品や、デビュー作『青の光』。戦後問題となったナチスの党大会映画『信念の勝利』『意志の勝利』。そして『オリンピア』。難産だった『低い土地』などなど。
 移動や映画の合間に平田大治の「Movable Typeで今すぐできるウェブログ入門」を読んでいたが、サーバへのインストールさえ誰かに手伝ってもらえれば、あとは自分の手であれこれいじることも可能だと思った。

10月17日(金)
 午前中に映画の感想を書いてしまおうと思ったのだが、あまりはかどらない。ちょっと疲れがたまってきたのかも。午後は松竹で『わが故郷の歌』の試写を観た後、メディアボックスで『女王フアナ』を観る。これは原題通り『狂女フアナ』の方がインパクトがあると思うけど、それだと雑誌や新聞に広告も記事も載せられなくなってしまうのかも。
 もう1本試写を観るつもりだったのだが、移動に時間をとられてどうせ間に合わないと見て取り、しばらく京橋でうろうろ。電話で有楽町に呼び出されて、日比谷シャンテそばの酔心でおしゃべりしながら少し飲み食い。

10月18日(土)
 一日中仕事。天気があまりよくないので、ずっと部屋に閉じこもっている。

10月19日(日)
 CSがないので朝は少しごろごろ。午前中に図書館に行って本を返却。天気快晴。昼過ぎに新宿に出て新宿御苑の近くの自然食スパゲティ屋さんで昼食。新宿御苑を少し散歩して駅に戻り、焼鳥横町で夕食をかねて少し飲む。

10月20日(月)
 午前中はほとんど寝ていた。昼頃起きて仕事を始める。メルマガの編集など。ビデオでムルナウの『吸血鬼ノスフェラトゥ』を見終わる。夜のシーンを真っ昼間に撮影しているのだが、サイレント映画では夜のシーンをプリント段階で青く着色していたはず。ビデオではそれをまったく無視してすべて白黒になっているので、白昼堂々と吸血鬼が徘徊するという、なんだかよくわからない映画になってしまっているのが残念。音楽もあり合わせのピアノを使っているだけで、コメディだろうがホラーだろうが関係ないんだもんなぁ……。

10月21日(火)
 前の晩に遅くまで起きていたせいもあって、朝は少し寝坊。その分が午前中の作業に食い込んで、午後は試写を1本パスして、3時半からのスタート。1本目は渋谷の旧アミューズ・ピクチャーズ試写室でウォルター・ヒル監督の『デッドロック』という刑務所映画。面白いけど、あと少しコクが欲しかったような気も……。駅まで出てバスで六本木に移動し、食事してからGAGAで『かげろう』。これは宣伝用の資料(チラシも含む)から受ける印象とは、ずいぶん異なった映画だった。映画の方が面白いんだけど、この面白さを表現するのはちょっと難しい。結局映画会社としては、ウリをエマニュエル・ベアールの裸にしてしまったのかもしれないなぁ。
 この日は朝からアップルのサイトでWindows版iTunesをダウンロードしようとしていたのだが、いつまでたってもダウンロード用のボタンが現れない。帰宅してから再度アップルのサイトを見たら、ダウンロード予定日が10月21日だったのを取りやめて、もうしばらくあとにずれ込ますそうだ。日時は不明。英語版ではWindowsユーザーからかなりいろいろなクレームも付けられているそうなので、その対応が日本語版にもおよぶということなのかもしれない。いずれにせよ、当日もかなり遅い時間になって急に「やっぱりやめます」というのは、あまりにもマヌケな話だ。

10月22日(水)
 雨降り。午前中の作業ははかどらず、午後は3時半に映画美学校で『戀之風景』を観るところからスタート。受け付けで宣伝の女性に「『イン・マイ・スキン』の感想読ませていただきました。うちの社長が、きわめて的確な感想だと言ってましたよ」と声をかけられたのだが、じつは自分じゃ既に何を書いたのかすっかり忘れていたりして……。『戀之風景』はなかなか素敵な映画でした。こういうのは「素敵な映画」としか言えない。作り手が目指した規模の中で、きちんとまとまっている作品だ。
 2本目の試写に移動しようとして、試写室に到着してから場所を間違えていることに気が付いた。しょうがないのでこの日は1本で終わり。この日見そびれた映画は、後日追加試写の案内がくることを願うばかり。時間が空いたので何か映画を観てから帰宅することも考えたのだが、あいにく六本木ではこれといった映画を上映していないので(ほとんど観ているのだ)、途中に銀座で降りるのもいやだしなぁ……などとグズグズして、本屋などで時間を潰していた。

