2001年に読んだ本

2001年3月から2001年末まで
読了日 書名 著者・出版社 コメント
03/04 科学者として 新井秀雄
幻冬舎
月島図書館で借りた。中身は同名ドキュメンタリー映画の方が面白いと思う。
03/05 戦争を記憶する
広島・ホロコースト・現在
藤原帰一
講談社 (講談社現代新書)
映画を引き合いに出して戦争の記憶について語る部分は興味深い。
03/06 聖母マリアの系譜 内藤道雄
八坂書房
新約聖書の記述から黒いマリア像まで簡潔にまとめてある。
03/07 異端カタリ派 フェルナン・ニール (渡邊昌美訳)
白水社 (文庫クセジュ)
カタリ派の思想的特徴や関連事件がコンパクトにまとまっている。
03/16 カルトの諸相
キリスト教の場合
井門富二夫
岩波書店
(叢書・現代の宗教-15)
カルトの定義から現代のさまざまなカルトの紹介まで。サイエントロジーについての記述は参考になる。
03/21 人間の世界歴史-14
アメリカ人とアメリカニズム
猿谷要
三省堂
'80年に出版された本で内容はやや古いがが、20世紀のアメリカの歴史を読み物風にまとめてあって面白い。
03/22 点子ちゃんとアントン エーリヒ・ケストナー (高橋健二訳)
岩波書店
( ケストナー少年文学全集3)
小学生の時に読んだ本の再読。正月に実家の本棚から引っぱり出してきたもの。訳が古めかしい。
03/24 鶴見俊輔が選ぶ
鞍馬天狗4・雁のたより
大佛次郎
小学館文庫
( 「時代・歴史」傑作シリーズ)
鞍馬天狗が幕末の江戸で活躍する話。佃島などうちの近所が舞台になっている。
03/29 どう読むか、聖書 青野太潮
朝日新聞社(朝日選書490)
復活をどう解釈するかという部分に著者のユニークさがあるが、これは個人の信仰告白に過ぎない。
03/31 カンヌ映画祭 中川洋吉
講談社 (講談社現代新書)
映画祭の歴史や運営の仕組みについて簡潔に解説してある。
04/03 出版クラッシュ!? 安藤哲也・小田光雄 ・永江朗
編書房
「激辛鼎談・出版に未来はあるか?」のパート2。出版社も取次も本屋も大変だ。
04/03 中世キリスト教文化紀行
ヨーロッパ文化の源流をもとめて
坂口昂吉
南窓社
中世キリスト教社会の魅力をカトリックの立場から紹介するエッセイ。なかなか面白かった。
04/04 古本屋サバイバル
超激震鼎談出版に未来はあるかIII
小田光雄・河野高孝 ・田村和典
編書房
最近古本屋を利用することが多いので、いろいろと参考になる。
04/06 私はどのように
神を見いだしたか
C・M・マルティーニ (佐久間勤訳)
女子パウロ会
著者は有名なミラノの大司教であり枢機卿。一問一答式なので中身は読みやすい。
04/08 ユングとオカルト 秋山さと子
講談社(講談社現代新書)
心理学者ユングの思想を形作ったオカルト原理についての解説書。ユングとの結びつきは弱い。
04/16 エクソシスト W・P・ブラッティ (宇野利泰訳)
新潮社
ブックオフで100円で買ってきた。74年発行の11刷。「ワーナー映画化」という帯付き。リンクは文庫版。
04/24 鞍馬天狗
地獄太平記(上)
大佛次郎
徳間文庫
手持ちの鞍馬天狗はこれが最後。鞍馬天狗の全集を文庫で再発売してくれないだろうか……。
05/06 鞍馬天狗
地獄太平記(下)
大佛次郎
徳間文庫
とうとう読み終わってしまった。いよいよ古書店で全集でも買うしかないな……。
05/09 吸血鬼 吉田八岑
北宋社
よくまとまっているけど、全体的にひどく退屈。なぜなんだろう?
05/18 数の悪魔
算数・数学が楽しくなる12夜
エンツェンスベルガー他
(丘沢静也訳)
晶文社
楽しい読み物。しかしこの程度では僕の好奇心は満足しなかった。
06/09 尼僧と悪魔
異端審問と妖術裁判
吉田八岑
北宋社
読んでいて憂鬱になる記述が多いけれど、「吸血鬼」よりは格段に面白い。訳語(用語)に多少気になる点もある。
06/12 「歴史・公民」全教科書を検証する
教科書改善白書
三浦朱門(編著)
小学館文庫
「つくる会」の教科書への強力な援護射撃。
06/20 異端審問

ギー・テスタス/
ジャン・テスタス(安斎和雄訳)
白水社 (文庫クセジュ)

