最近読んだ本

2003年
読了日 書名 著者・出版社 コメント

12/31

イエスという経験

大貫隆著
岩波書店

信仰者にとってのイエス体験ではなく、福音書の記述から歴史的イエス本人の体験を再現して見せた本。僕には面白かったけれど、普通のクリスチャンには刺激が強すぎるかも。

12/25

「ジョージ・ブッシュ」のアタマの中身
−アメリカ「超保守派」の世界観

森孝一著
講談社文庫

タイトルや表紙から受ける印象より、記述の内容はずっとバランスが取れている。アメリカの宗教右翼の世界観と、アメリカの「見えざる国教」との違いをわかりやすく解説している。

11/28

ハリウッド100年史講義
夢の工場から夢の王国へ

北野啓介著
平凡社新書

時折ぎょっとするような間違いが平然と書いてあることもあるが、大ざっぱにハリウッドの映画産業史が俯瞰できる点はいい。

11/20

映画を「自分のことば」で語るための
シネマ頭脳

ロバート・グラッツァー著
吉田俊太郎訳
フィルムアート社

映画について語るためのノウハウを、実戦的に解説した「映画批評入門」。この著者の映画に対する個々の評価はともかく、批評に対する姿勢やスタンスには共感するところが多い。

11/06

映画配給プロデューサーになる!
―話題の映画の仕掛人に聞く映画ビジネスのすべて

CWS+高野てるみ編
メタローグ

映画配給という仕事を中心に、その前後の買付や宣伝の仕事までを解説した良書。インタビューが豊富で、それがよいケーススタディになっている。値段の張る映画本の中で、これで1,500円は安い。

11/04

ハリウッドはなぜ強いか

赤木昭夫著
ちくま新書

映画史をやたら政治的な文脈で読み解いていこうとする姿勢が気になる。これは的外れなんじゃないだろうか。ハリウッドの産業構造について論じた部分はわかりやすいが、名画の構造を論じた部分は余分だと思う。

11/01

座頭市―時代小説英雄列伝

子母沢寛・他著
中公文庫

子母沢寛の「座頭市物語」と、映画シリーズ第1作の『座頭市物語』の脚本を1冊にまとめたアンソロジー。脚本家のすごさと共に、原作の完成度の高さがわかる1冊。

10/30

マニ教

ミシェル・タルデュー著
大貫隆・中野千恵美訳
白水社・文庫クセジュ

読むのにすごく難儀したが、その理由は現時点でわかっている事実だけを箇条書きしたような雰囲気にある。読み物としてはもう少し「色気」がほしいのだが、これはこれで研究書としてすぐれたものだと思う。

10/29

XOOPSでつくる自宅ポータルサイト
―For Windows

豊崎直也著
すばる舎

副題の「あなたのWebサーバが第2のYahoo!になる」は大げさすぎるが、XOOPSの管理方法については具体的に書かれていて役に立つ本かも。

10/17

Movable Typeで今すぐできる
ウェブログ入門

平田大治著
インプレス

Movable Typeの手引き書としてはこれ1冊あれば十分。結局僕のようなユーザーにとって一番ネックになるのは、サーバーへのインストールかな。

10/16

悔いなきわが映画人生
−東映と共に歩んだ50年

岡田茂著
財界研究所

出版社が映画関係でないことで、通常の映画本とは違う視点が出ていると思う。映画本としては物足りない面もあるが、巻末の資料には価値がある。

10/14

ウェブログ入門
−BloggerとMovable Typeではじめる

田口和浩、堀越英美、ばるぼら、他著
翔泳社

ウェブログの歴史や考え方、実際の設置方法まで解説した入門書。もう少し「文化論」的な記述もほしかったような気がするけど、それはこれからかな。

10/14

それがぼくには楽しかったから
全世界を巻き込んだリナックス革命の真実

リーナス・トーバルズ、
デイビッド・ダイヤモンド著
小学館プロダクション

著者ふたりの分担部分にとまどったり、やけにくだけた訳文が気に障る部分もあるが、内容は興味深いものがあった。

10/12

映画はやくざなり

笠原和夫著
新潮社

「シナリオ骨法十箇条」は映画ファン必読。その後に未映画化のシナリオ『沖縄進撃作戦』を読むと、「なるほどプロのシナリオとはこれか!」と納得できる。このシナリオは最高。感動してちょっと泣けました。