10月23日(木)
 午前中に映画の感想を書いて(1本しかないのでラク)、午後は試写に出かける。会場がすべて銀座周辺で、晴れてもいたので久しぶりに自転車での外出。 1本目は東宝の試写室で役所広司と柄本明が共演した『油断大敵』。実在した刑事と泥棒の話をモデルにしたドラマで、これはかなり見応えのある娯楽映画だと思う。来年1月の公開日が決まっているのだが、これは万人にお勧めできる作品だ。2本目は映画美学校で寺島しのぶと大森南朋主演の『ヴァイブレータ』。寺島しのぶの濡れ場が週刊誌などでも話題になっているが、確かにこれはかなりハードな内容。しかしエッチさはあまりない。むしろ痛々しいまでに切ない話だと思った。寺島しのぶはすごい役者だ。これから大いに活躍が期待できると思う。
 試写はこの2本で終わり。3本目は銀座テアトルシネマでフランスのドキュメンタリー映画『ぼくの好きな先生』を観る。これはこれで、いろんなことを考えさせられるなぁ……。ただしこのテンポが、僕にはちょっと退屈だったりする。

10月24日(金)
 午前中から昼過ぎまでかけて映画の感想を書く。午後は3時半から東映で『スカイハイ』の試写。監督が『あずみ』の北村龍平なので、どうせダメだろうと思っていたらやはりダメダメ。北村監督はどこかで自分自身が変わろうとしない限り、遠からず映画の世界からはお呼びがかからなくなるに違いない。
 映画のあとは東京駅に移動して、いつも一緒に仕事をしているSさんと落ち合う。Sさんが大阪行きの新幹線に乗るまでの時間、食事をしながら仕事の打ち合わせや報告。映画瓦版のウェブログ化は、今年中になんとかしたいとのこと。ただしウェブ・コミュニティについては、サーバー運営会社との関係でどうなるかわからない。いずれにせよ、これは後回しになるようだ。 新しい仕事の企画は、さらに後になると思う。今回決まったのは、次のオフ会を11月末にやりましょう、ということだけだったりして……。
 AMAZONに本を注文。現在考えているコミュニティサイト関係で「XOOPSでつくる自宅ポータルサイト―for Windows あなたのWebサーバが第2のYahoo!になる」という新刊が出たので、まずこれを購入。AMAZONでは3,900円以上本を買うとブックカバープレゼントをしてくれるそうなので、ついでに映画関係の本「ハリウッド100年史講義―夢の工場から夢の王国へ」「ハリウッドはなぜ強いか」を同時注文する。たぶん到着は来週になるだろう。

10月25日(土)
 午前中からずっと仕事。クイズのテーマが届かなかったので電話で催促したら、夕方にFAXが届いた。今回はちょっと手こずりそうだ。

10月26日(日)
 朝からCS。帰宅してから昼食は晴海トリトンのインド料理屋でランチのカレーバイキング。ここは焼きたてのナンをテーブルまで運んでくれるのが嬉しい。950円はすごくお得な感じがする。食事の後は晴海の家具屋などを見てから帰宅。スライド本棚が欲しいけど、本を移し替える作業が面倒くさくて躊躇している。どうせ本棚を整理するなら、引っ越しをするときにでもまとめて……と思っているんだけれど、いったいいつ引っ越すんだか。帰宅して少し昼寝。

10月27日(月)
 朝からコンビニで「ぴあ」を買い、まずはメルマガの編集と発行手続き。その後クイズを作り始める。試写の予定はすべてキャンセル。最近は「月曜の予定はどうせつぶれるもの」というつもりで予定を組んでいる。

10月28日(火)
 外は大雨。午前中にクイズを仕上げて入稿してしまう。午後は試写を3本ハシゴ。まずはGAGAで『グッバイ、レーニン!』というドイツ映画。ベルリンの壁崩壊や東西ドイツ統一という事件を織り込みながら、ひとつの家族の和解を描くファミリー・ドラマだ。ジャンルとしてはコメディになるのだと思う。主人公の同僚が映画マニアで、悪のりして東ドイツのニュース番組をねつ造するシーンは笑える。しかしこの逆転した世界は、どこかしら現在の北朝鮮を思わせる。この映画の中でギャグとして描かれていることが、北朝鮮ではそのまま大真面目にまかり通っているのだ。
 2本目は東宝で『フル・フロンタル』。これはダメだった。出演者は豪華だけど、面白くない。スティーブン・ソダーバーグが趣味で作った映画でしかないと思う。
 食事をしてから3本目はメディアボックスで『アンダーワールド』という新手の吸血鬼映画。吸血鬼族と狼男族が千年以上も戦い続けていて……という世界観の中で、狼男ハンターとして戦い続けるヒロインの活躍を描くアクション・ファンタジー。映画はまぁまぁかな。それよりも試写室を出る際、傘立てに入れておいた傘がなくなっているのには参った。誰かが間違えて持って行ったんだと思うけど、わかりやすいように持ち手にテープを巻いたりしてたんだけどなぁ……。まぁ常日頃から折りたたみ傘を持って歩いているので、長い傘がなくなっても濡れて帰るようなことはなかったんだけど……。
 近所のスーパーで味噌とソースを買って帰宅。AMAZONで購入した本が届く。