有名なスペインの異端審問について大きくページを割いている。
06/20 ヒマワリはなぜ東を向くか
植物の不思議な生活
滝本敦
中公新書
植物についてのいろいろな話。世の中には単純でいて、まだ謎のままになっていることが多い。
06/22 正常と異常のはざま
境界線上の精神病理
森省二
講談社現代新書
携帯電話やインターネットがここまで普及した現代の目から見ると、事例がちょっと物足りないかも。でも面白い。
07/04 イスラム急進派 岡倉徹志
岩波新書
この本が書かれた当時はソ連も崩壊前、湾岸戦争も起きる前。今となっては情報が古すぎる。イラン革命についての記述は参考になる。
07/14 不屈のユダヤ魂
ヘブライ語の父 ベン・イェフダーの生涯
ロバート・セントジョン(島野信宏訳)
ミルトス
BOOK-OFFで半額で買った本だけど、これは面白かった。リンクは新版。
07/18 新しい公民教科書(市販本) 扶桑社 「新しい歴史教科書を作る会」が作った公民教科書。内容はごくごく常識的なもの。
08/11 新しい歴史教科書(市販本) 扶桑社 問題の歴史教科書。近現代の記述はやはり詰め込みすぎ。内容的には何カ所か疑問もある。
08/31 魔女と聖女
ヨーロッパ中・近世の女たち
池上俊一
講談社現代新書
フェミニズムにかぶれたくだらない本。読むのにやたら時間がかかってしまった。
09/21 西洋拷問刑罰史 大場正史
雄山閣
訳書なのに原著者名が書かれていないと言う不思議な本。あとがきを見ると著者の名前が出てくる。
09/27 旧約聖書を知っていますか 阿刀田高
新潮社
BOOK OFFで100円で購入。聖書をテーマにしたエッセイ集。
10/07 本能寺(上) 池宮彰一郎
毎日新聞社
人にもらって上巻だけ読んだ。下巻の内容が気になる。でも下巻は持ってない。どうしよう。
10/16 本能寺(下) 池宮彰一郎
毎日新聞社
下巻は図書館で借りました。終盤の仮説はかなり大胆だなぁ。
10/21 史上最強のオタク座談会・封印 岡田斗司夫・田中公平・山本弘
音楽専科社
著者3人は僕より1世代上。同じものを見ていても受け止め方が違うのだなぁ。
10/21 [宮崎アニメ]完全攻略ガイド
宮崎駿のススメ。
井坂十蔵
太陽出版
宮崎アニメの世界をおおまかに俯瞰するには便利な本。
10/21 宮崎駿の〈世界〉 切通理作
ちくま新書
宮崎駿論・宮崎アニメ論としてバランスの取れた良書。
10/27 作画汗まみれ・増補改訂版 大塚康生
徳間書店
東映動画初期の思い出話などは読んでいてじつに楽しい。
10/31 「もののけ姫」はこうして生まれた。 浦谷年良
徳間書店
『もののけ姫』のメイキング制作日記。やはりこれは映像で見るべき内容だろう。
11/04 昭和の怪物たち 杉森久英
河出文庫
永田雅一の伝記が載っているので買った文庫本。古書店で200円だった。
11/04 聖書の暗号 マイケル・ドロズニン(木原武一訳)
新潮社
BOOK OFFで100円だった本だが、あまりにもつまらなくて難行苦行。
11/13 ハリー・ポッターと賢者の石 J.K.ローリング(松岡佑子訳)
静山社
映画の原作本。確かに面白いし、映画向きの内容だ。
11/13 An interview with J.K.Rowling
ハリーポッター裏話
J.K.ローリング×リンゼイ・フレーザー
(松岡佑子訳)  静山社
紙が厚いので内容量は少ない。30分で読める本。
12/04 魔女狩り 森島恒雄
岩波新書
なぜか今まで読んでいなかった本。古書店で200円。
12/06 ハリウッド・ビジネス ミドリ・モール
文春新書
ハリウッドの舞台裏を弁護士の立場から書いた本。面白い。
12/11 サンタクロースの謎 賀来周一
講談社+α新書
内容はキリスト教によりすぎ。かなり退屈な内容。
12/14 誤報/新聞報道の死角 後藤文康
岩波新書
実例が多数載っていて面白い本だった。
12/15 世論の嘘 新聞の偽善 永田照海
新潮社
著者は元産経新聞の副社長。実例多数。ただし内容は古い。
12/17 知って役立つキリスト教大研究 八木谷涼子
新潮OH!文庫
今まで何となくわかった気になっていたことが、見事にスッキリ整理される快感!

2001年・印象に残った3冊
cover 出版クラッシュ!?
書店・出版社・取次 崩壊か再生か
超激震鼎談・出版に未来はあるか?III


安藤哲也・小田光雄・江永朗著
発行・編書房/発売・星雲社 1500円+税

出版不況の現状を、出版業界の内部から告発する過激な鼎談。出版業界の内部事情はかなりヤバイ状態になっているらしい。ライターとして出版業界の隅っこで仕事をしている僕としては、他人事ではない内容。読んでいて非常にスリリング。
cover エクソシスト
ウィリアム・ピーター・ブラッティ著
宇野利泰訳 新潮社 1000円

僕が購入したのは新潮社から出ていた最初の単行本。現在は創元推理文庫で手に入れられる。映画『エクソシスト/ディレクターズカット』の公開に合わせて原作を読んだ。ディレクターズカット版はオリジナル版より原作に近い形になっていることがよくわかる。映画『エクソシスト』には3バージョンあるが、ディレクターズカット版のDVD(僕はオリジナル版とのツインパックを購入)が発売されたことで、25周年記念版の特別版が絶版になってしまったのは残念。特典のメイキング・ドキュメンタリーを見ると、ディレクターズカットの意図がよくわかったのになぁ。

cover 知って役立つキリスト教大研究

八木谷涼子著
新潮社OH!文庫 定価829円+税

キリスト教の信仰(教理・教義)に踏み込むことなく、ひたすら教派の表面的な差異を解説した本。キリスト教の入門書は世の中にたくさんあるが、ここまで徹底して教派に固執し、網羅した本は他にないだろう。索引や用語集が充実しているので、調べものにも使えそう。映画の字幕翻訳者などは、この本をぜひ参考にしてほしい。

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