10/09

回想(上)

レニ・リーフェンシュタール著
椛島則子訳 文藝春秋

読んだのは図書館で借りた単行本。毎日持ち歩いて暇さえあれば読んでいたのだが、えらく時間がたかかった。すごいボリューム感。ヒトラーと個人的に面識があっ人の証言として面白い部分もあるが、映画製作の裏話についてあまり書かれていなかったのが残念。

09/16

宗教ニッポン狂想曲

吉田司著
文藝春秋

この本の弱点は執筆時期の問題でオウム事件を取りこぼしていること。しかし日本の宗教問題を精神史との流れでとらえ分析しようとしている点で、この本はなかなかユニークで刺激的だ。現在絶版。オウム問題とその後の宗教界のドタバタを含めた増補版がほしい。

09/04

宮沢賢治殺人事件

吉田司著
大田出版

聖人視されている宮澤賢治を等身大の文学青年にまで引きおろすことで、賢治の文学を読み直そうという本。僕はもともと宮澤賢治が「ダメな人」だと思っていたので、この本を読んで初めて宮澤賢治を神聖視する人たちがいることを知りました。逆にそちらのほうが驚きだったりして……。現在は文庫化されている。

08/31

監督中毒

三池崇史著
ぴあ

助監督時代のエピソードが最高に面白い。有名監督の演出振りが、助監督だった三池崇史の視線で語られている。真樹日佐夫のエピソードも思わず笑ってしまう。監督になってからの仕事については別の本が出ている。

08/31

沖縄大衆食堂
オキナワ流儀のカルチャーショックなご飯たち

仲村清司+腹ぺこチャンプラーズ著
双葉社

今すぐにでも沖縄に行って大衆食堂に飛び込みたくなる本。ただし中身は物足りないかも。巻頭のカラーページに一番心惹かれた。

08/20

完全米飯給食が日本を救う

学校給食と子供の健康を考える会編
東陽経済新報社

タイトルほどには中身の威勢がよくない。回りくどい話が多すぎるように思う。会の趣旨とは異なるだろうが、農政問題にも1章を割いたほうがバランスはいいと思う。

08/19

粗食のすすめ 実践マニュアル

幕内秀夫著
講談社+α文庫

直前に読んだ「粗食のすすめ」さえあれば十分だと思う。これはちょっと余計でした。

08/17

粗食のすすめ

幕内秀夫著
新潮文庫

日本人の「主食」は断じて米であると主張する本。一人暮らしでいちいちおかずを作ることができない僕には、なかなか頼もしい本だった。

08/08

図説・宮沢賢治

上田哲・関山房兵
・大矢邦宣・池野正樹著
河出書房新社

写真が多くて読みやすい賢治文学の入門書。

07/27

イーハトーブ乱入記
─僕の宮沢賢治体験

ますむら・ひろし著
ちくま新書

憲治作品を忠実に漫画化する過程で、著者が出合った数々の謎とその推理。すごく面白かった!

07/27

音作り半世紀
ラジオ・テレビの音響効果

大和定次著
春秋社

前半は面白いけれど、後半はちょっとだれる。ただし資料的な価値は大きいと思う。

07/18

お侍さん、ありがとう

ペリー荻野著
アスペクト

時代劇好きの有名人4人との対談集だが、それぞれの「時代劇ハマリ度」に温度差があるのが面白い。

07/15

憲法なんて知らないよ
―というキミのための「日本の憲法」

池澤夏樹著
集英社

英文の日本国憲法から新たに日本語訳し直す試みは評価するが、訳文がやけに「お子様向け」になってしまったことには苦笑する。まえがきとあとがきにも、まるで賛同できない。でも条文が読みやすくなったのは確かだ。