10月29日(水)
 機能とは打って変わって快晴。午前中に映画の感想を少し書いて、午後は試写を3本。今日は晴れているので自転車移動だ。
 まずは松竹で阪本順治監督の新作『この世の外へ/クラブ進駐軍』を観る。戦後の日本で進駐軍のクラブ周りをする日本人ジャズメンたちの物語。これはよかったのだが、エンディングは少々尻切れとんぼ。しかしその中途半端さが、エンドロールで一気に挽回される。感動しました。
 2本目はTCCに移動して中国映画『ションヤンの酒家(みせ)』。『山の郵便配達』の監督が作った新作で、風景の描写がものすごくきれい。物語は前半から中盤までが面白くて、終盤になるとダレてくる。
 立ち食いそばでお腹をつないで、3本目はメディアボックスで田口ランディの小説を熊切和嘉が映画化した『アンテナ』を観る。以前同じ原作者の『コンセント』も観たけど、物語が中盤まですごくワクワクするのに、最後に平凡な着地点に落ち着いてしまうのはなぜだろう。映画の後、試写室に残っていた傘を回収。昨日間違えて持って帰った人が、その後で戻しに来たらしい。自転車だったので持ち帰るのに苦労するかと思ったが、そうでもなかった。
 「XOOPSでつくる自宅ポータルサイト―for Windows あなたのWebサーバが第2のYahoo!になる」を読み始めたが、一般利用者としてはわかりにくい設定や管理関係の機能について詳しく説明しているのは参考になる。しかしXOOPSの特徴を説明するなら、他のCMSと比較しながら優位点を紹介する部分がもっとあってもいいと思った。「何が何でもXOOPSを使うぞ」と最初から決めている人にはいい本だけれど、CMSって何だろう、XOOPSってどうなのかなぁ、と考えている人にはあまり参考にならないかもしれない。CMSは今後のインターネットでますます注目を集めるツールだろうし、個人向けのMovable Typeとコミュニティやポータル向けのXOOPSは主流ソフトになっていくと思う。どちらもフリーソフトなので販売が商売になることはないが、Linaxがそうであるように、設定やメンテナンスなどのサポート業務は、新たなビジネスを生み出すのではないだろうか。 いいツールが現れても、そこでどんなコンテンツを展開するかが問題なんだけどね。

10月30日(木)
 午前中に映画の感想を書いているのだが、どうも最近この作業がはかどらなくなっている。以前は午前中だけで4〜5本の感想文をでっち上げていたこともあるのだが、最近は2本書くともう息切れ。書く内容が進化しているとは思えないし、特別手を抜いてだらだらやっているわけでもないのだが、これはどういうことなんだろう。ブログにすれば少しは更新が楽になるとは思うのだが、それで書く速度が速くなるわけではないのだけれど……。どうも最近、お疲れ気味だなぁ。
 午後は3時半から東映で『いつかA列車〈トレイン〉に乗って』 を観たが、これがひどくつまらない映画だった。1955年の新東宝映画『たそがれ酒場』のリメイクだそうで、今回の映画では舞台がジャズクラブになっている。映画の印象はひどく貧乏くさい。小劇場の芝居を観ているようで、映画的な面白さがどこにも感じられなかった。
 新宿に移動して簡単に食事を済ませ、新宿ミラノ座で『マトリックス・レボリューションズ』の披露試写。入口で手荷物検査をする物々しい警備体制のわりに、上映開始時に緞帳が下がってしまうというミスがあったりして、どこかマヌケな印象が……。映画そのものは「これでようやく終わったか」「なるほど結局そうするのか」というもので、1作のような興奮も、2作目のような謎に対する興味もなく、アクションも申し訳程度にくっついている印象。まぁ映画の完結編など、どれもこの程度のものかなぁ。むしろ予告編でかかっていた『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』とか『キューティーハニー』の方が面白そうだったりする。『ロード〜』も三部作の完結編だけれど、戦闘シーンはどんどんスケールアップしているので期待できそうだ。
 長い間読みかけのまま放置してあった「マニ教」をようやく読み終わる。

10月31日(金)
 午前中から映画の感想を書いていたのだが、『マトリックス』までたどり着けずに終わる。午後は1時から松竹で『OPEN HOUSE』。かつてシネマ・ジャパネスク作品として松竹のラインナップに入っていながら、松竹の内紛騒ぎでこの路線が消えてなくなり、一般公開されることなくお蔵入りしていた映画だ。行定勲監督が最近ひっぱりだこなので、ようやく日の目を見ることになった。映画は絵作りにやりすぎのところもあるが、繊細な世界をうまくまとめていると思う。
 2本目は映画美学校で韓国映画『ハッピーエンド』。これは不倫メロドラマだと思って観ていると、最後にあっと驚く急展開があってびっくり。ただしここに至る展開がかったるすぎるのは欠点。



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