07/03

映画は予告篇が面白い

池ノ辺直子著
光文社新書

予告篇製作ビジネスについて解説した本。1日で読める軽い読み物と割り切れば、まずまずの本なのかも。僕には物足りなかったけどね。

07/01

バカの壁

養老孟司著
新潮新書

これっぽっちの本なのに、読み終わるのに難行苦行。とにかく退屈で読み進むのが困難だった。こんな本が、なぜベストセラーになるのか? それはタイトルの妙だろうな……。

06/29

海からの贈りもの

アン・モロウ リンドバーグ 著
落合恵子訳 立風書房

古典の新訳。どうも論法がまどろっこしいのだが、このまどろっこしさ故に、この本は古典になっているのだろう。普通に書いたら、ただの女流エッセイだもんね。

06/10

「妖しの民」と生まれてきて

笠原和夫著
講談社

全体は2部構成。前半は自叙伝。後半は自伝的な小説といった感じ。戦中戦後を生きた著者が、自嘲気味に語る我が人生。面白くて、切ない。

06/01

イエスと世俗社会
―福音書は誰のために書かれたのか

榎十四郎著
社会評論社

福音書に書かれた「イエスのラディカリズム」と、パウロ以降のキリスト教の矛盾について思索する本。著者の思考過程そのものが本になっている。
05/23 宗教をどう教えるか

菅原伸郎著
朝日選書

宗教教育の問題を手がかりに、「心の教育」「命の教育」の問題点をあぶりだした良書。
05/21 マックス・ヴェーバー入門

山之内靖著
岩波新書

入門書にしては、著者の主張が多く盛り込まれすぎているような気がする。
05/19 昭和の劇―映画脚本家・笠原和夫

笠原和夫・荒井晴彦・他著
大田出版

脚本家のインタビューだが、日本の近現代史についての意外な裏話に、ドキドキしてしまう。昭和天皇の出生の秘密とかね……。
05/17 日本国憲法の問題点

小室直樹著
集英社インターナショナル

「痛快!憲法学」の焼き直しに過ぎないんじゃないだろうか。良くも悪くもあまり面白くない本だった。
05/14 犬儒派だもの

呉智英著
双葉社

「『マイルド』に毒された日本人」は笑った。前振りから落ちまでの距離もいい感じ。いつか真似してみたいものだ。
05/13 正義の見方

宮崎哲弥著
洋泉社

夫婦別姓についての意見には、大いに共感するところがある。オウムと仏教を比較した部分も面白い。
05/10 まれに見るバカ

池勢古浩爾著
洋泉社 新書y

面白い本だけど、後半はかなり息切れしている。
05/09 日本人のための宗教原論
―あなたを宗教はどう助けてくれるのか

小室直樹著
徳間書店

キリスト教の解説についてはデタラメが多すぎる。だとすれば他の解説も似たようなものだろう。読む価値なし。(読んじゃったけど……。)
05/06 やさしいことばで日本国憲法
新訳条文+英文憲法+憲法全文

池田香代子訳、
C.ダグラス・ラミス監修・解説
マガジンハウス

訳文の日本語にどうしても馴染めない。これは「声に出して読みたくない日本語」だ。
05/06 痛快!憲法学
Amazing Study of Constitution & Democracy

小室直樹著
集英社インターナショナル

いささか強引なところもあるが、ヨーロッパで生まれた議会制民主主義や憲法の歴史について学べる。
04/30 守護聖者
人になれなかった神々

植田重雄著
中公新書

ヨーロッパの守護聖者についての本。よくまとまっているけれど、説明不足の項目も。現在絶版。
04/26 よくわかるキリスト教の暦

今橋朗著
キリスト新聞社

キリスト教の教会暦の成り立ちや意味について、教派に偏ることなく解説した良書。著者は僕の両親が通う教会の牧師。
04/25 実録!スーパー映画人

マイクロソフトプレス、
デイヴィッド・チェル編
アスキー出版局

これは面白いインタビュー集だった。内容はちょっと古いところもあるけれど、それはまったく欠点になっていない。古書で購入。現在絶版。
04/17 魔界転生

山田風太郎・とみ新蔵著
リイド文庫

映画版とはまったく別種の面白さ。チャンバラ好きにはこちらの方が断然面白いかもしれない。
04/02 映画の見方がわかる本
―『2001年宇宙の旅』から『未知との遭遇』まで

町山智浩著
洋泉社

映画解説としては満点。でも僕が考える映画批評は、こういうのとはまったく別方面なんだよね……。どちらも「映画評論」ではあるのだけれど。
04/01 『Shall we ダンス?』アメリカを行く

周防正行著 
太田出版

いろいろ参考になる本だけど、読みながら「どうでもいいけど、周防監督の新作はいつ作られるのか?」と思うよなぁ……。
03/31 映画・テレビ術語集

谷川義雄著
風濤社

著者個人の体験が色濃く反映された読む事典。続編も読まなくちゃ。
03/30 ユダヤ人

上田和夫著
講談社現代新書

僕には目新しい情報がなかったけど、ユダヤ人の歴史について書かれた手軽な入門書としてはいいかも。
03/27 ハリウッドへの道
―日本人で初めて成功した
映画プロデューサーの熱血奮戦記

シュンジ・ヒラノ著
KKロングセラーズ

ハリウッドで『クロオビ・ニンジャ』を作ったプロデューサーが書いた本。いろいろ参考になった。著者が製作した映画は1本きりなんだけどね。
03/26 セイラムの魔女狩り
アメリカ裏面史

小山敏三郎著
南雲堂

セイラムの魔女裁判の話より、ポカホンタスの話のほうが面白かった。
03/15 キリスト教入門

矢内原忠雄著
角川選書

キリスト教や聖書の成り立ちや郷里についての簡潔な解説。日本独自の無教会主義についても紹介している。
03/11 クローン人間

響堂新著
新潮選書

生殖医療がらみの部分が面白かった。いずれ卵子も精子もなしに子供が作れる時代が来るらしい。う〜む、SFだ。
03/09 クローン人間

粥川準二著
光文社新書

クローン人間製造と双子の技術である、医療目的クローン(セラピューティック・クローン)の問題点について書いている本。勉強になる。
03/06 ユダヤ学のすべて

沼野充義編著
新書館

ユダヤやユダヤ人にまつわる百科事典として使うには有効な本。もちろん通しても読めるのだが、入門書としては不適当かも。
02/25 シナリオの基礎技術

新井一著
ダヴィッド社

シナリオの入門書としては良書だと思う。これを読むと、自分でもシナリオが書けそうな気がしてくる。
02/11 詐欺師入門
騙しの天才たち:その華麗なる手口

デヴィッド・W・モラー著
山本光伸訳 光文社

映画『スティング』の元ネタ。大胆なコンゲームの裏表とコンモブ(詐欺師たち)の生活ぶりを記録している。
02/11 アホでマヌケなアメリカ白人

マイケル・ムーア著
松田和也訳 柏書房

『ボウリング・フォー・コロンバイン』のマイケル・ムーアがブッシュ「大統領」をこき下ろした本。いや〜、アメリカは無茶苦茶だ。
01/23 奇妙な論理II 
空飛ぶ円盤からユリ・ゲラーまで

M.ガードナー著
市場泰男訳 現代教養文庫

なかなかの良書だが社会思想社の倒産で絶版。1巻がハヤカワ文庫で再刊されたので、これも間もなくかな。
01/16 ヨーロッパ異端の源流
カタリ派とボゴミール派

ユーリー・ストヤノフ著
三浦清美訳 平凡社

古代のゾロアスター教からマニ教を経て、バルカンのボゴミール派、フランスのカタリ派へと流れる二元論宗教の年代記。これは面白かった!

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